ダイバシティ

2019年12月 6日 (金)

2019年11月28日(木曜日)大原記念労働科学研究所が2019年 第7回 労働科学研究所セミナー「誰もが生き生きと働ける社会を創る」(講演者・村木厚子氏)を開催

20191128日(木)14:0016:00

 公益財団法人 大原記念労働科学研究所が、講演者に村木厚子氏を迎えて、2019年 第7回 労働科学研究所セミナー「誰もが生き生きと働ける社会を創る」を開催した(場所 桜美林大学・新宿キャンパス)。

Logo

 

社員の強みを見つけ、それに合った仕事をさせるのが社長の仕事

障害が「ある・ない」は関係ない

 

変化の時代では「ずっと学び続けること」「異なるものとつながること」が大事

混乱を受け入れ乗り越えて

2_20191206155501

 

…………………………………………………

◆ 障害者雇用

…………………………………………………

 「人が働くことを応援する意味では何も変わらないこと」に気づくきっかけとなった社長さんの言葉

 

 村木氏は、講演の冒頭に

 「20年位前、労働省の障害者雇用対策課長になりましたが、そのとき私はたいへん戸惑いました。障害のある人と接点もなかったし、…不用意なことを言って、障害のある人の気持ちを傷つけるんじゃないかとか…自分のことを手足が縮こまって甲羅の中に首も手足も入った亀みたいだと思ったことも覚えています」と語った。

 そして、その気持を解きほぐしてくれたある社長の言葉を紹介した。
 

 「障害者をたくさん雇っている中小企業の社長さんが私に『社員の良いところ、何が得意か、何が強みかを見て、それに合った仕事をさせるのが社長の仕事、プロの経営者の仕事。だから障害のある・なしは関係ないんだ』と言ってくれました。それを聞いて、『ああ!そうか、私は20年間も労働問題を、人が働くことをやってきたんだ。障害があろうがなかろうが、その人が働くってことを応援するという意味で言えば今までやってきたことと何も変わらないんだ』ということを『はっ』と気がつき、それから、やっと普通に仕事ができるようになりました」と労働省時代のエピソードを語った。

 そして、「その人の強みをきちんと把握して、それぞれの人が自分の強みで仕事をする」というアメリカや一部の日本の企業で取り入れられている『ストレングス・ファインディング』という雇用管理の方法を紹介した。

 さらに、村木氏は、立ち仕事ができる車椅子が20年前に存在していたこと、階段が上れる車椅子があることを紹介し、「結局、社会しだい」であると語った。

 また、障害者雇用率制度については、「最初の頃に(企業が障害者雇用を)勉強するきっかけとなる『宿題』だと思っている」と述べていた。
 

4_20191206155501

…………………………………………………

◆ これからの社会に求められるもの

…………………………………………………

 令和の時代は「前向きな改革」を

 

 村木氏は、平成の時代では、「痛みを伴う改革」が行われたが、令和の時代は、「前向きな改革」が行われるべきと述べた。

 具体的には、「経済活動については、平成時代は、徹底的な効率化、労働分配率の抑制などが行われたが、令和の時代は、より創造的で付加価値の高い分野に資本と労働をシフトして生産性を向上させることが求められる。社会保障については、負担増と社会保障給付の効率化・重点化が行われたが、消費税10%で赤字がなくなるわけではない。令和時代には、税・社会保険料を払う人=働き手を増やすことが求められる。本当に苦しい改革だけですか? 危機意識をもって全員参加を」などと語った。

5_20191206155501

…………………………………………………

◆ 「働き方改革」でやるべきこと

…………………………………………………

 健康維持、フェアな処遇、仕事と生活の質の向上が「働き方改革の本質」

 村木氏は、「働き方改革」で行うべきこと(働き方改革の本質)として、

① 健康を維持し、家族を大切にすること(長時間労働の廃止)

② 様々な働き方をする人を公平に扱うこと(同一労働同一賃金、違うように働くので違う処遇となるがフェアでなければならない)

③ 仕事と生活の質を上げる多様で柔軟な働き方(場所と時間の柔軟化)

──の3つを掲げた。

 

…………………………………………………

◆ 変化の速い時代をどう生きる?

