キャリアコンサルタント

2019年12月 3日 (火)

令和元年12月2日(月)認定NPO法人キャリア権推進ネットワークが「社会人の学び直し」をテーマに「第6回キャリア・コロッキアム」を開催

「越境」「越境学習者」「水平的学習」

「摩擦・迫害・風化」

「多様で緩やかな学びのコミュニティ」

などが【社会人の学び直し】キーワードに

 

グループワークでは

「どうしたら社会人がもっと学ぶようになるか?」

を参加者全員で検討

 

諏訪理事長からは、「この場は、まさに水平的学習の場」との指摘も

 

 

 令和元年12月2日(月)19002110頃まで

 認定NPO法人キャリア権推進ネットワークは、

講師に齊藤弘通 産業能率大学経営学部准教授を迎えて

「社会人の学び直し」をテーマに

「第6回キャリア・コロッキアム」を開催した。

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 齊藤氏は、基調報告の冒頭に「貧相なジョン・レノンなのでヒンレノン」などと述べ、会場を一気に沸かせていた。

 

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 そして、

○ 「リカレント教育」という言葉は、1969年5月に初めて使われ、その歴史は50年にもなるが、日本では、近年になって政府の提言などで使用されるようになってきたこと。

 

○ 日本では、関係省庁(厚生労働省、経済産業省、文部科学省)が、各々政策を行っていること。

 

○ 企業が、外部教育機関として、大学・大学院等の活用をしないこと。

 

○ 従業員が大学等で学習することに対して、企業は「特に評価はない」という状況。

 

○ 特に地方では学び直しが難しい。

 

――などを報告した。

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 日本における社会人の学び直しの現状については、詳細な国際比較データや各省庁・研究機関などの調査データなどを交えて、

 

○ 日本人は学び直しをあまりしていない。

 

○ 意識は高いが実践してない(掛け声だけで実際やっていない)。

 

○ 社会の学習・自己啓発の状況も悲惨な状況。

 

○ 学ばないことに特に理由はないという状況。

 

○ 労働時間が削減されても、自己学習を始める人の割合が増えるわけではない。

 

○ 自主的な学びの行動をしているのは、専門職(社会福祉専門職、医療技術者、ソフトウェア・インターネット関連技術者等)。

 

○ 当初得た技術は陳腐化していく。新たな知識を身につける必要がある。

 

○ 『忙しいからやらない』は言い訳

 

――などの特徴や傾向があることを述べていた。

 

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 「Society5.0 イノベーション(革新、新機軸、新結合)が求められる社会におけるこれからの学びのあり方」については、「越境」や「水平学習」などをキーワードに解説。

 

 

 「イノベーション」のためには、既存の前提への疑問の投げかけと問題の再構築が必要。そのためには、異質な他者との出会いや協働(=越境)による内省や学習が必要。異質な他者との協働の過程では、自らの前提・価値観との矛盾やコンフリクトも発生するため、アンラーニング(学習棄却)や「塩抜き」が必要となる(塩漬け人材ではダメ)。

 

 企業が得意な「垂直的学習」(熟達による学び)に対して、「水平的学習」(越境による学び)では、境界を超えることで新しい学びが生じる可能性がある。自分が当たり前だと思っていたことが実はそうではない可能性に気付くことで、「水平的学習」が始まる。「水平的学習」がイノベーションを起こす。

 

 越境による学びには、「組織コミットメントの向上」(社外の人々との接触を通じて、自組織の悪いところが見えてくる一方で、自組織の良いところも発見できる、という不思議な効果も。

 

――などと「越境」、「水平的学習」の意味や効果を説明。

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 その後、(多くの人がなんとなく感じていたが、うまく説明できなかったかもしれない)、同日の核心(の1つ)、「越境による学びをめぐる問題 ―摩擦・迫害・風化―」に話が進むと、「おお!」っと前傾姿勢になる参加者も。

 

 

 齊藤氏は、

 

 「越境先での学び」を本業に生かそうとした際に、既存組織(自身が勤務する職場や会社など)との間で、「摩擦」(例えば「お前なにかぶれてんだよ!」と言われる)が発生し(逆カルチャーショック問題)、「越境学習者」は迫害にあう(そして、ある者は坂本龍馬のように「脱藩」(離職)する)。

 

 そのうち、「越境学習者」の越境先での学びの高揚感は薄れ、(美しい過去の思い出として)風化していく。

 

 そのため、「越境学習者」には、そうした迫害を乗り越え、越境先での学びを翻訳し、既存組織に理解させる努力が求められる。

 

――など卓越した越境者になるために、求められる(精神的な)強さなどにも言及した。

 

 さらに、(JILPTの調査から)大学・大学院での学習を職場で秘匿するケースや越境的学習が「迫害」にあうことが示唆されること――などを指摘し、

 

  •  越境学習者(組織にとっては疎ましい存在)が、組織の中で、非正統的な学習活動を継続できるのか?
  •  越境して学んだことを組織に持ち込もうとしたら、迫害されている同僚を観て、自分も「越境」しようと思うのか?

 

――などの問題を提起した。

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 続いて(同日の核心の2つ目)「社会人の学び直しを推進する上での課題」については、

 

 「自助・共助・公助」を上手く組み合わせることが大切であり、

 

 公助(国や公的機関)に関わる部分は、基盤が脆弱であることを再度指摘。

 

 共助(企業)に関わる部分については、「本業以外の活動に対する上司・職場のネガティブな認識と集団圧力が背後にある?」、「ミレニアル世代(19811993生まれ)の旺盛な学び意欲、学び行動を阻害しないマネジメントが必要では?」などと指摘した。

 

 共助(地域社会)に関わる部分については、大学・大学院はハードルが高いので、多様で緩やかな学びのコミュニティが社会に形成されることが望ましいと考えられ、その1つのケースとして、「#シブヤ大学」「#大ナゴヤ大学」「#福岡テンジン大学」(授業は参加者が自分たちでつくるなどの取組み)などの「地域密着型生涯学習大学」の取組みを紹介し、入りやすいコミュニティは、ボランティアスタッフの学び直しなどにつながり、「その後の学びに有効では?」と指摘していた。

 

 

 自助(個人、自分自身)に関わる部分については、

 

①「継続的に学習すべし」(「すぐに役立つものは、すぐに役立たなくなる」リスクが高い社会 など)

 

②「リスク分散すべし」(シングルスキル→デュアルスキル、シングルキャリア→パラレルキャリア など)

 

③「社会関係資本を構築すべし」(「旧友は突然現れない」「本業人脈からは仕事は来ない」など)

 

――と具体的な例などを交えた3箇条を示した。

 

 

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 そして、基調報告の締めくくりには、「社会人の学び直しを促進するために必要だと考えていること」として、

 

★ 社会人が気楽に参加できる緩やかな・裾野の広い学習コミュニティを積極的に立ち上げ、学び直し人口の裾野を広げること(学びのきっかけづくり)

 

★ 「社会人の学び直し」を社会人の枠で完結させるのではなく、例えば、現役の学生と協働するなど、社会人の枠を超えたアプローチを模索すること

 

★ 役職者(上長)の積極的な学び直しと、組織内での情報発信・情報共有(学び直しを促す組織文化の醸成)を促すこと

 

――の3つをあげていた。

 

 

 参加者からは、「キャリアコンサルタントに期待することは?」との質問が出ていた。

 

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 2010頃には、諏訪康雄理事長が「どうしたら社会人がもっと学ぶようになるか?」という課題を提示。

 参加者各自が3分のタイムリミットで、「Q1 What?(何が問題か?)」「Q2 Why?(なぜか?)」「Q3 How?(どうするべきか?)」の「2WH」を配布された回答用紙に記入し、その後、5つの班別のグループワークがスタートした。

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 302050からは、ジャンケンを勝ち抜いた代表者がグループの成果を発表した。

 

 参加者からは、

① 留学のすすめ。リカレント教育に補助金。評価制度の見直し。

② 皆が行う必要があるのか。上の人がどんどん学んで欲しい。すぐ目の前の仕事に役立つようなプログラムによって評価されることに。人生を楽しむために学ぶことを忘れてはいけない。

③ ミレニアム世代の考え方を取り入れる。

④ アウトプットする場を。離職することは悪いことですか?

⑤ 個人がどうしたいのか考えなければならない。生きること、学ぶことをもう1回考える。学ぶきっかけが増えればいい。

 

――などの様々な意見が出ていた。

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 同日の締めくくりに、齊藤氏は、社会人の学び直しについて、

誰がターゲットなのか?