…………………………………………………

 変化の時代に対応するために

 学び続け異なるものとつながる

 村木氏は、「今ほど変化のペースが速い時代は過去になかった。だが今後、今ほど変化が遅い時代も二度とこないだろう」というカナダ・トルドー首相のダボス会議での発言を引用して、「変化の速い時代をどう生きるか」について、持論を展開した。

 

 村木氏は、ロンドンビジネススクール・マネジメント実践のリンダ・グラットン教授の日本に対する提言などを紹介し、変化の時代に対応するためには、①「ずっと学び続けること」、②「異なるものとつながること」──が重要であることを指摘。

 特に②については、ラグビー日本代表のエディ・ジョーンズ前監督が代表に多くの外国人を選んだことなどを例に出して、「日本人は『異なる人』と協力して何かを行うことが非常に苦手。強みであった『同質性』が欠点になっている。異なる人と協力することができれば新たな可能性が」と指摘。

 「必ず混乱が起こるが、それが科学的反応を起こし組織は強さを増す。混乱を受け入れ乗り越えて」と呼びかけていた。

3_20191206155501

 

 村木氏は、穏やかでときに熱く、スタンディング&ノンストップで2時間の講演を続けた。

 講演終了後、村木氏の前には、参加者が長い列をつくっていた。

 

…………………………………………………………………………………………………………

● 村木厚子(むらき・あつこ)

 厚生労働事務官(平成25年7月~平成27年9月)を務めた後、伊藤忠商事社外取締役、津田塾大学客員教授等にて活躍。著作に「あきらめない―働くあなたに贈る真実のメッセージ」(日経BP社)、「日本型組織の病を考える」(角川新書) 他多数。

…………………………………………………………………………………………………………

 

1_20191206155501

 

 次回(2019年 第8回 労働科学研究所セミナー )は、

2020年1月29日(水)14:00~16:00

桜美林大学 新宿キャンパス 3F J301教室

――にて開催される予定。

 

 テーマは、「働き方改革に使えるシフトワーク研究の成果」

 講師は、佐々木司氏(大原記念労働科学研究所 上席主任研究員)

 詳細はこちら

| | コメント (0)

2019年11月22日(金曜日)令和元年の「いい夫婦の日」に中央大学戦略経営研究科「ワーク・ライフ・バランス&多様性推進・研究プロジェクト」が「第11回成果報告会」を開催 ~テーマは「多様な人材が活躍できる企業経営を目指して」

20191122日(金曜日)13151745

令和元年の「いい夫婦の日」に中央大学駿河台記念館にて、中央大学戦略経営研究科「ワーク・ライフ・バランス&多様性推進・研究プロジェクト」が、プロジェクトの研究成果を報告する「第11回成果報告会」を開催した。

 

テーマは「多様な人材が活躍できる企業経営を目指して」

令和最初の「いい夫婦の日」(11月22日)に
カップルでの子育て実現のための支援など検討

P

 

 「ワーク・ライフ・バランス&多様性推進・研究プロジェクト」(共同代表・佐藤博樹中央大学大学院戦略経営研究科教授、武石恵美子法政大学キャリアデザイン学部教授)は、平成20年(2008年)10月に東京大学社会科学研究所と民間企業が共同して発足させたもので、ワーク・ライフ・バランス(以下「WLB」)の推進と働き方の関係などについて民間企業と共同研究を行ってきた。平成26年(2014年)4月からは、中央大学の後楽園キャンパスの戦略経営研究科(ビジネススクール)に研究拠点に移し、「多様性」を研究テーマに加えている。

 同プロジェクトは、これまで、人材の多様化へ対応するためのWLB支援の必要性や具体策、WLBと働き方の関係などについて調査研究・情報交換などを行い、成果については、政策提言としてとりまとめて発信している。

 研究成果を社会に幅広く還元することを目指して開催している「成果報告会」には、企業や自治体において人事管理や多様性推進に取り組んでいる担当者が毎年300人程度参加して、活発な議論が行われている。

 令和元年11月22日(いい夫婦の日)に開催された「第11回 成果報告会」では、「多様な人材が活躍できる企業経営を目指して」をメインテーマに、管理職の役割、女性活躍と男性の子育て、高齢者雇用、ダイバーシティ経営などに関する講義やグループディスカッション、パネルディスカッションが展開された。