何を学べばよいか分からない。

スペックがよくわかっていない。

大学院の勉強は、すぐに役立たないが…。

上が学び直すことが大切。

――などについて述べていた。

 

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 グループワークと検討結果の発表もとても盛り上がり、気づけば午後9時をとうにすぎていたため、諏訪理事長の総括は理事長自らの判断でオミットされた(会場からは「ききたかったのに~」との残念がる声も)。

 終了後には、齊藤氏から、2種類の追加資料が提供された。

 齊藤氏の前には、午後9時半近くまで、名刺交換や質問をしたい参加者の列ができていた。

 

 次回(第7回)は、ジェロントロジー(高齢学)をテーマに、令和2年2月以降の開催が予定されている。

 

【主催】

認定NPO法人キャリア権推進ネットワーク

http://www.career-ken.org/



【会場】

株式会社ライフワークス

https://www.lifeworks.co.jp/

セミナールーム

東京都港区虎ノ門3丁目4-7 虎ノ門36森ビル10



【事務局担当】

株式会社ウイル

https://www.officewill.co.jp/

 

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2019年11月 1日 (金)

令和元年10月31日(木)「第2回 今後の人材開発政策の在り方に関する研究会」開催される(厚生労働省)

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受講者数は減少傾向にある

 

ハロートレーニングの約75%は民間教育訓練機関により実施されている

 

IT分野の講座は応募倍率が高いが就職率は低め

介護分野の講座は応募倍率が1倍を下回るケースが多いが就職率は高い

埼玉県では、介護分野とIT分野の受講者数割合が逆転

 

「第4次産業革命に対応した職業訓練のあり方に係る調査研究」

 

――などが報告される

 

 

「第2回 今後の人材開発政策の在り方に関する研究会資料」

 

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 令和元年1031日(木)9:5812:00

 中央労働委員会講堂(東京都港区)にて、

「第2回 今後の人材開発政策の在り方に関する研究会」が開催された。

 

 同日の議題は、

① 公的職業訓練について

② 高齢・障害・求職者雇用支援機構における第4次産業革命に対応した職業訓練について

 

 

 の冒頭では、 JILPTの関家委員が、《資料2》の「2019年度に厚生労働省が実施する公共職業訓練政策の体系と政策参加者数・予算構成」を解説した。

 委員からは、教育訓練給付の全国民に対する活用の度合いは? などの質問が出ていた。

 

 《資料3》の「公的職業訓練について」に関しては、

事務局から、

「公的職業訓練」全体としては、受講者数は減少傾向にあるが、在職者訓練は増加傾向にあること

ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)の約75%は民間教育訓練機関により実施されていること

――などの説明があった。

 

 委員からは、

「公的職業訓練」と「公共職業訓練」、「民間委託職業訓練」の意味、違いについての質問などがあった。

 

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 の「関係者からのヒアリング」では、

 

吉野繁雄 埼玉県産業労働部産業人材育成課副課長

 

増田吉則 静岡県経済産業部職業能力開発課長

 

――が登壇し、埼玉県と静岡県の取組みを報告した。

 

 

 埼玉県の吉野副課長からは、

 

 施設内訓練【一般求職者】の課題として、

「金属系、機械系科目 → 求人は多いが応募者が少ないこと」

「応募者が年々減少しており、指導が困難な訓練生の入校が増えていること」

 

 施設内訓練【在職者】の課題として、

「介護系の講座は受講者が少ないこと(メニュー型の応募倍率(平成30年度):全体0.84倍、介護系0.58倍)」

12時間未満で実施できるカリキュラムへの要望に対応できないこと」

 

 委託訓練【一般求職者】の課題として、

「<IT分野>の受講者数は横ばい、割合は増加し、分野別で最高(33%→42%)であるが、就職率は低め(70%前後)であること」

「<介護分野>の受講者数は、5年間で1,000人減。全体の受講者数が減少する中で、割合も減少(36%→25%)。就職率は高い(84.1%:平成30年度)。民間教育訓練機関の撤退があること」

 

――などが説明された。

 

 

 静岡県の増田課長からは、主に

「静岡県立職業能力開発短期大学校の設置について」

「静岡県の在職者訓練の状況について」

――が報告された。

 

 

 

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 の「関係者からのヒアリング」では、

原 裕之 高度ポリテクセンター所長

原 圭吾 職業能力開発総合大学校教授

――が登壇した。

 

 原 裕之 高度ポリテクセンター所長は、主に

「高度ポリテクセンターの在職者訓練の取組み」について報告し、

 

 原 圭吾 職業能力開発総合大学校教授は、

「第4次産業革命に対応した職業訓練のあり方研究会」の概要などを報告した。

 

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 同日のヒアリングについて、委員からは、

 

(埼玉県において)介護の民間教育訓練機関が撤退しているのは受講者が減っているからか?