 「多様な人材が活躍できる企業経営を目指して」

 「第11回 成果報告会」のプログラムは、4つの分科会が開催される第Ⅰ部と、全体会が行われる第Ⅱ部から構成されていた。

――――――――――――――――――――――――――――――

【第Ⅰ部】13:15~16:00 4つの分科会

――――――――――――――――――――――――――――――

第Ⅰ部(13:1516:00)では、ADの4つの分科会が開催された。

 

24_20191209133101

 

分科会A 変わる管理職の役割:「部下を伸ばす」管理職をどう生み出すか

A

A2

 

分科会B 女性活躍と男性の子育て

B

 

 分科会C 高齢者雇用を本気で考える:「福祉的雇用」から「活躍」へ

C

 

分科会D ダイバーシティ経営の基礎を学ぶ:マネジメントの役割

D1

 

 上記の4つの分科会では、企業からの事例報告や参加者全員で1つのテーマに対し意見を出し合ってグループの意見としてまとめあげるワークショップ、働き方改革に関するドラマを視聴し自らの考えを発表しあうコーナーなど、様々な趣向を凝らした講習が行われた。

 小誌では、主に分科会Dを取材したが、どの分科会も魅力的な内容で、この身が1つなのが悔しく「分身できたらなぁ」などと思ってしまった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

分科会D

――――――――――――――――――――――――――――――

…………………………………………………………………………………………………………

《前半》佐藤博樹中央大学大学院戦略経営研究科教授が登壇

…………………………………………………………………………………………………………

 分科会Dの前半では、佐藤博樹中央大学大学院戦略経営研究科教授が、「ダイバーシティ経営の基礎を学ぶ」というタイトルで講義を行った。

 佐藤氏は、「ダイバーシティ経営の基本は『適材適所』だが従来『適材』としてきた『望ましい人材像』の見直しが不可欠。従来の『適材』のみでは必要な人材を質と量の両面で確保できない時代であり、多様な人材が新しい『適材』として活躍できる働き方改革などが不可欠になる」と説明した。

 そして、ダイバーシティ経営を実現するためには、

① 「理念統合」経営(企業の経営理念や行動規範などの社員への浸透と社員の深い関わり合いが不可欠)

② 多様な人材が活躍できる「働き方」の実現(「働き方改革=残業削減」ではない。安易な残業依存体質を変える)

③ 多様な部下をマネジメントできる管理職(WLB管理職)の育成・登用(自分と価値観などが異なることを前提に部下を知ること(仕事以外の生活面などでの希望や課題などを含めて理解すること)

――が重要であるとした。

 また、「定時退社の週2日以上の実現」と「残業を行う場合はまとめて(メリハリワーク)」が「働き方改革と生活改革の好循環」の実現のためには重要であることなどを提言した。

…………………………………………………………………………………………………………

グループディスカッション

『働き方改革を成功させる ダイバーシティマネジメント』

…………………………………………………………………………………………………………

 佐藤氏は、グループディスカッションに先立ち、

『働き方改革を成功させる ダイバーシティマネジメント』(日経DVD

の第1部(約20分、「ダイバーシティマネジメント」ができない管理職編)を上映した。

D2

 ディスカッションでは、ドラマの課長(古木課長)のマネジメントの問題(部下の話を聞かないで、思い込みで判断するアンコンシャス・バイアスなど)や自分が当事者だった場合の行動を考えて、その内容をグループ内で意見交換し、望ましい部下マネジメントを考える場となった。

 グループの代表者からは、「古木課長は部下の意向を聴いていない」「コミュニケーションが大事」「全員が7時に帰る必要はない。メリハリが重要」などの意見が出ていた。

 

 その後上映された第2部(約20分、「ダイバーシティマネジメント」ができる管理職編)では、

① 無意識な思い込み(アンコンシャス・バイアス)は無意識な行動を引き起こす。それを解消するためには,日頃から部下の能力や意向を傾聴することが大事

② メリハリをつけて働くことで豊かな生活を実現する

③ 変化対応力を備えることや学習棄却(アンラーニング)が重要

④ 管理職自身が自分の業務を見直すことが大事

――などの働き方改革を成功させるポイントが紹介された。

 

…………………………………………………………………………………………………………

《後半》高見具広(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員が登壇

…………………………………………………………………………………………………………

 分科会の後半では、高見具広(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員が「働き方改革を進めるマネジメント ―生産性向上と従業員満足の両立―」をテーマに講義を行った。 