 

(埼玉県と静岡県の)職業訓練の提供者数(実施側、講師数)は? 講師は常勤か? 非常勤が増加する傾向はあるか?

 

(埼玉県と静岡県において)

産業構造変化に伴う訓練の転換は?

レディ・メイドの職業訓練のあり方を変えていくことの課題は?

訓練のツールも変わってきているか?

 

在職者訓練に両県(埼玉県と静岡県)とも力を入れている。

在職者訓練は労使の評価が高い。波及効果がある。官民連携の核となる。

 

(静岡県の)信用金庫との人材育成連携では、どのようなことを行っているのか?

 

《原圭吾教授の報告について》

全般に第4次産業革命が強調されていたかと思う。

自分の仕事を失なわないための職業訓練が重要な課題である。

 

(第4次産業革命に伴う技術要素等)これからは様々な要素の統合が大切であるが、
カリキュラムに実際落としていくと「要素」、「要素」とブツ切りになる懸念がある。
「統合」をどう教えていくか?

 

(最終ページの「今後の取組みについて」)

この取組をぜひ加速していただきたい。

ボトルネックになるものは?

 

――など多数の質問や意見が出ていた。

 

次回は、11月下旬に開催される予定。

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2019年10月 4日 (金)

令和元年9月17日(火)認定NPO法人キャリア権推進ネットワークが「第5回キャリア・コロッキアム」を開催

 

島青志氏による「ティール組織」(自律的組織)の講演と全員参加のグループワークを実施

 

 認定NPO法人キャリア権推進ネットワーク(諏訪康雄理事長)は、令和元年9月17日(火)午後7時~午後9時に「第5回キャリア・コロッキアム」を開催した。ここでは、その様子をダイジェストで紹介する。

 第5回の講師は、ティール組織を推進する一般社団法人自然経営研究会の代表理事を務める島青志しま・せいじ)氏。 島氏は、株式会社Salt 代表取締役、経営コンサルタントとしても活躍している。

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 島氏は、冒頭に「ティール組織」(日本で7万部、全世界で20万部を超える売上を記録している)の著者であるフレデリック・ラルー 氏(ちょうど当日(9月17日)まで日本に滞在していたとのこと)とのツーショット写真や島氏が執筆したSF小説「シュレーディンガーの宇宙」の紹介などを行って会場をわかせてから、和やかで楽しげな雰囲気の中で「ティール(Teal)組織」の解説に入った。

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 島氏は、「ティール組織」(自律的組織)について、 現在の日本企業の多くがオレンジ組織(機械的組織) その次のグリーン組織(家族的組織)とは、法政大学の坂本光司教授の「日本でいちばん大切にしたい会社」のような会社であり、その次にくるのが「ティール組織」であることを説明し、

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 「ティール組織」は、

信頼で結びついてる

指示命令系統がない

 

 「自律的組織の3つの誤解」(3つの神話)

組織構造がない

階層構造がない

全てがコンセンサスで決まる

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「自律的組織の歴史」 日本はスクラム経営が多い

それがアジャイル開発、ホラクラシーに

 

日本のやってきたことがティール組織に影響を与えている

 

「自然(じねん)」とは、ネイチャーではなくナチュラル「本来的にそうであること」

 

それでは、自然(経営)モデルとはどうずればいいのか?

キーワードは「自己組織化」

 

自然界における自己組織化の例としては、 雪の結晶 アリの組織(蟻塚)などがある。

人間界の例としては、 自己組織化でできている東京(都市)の街並み キーボードの配列(QWERTY配列) 世界の鉄道の線路の幅(144cm) ビデオテープ VHSとβの件 などがある

――などの数々の実例やキーワード・センテンスを交えて解説した。

 

続いて同日のテーマの本丸と思われる「ティール組織の3つの突破口」に話を進めていった。

 島氏は、「ティール組織の突破口」として、自主経営、全体性(自分だけでなく全体をみる)、存在目的(組織の理念、目的に共鳴すること。ただし作られた経営理念とは異なる)――の3つを示した。

 

 島氏は、日本におけるティール組織の度合いが高いと思われる25社のアンケート結果も発表。参加者からは、「25社の選び方」や「ティール組織のメンバーには誰でもなれるのか」「個人の資質や能力は問われないのか」などの質問が出ていた。

 

 参加者の「ティール組織を詳しく知りたい!」という熱意からか、事務局がエアコンの温度設定を何度も確認・変更する場面もみられた。

 

 講演の予定時間(1時間)はあっという間に過ぎ(少々おしてしまったため、休憩時間を切り詰めて)、続いて、第2部の全員参加のグループワークが開始された。

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 後半のワークショップの開始に当たって、諏訪康雄理事長は、「社員に任せるから会社は進化する 日本版『ティール組織』で黒字になる経営の仕組み」の著者・株式会社日本レーザー 近藤宣之会長の話を紹介した。

 株式会社日本レーザー(東京都・新宿区)では、ティール組織の概念が提唱されるかなり以前から、ティール組織とよく似た組織を構築してきたという。

※ 小誌2014年1月1日・11日合併号『新春企業訪問』では、「多様な働き方を支えるダブルアサインメント&マルチタスク 育児支える1業務2人担当制が会社と社員のリスク対策にも」というテーマで同社の取材記事を掲載している。

 

 ワークショップでは、

① 変容する日本経営は「ティール組織」に近づいていくか?

② どんな業界の、どんな規模や歴史の企業組織が、どれほど近づいていきそうか? (逆にいえば、まるで近づいていきそうもないか?)

――をテーマに各グループで議論が開始された(制限時間30分)。

 

 その後、4つのグループの代表者が発表を行った。

 

 ①については、

近づいていく企業もあると思うが多くなるかは疑問

大企業では難しそう

――などの意見が出ていた。

 

 ②については、

イノベーティブ、クリエイティブな業界が

安全、確実を保証する業界は厳しい

価値観・理念で自主的に動いていくことが必要

理念がわかっていれば

プロジェクトベースでわーっとやるイメージ

軍隊、警察はさすがに無理

(対テロ対策などで、)軍隊でもティール的な組織が必要かと

企業としても魅力を高めるのに取り入れていくのがいいのでは

理念が共通であるという前提がないと組織は無茶苦茶になる

――など様々な意見が出ていた。

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講師をつとめた島青志 氏は、同日の締めくくりに当たって、

「ある論文で、2030年までに世界のトップ1000のグローバルな会社の20%がもしティールになったら、びっくりだろうと。逆に世界の会社の20%が全く自律的なことをしていないということだったら、世界は終わるだろう。という言い方をしているんですね。

 そんなことはないだろうかと。

 なんらかのかたちで、丸々大企業が入れるとかではなくて、部署ごとの動きであったり、色々な形で自律的なものが取り入れられたりとか、その中で、また新しいかたちができたり、ティールじゃないかもしれませんね。

 もし今日を機会に、自分自身の中でまさに考えていく課題のひとつのきっかけにできれば、とても本望かと思っています。私自身もまだまだ模索中ですので、これからも色々とご意見の交換などさせていただければ、今日はありがとうございました。」

――などと述べていた。

 

 

諏訪康雄理事長は、

「今日は、今もっともホットな話題の1つであるティール組織について、島先生からのご報告をいただき、そして、それに沿って、今の日本、近未来の日本の組織はどんなふうになりそうか、ということのご議論をいただきました。

 世の中の変化を考えてみますと、これほどSNSが、例えば色々なところで、世の中を動かしたり、あるいは政治のコミュニケーションのあり方として、これほどツイッターが幅を利かせるなんて、ほとんど我々は想像だにしていなかったのですが、このように変化が色々な形で起きてくるんじゃないか。そのときにティール型が最終目標かどうかとか、そういうことはよくわからない。なぜならば、世の中には色々な組織形態、組織運営のあり方があって、それがモザイク状になりながら、それそれの部分部分で適者生存的なものを繰り返していくんじゃないかなと思います。

 というわけで、ティールが今後、伸びていくかどうかは、ティールをしたら、我が社はすごい利益を挙げた!とか、あるいは、次々従業員が大きな仕事をしていた!だとか、こういった成果というかパフォーマンスというのが、影響を与えていくのだと思います。