 高見氏は、「何のための働き方改革か。残業削減が自己目的化していないか」「仕事量が減らないならば、残業が数字上減ったとしても、問題は残る(労働強度の上昇、持ち帰り残業、休日就業など)」「時間が限られる中で、特定の者への業務の偏り、教育訓練への影響は生じていないか」――などの働き方改革を進める上で考えるポイントを指摘した。

 そして、「オフの時間の過ごし方は、仕事によるストレスや生産性に関係する」「情報通信機器の発達により、オフの時間に仕事が持ち込まれるケースもあり、オン・オフの境界があいまいに」「常に仕事を気にしなければならない状態だと、豊かなオフは実現しない」――ことなどを示し、「仕事からきちんと離れないといけない」ということを提起した。

 そして、特に営業職などの「社員のオフへの目配り」、「オフの管理」もマネジメントの課題になると指摘していた。

 

D3

――――――――――――――――――――――――――――――――

【第Ⅱ部】16:20~17:45 全体会:パネルディスカッション

「カップルでの子育てを実現するために:企業・職場の支援のあり方」

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 第Ⅱ部(16:2017:45)の全体会では、「カップルでの子育てを実現するために:企業・職場の支援のあり方」をテーマに、各分科会の代表者4名が集結。

 佐藤氏の講義の後、パネルディスカッションが行われた。

P

 

…………………………………………………………………………………………………………

《前半》佐藤博樹中央大学大学院戦略経営研究科教授が登壇

…………………………………………………………………………………………………………

Z5

 佐藤氏は、「自社の女性社員がカップルで子育てできるようにするためには女性社員の配偶者(他社に務めている夫)の子育て参加の促進が不可欠。夫が長時間労働だと妻は短時間勤務を長期に選択せざるを得ない」、「短期の『点』としての男性の育休取得を、その後の長い子育て期におけるカップルでの子育ての実現につながるよう『面』としての男性の生活改革や働き方改革につなげることが不可欠」などと述べた。

 男性の育休取得の有給化に関しては、「育休取得の場合は雇用保険から67%の給付+社会保険料免除で収入減になるが、育休取得者の企業側の社会保険料免除分で取得者の収入減の補填もでき100%近くカバーすることも可能」、「育休取得の場合は、育休取得者の賃金相当分で仕事をカバーした他の職場成員にボーナス等で評価することも可能」などを指摘していた。

 そして、男性の育休取得を支援する際の留意点としては、

① 給付金など法定の制度を含め自社の制度に関する情報提供をすること

② その後の長い「面」としての子育て参加につながる支援を行うこと

③ 共働きカップルばかりではない現状への対応をすること

④ 女性社員の配偶者の家事・子育て参加の促進の取組みも同時に行うこと

――などを提示した。

 「男性の子育て参加促進のために育児・介護休業法などの法改正の必要性」については、「育児など両立支援制度の利用期間を分割し、男性のみに割り当てられた期間を設定すること」などを検討点として掲げた。

 そして、「一番大事なのは配偶者である夫、つまり自社の女性社員の夫の子育て参加」であり、「女性社員の夫の会社に、上司や人事がお手紙を出すことで世の中は変わるのでは」と提言していた。

…………………………………………………………………………………………………………

《後半》パネルディスカッション

「カップルでの子育てを実現するために:企業・職場の支援のあり方」

 

司会進行 武石恵美子 法政大学キャリアデザイン学部教授

〔パネリスト〕

分科会A 坂爪洋美 法政大学キャリアデザイン学部教授

分科会B 池田心豪(独)労働政策研究・研修機構 主任研究員

分科会C 松浦民恵 法政大学キャリアデザイン学部教授

分科会D 高見具広(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員

…………………………………………………………………………………………………………

P2

 パネルディスカッションでは、司会進行をつとめた武石恵美子法政大学キャリアデザイン学部教授と各分科会からの代表者4名が並んで着席した。

 

 司会進行をつとめた武石恵美子法政大学キャリアデザイン学部教授は、「今日は、いい夫婦の日(後で気づいたのですが)」との旨を述べて、冒頭から会場を沸かせていた。

 