 今後も、意識してみていく分野かと思います。

 逆に言えば、まるでティールと関係ないという組織、そっちの方向には動かないという組織も、社会運営の中では残っていくだろうと思います。

 しかし、そうした組織が人材をどんなふうに集めて、育成していくか、などということは、今後また見方は変わっていくのかなぁと思います。

 というわけで今日は、ティール組織をめぐる報告と組織をめぐる議論をしていただきました。我々のキャリア・コロッキアムも、今後とも絶えず、世の中の動きの最先端に近い部分をみなさんと一緒に検証し、そして議論していきたいと思います。

 次回の勉強会にも、機会が、あるいは関心がありましたら、ぜひ、積極的にご参加いただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。お疲れ様でした。」

――と語っていた。

 

 

「第6回キャリア・コロッキアム」の開催は、認定NPO法人キャリア権推進ネットワークのHPhttp://career-ken.org)に告知される予定。

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2017年10月31日 (火)

認定NPO法人キャリア権推進ネットワークが「ワールドカフェ2017」を開催 株式会社ビースタイルの『踊る広報』こと柴田菜々子氏に学ぶ 週3日勤務など柔軟な働き方の秘訣とは(2017年10月2日) 

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 認定NPO法人キャリア権推進ネットワーク(戸苅利和理事長)は、平成29年10月2日、「働き方改革の実現 ~『踊る広報』に学ぶ、柔軟な働き方(週3日勤務)を実現する会社の運用のポイント~」をテーマに「ワールドカフェ2017」を株式会社岡村製作所ガーデンコートショールーム内(東京都千代田区)にて開催した。

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 当日は、会社員として週3日広報業務を担当し残りの4日はダンサーとして活動する『踊る広報』こと株式会社ビースタイルの柴田菜々子氏とその上司の川上敬太郎氏から週3日勤務やパラレルキャリア等の柔軟な働き方の実現のためのノウハウなどを学んだ。

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 同NPO(以下「キャリア権推進ネット」)は、働く人々が希望する仕事を自ら選択し仕事を通じて幸福を追求する権利「キャリア権」の理念を広く社会に普及・浸透させることを目指して平成25年4月に発足した。

 現代社会の大きな課題の1つである「働き方改革の推進」についても、お題目にとどまらず、実質的に運用していく難しさを真摯に捉え、それを乗り越える制度の構築、運用のノウハウを会員・参加者が一体となって検討・共有する独自の活動をしている。

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 10月2日に開催された「ワールドカフェ2017」の第1部では、会社員として週3日勤務し、残りの4日はダンサーとして活躍する『踊る広報』こと株式会社ビースタイル(人材派遣事業・求人情報提供事業 東京都)の柴田菜々子氏とその上司の川上敬太郎氏に「週3日勤務の実現と運用のポイント」を聴いた。

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 司会は石山恒貴法政大学大学院政策創造研究科教授がつとめた。

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2016年2月24日 (水)

「第1回キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会」開催される。座長に桐村晋次氏が就任 ~指定登録機関、登録試験機関の申請案件に係る専門事項の検討など開始される~【厚生労働省・職業能力開発局】

本日(平成28年2月24日)、午前10時から、中央合同庁舎第5号館 仮設第4会議室(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号)において、「第1回キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会」が開催されました。

 

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同検討会は、厚生労働省職業能力開発局長が構成員(学識経験者その他の有識者)の参集を求めて開催するもので、その趣旨には、平成28年度から開始される「キャリアコンサルタント登録制度に関わる各機関の指定、登録、認定等の審査に当たり、審査事項のうち専門的事項について、専門的知見に基づく検討が必要であるため」同検討会を開催して、必要な検討を行うこととあります。

 

第1回の本日は、まず、検討会の座長が参集者(7名)の互選により選出されました。

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座長には、桐村晋次氏(日本産業カウンセリング学会特別顧問、前 法政大学キャリアデザイン学部教授)が選ばれました。

 

本日の議題は、

 指定登録機関の申請案件に係る専門事項の検討について

 登録試験機関の申請案件に係る専門事項の検討について

 その他

――でした。

 

 

 

会議の内容については、「特定の機関の調査またはその他の特段の事情がある場合には、座長の判断により、会議を非公開とすることができる。」とされており、座長判断により、非公開とされました。

 

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なお、指定登録機関と登録試験機関の申請案件に係る専門事項については、近くまとまるものとみられます。

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