…………………………………………………………………………………………………………

 まず、「① 男性の子育て支援について」は、

「残業が減り早く帰宅しても子どもと遊ぶだけで家事はしない」

「自分が子育てをして、妻のキャリアを応援したいという夫も」

「妻、上司、人事に加えて、(職場結婚の)夫と夫の上司が参加する5者面談をする企業も」

「育児は私生活、どこまで立ち入るのか」

「何時に帰宅できるかが重要。オフの時間の確保、オフの権利が大事。仕事にメリハリをつけ定時で帰る日をつくるべき」

「カップルの子育てはパートーナーの状態がとても大きい」

「いつかどこかで1人になるかもしれない。1人で生活できる方が良い」

「男性の育休は育児参加のきっかけのはずだが、それで育児が終わったと捉えられることも」

「育児は続くのにどうするかが休業取得後の課題」

――など様々な意見が交わされていた。

 

Z

「② 職場はどこまで、何ができるのか?」については、

 「統制より対話。対話をすることが基本中の基本」

「若い人の新感覚を経営の活力に」

「対話によって問題が解決していく」

「どう折り合いをつけていくのか」

「場づくり、研修が現実的な落とし所ではないか」

「女性社員も夫にもっと言うべき」

「夫婦の間では感情的にながち。なぜ仕事のように(冷静に)できないのか。仕事だと思えば家事もやるのでは」

「会社がおせっかいをすることに基本的には反対だが必要があることも」

「オフの過ごし方が健康面、心理的な面で、パフォーマンスに影響を与える」

「上司と部下のコミュニケーションに大事なのは会社が『こうあって欲しい』という思いを伝えること」

――など様々な意見が交わされていた。

P3 

 

 パネルディスカッションは、終始笑みが溢れる(ときに会場が爆笑の渦に包まれる)楽しく温かな雰囲気で進められ、会場は穏やかな熱気で包まれていた。

 ふと手元の時計に目をやると、174243分になっていて、スビーディに締めくくられる展開になった。

 

「職場がやるべき重要なこと」と「育児休業の問題は女性も同じ」

 

 司会進行を務めた武石氏は、締めくくりに

「二点ほど申し上げたいと思います。

 ひとつは、労使のコミュニケーション、職場のコミュニケーションの話が出ました。…話し合いのなかで、一番良い解決、それはカップルの状況によって多様であるはずで、そういうことを支援するということは、職場がやるべきひとつの重要なことではないか、ということ。

 二つ目は、男性の育児休業の話をすると、評価や仕事責任などの問題が出てきます。しかしこの点は女性も同じで、…男性の育児を考えると、女性の育児の課題が、もう一度、浮き彫りになってくるという気がします。もちろん男性特有の問題もありますが、男女共通の課題として、評価や職場のマネジメントを改めて考える必要があるのではないか、と今日の議論を聴きながら感じました」

と述べていた。

 

 

Z3

 終了後も、佐藤氏、武石氏と4名のパネリストのもとには、多くの参加者が列をなしていた。

 

P

| | コメント (0)

2019年11月 5日 (火)

令和元年10月28日(月)「第21回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会(ペーパーレス)」開催される(厚生労働省)

 

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案について【概要】」示される

パワハラ防止措置の義務化は令和2年6月1日に施行

 

 1_20191105171201

 令和元年1028(月)13時57分~14時57分に開催の「第21回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」(会長・奥宮京子弁護士(田辺総合法律事務所))では、厚生労働省から女性活躍推進法等改正法の施行期日を定める政令案(概要)が示された。

 

20191028

 女性活躍推進法の一般事業主行動計画の策定及び情報公表義務の対象拡大(現行の301人以上から101人以上に拡大)の施行期日は令和4年4月1日、パワーハラスメントに関する雇用管理上の措置の義務化の施行期日は令和2年6月1日(中小事業主は令和4年3月31日まで努力義務)とされている。

 

「第21回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」《資料》

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07479.html

 

 

 2_20191105171201

 「第21回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」では、(1)女性活躍推進法等改正法の施行、(2)介護休暇等の柔軟化――に関する検討が行われた。

 「(1)女性活躍推進法等改正法の施行」では、事務局から、令和元年5月29日に可決・成立し6月5日に公布された女性活躍推進法等改正法(以下「改正法」)の施行期日を定める政令案の概要などが示された。

 それによると、女性活躍推進法の改正項目に関しては、①改正法で「公布後3年以内の政令で定める日」とされている「一般事業主行動計画の策定及び情報公表義務の対象拡大(現行の301人以上から101人以上に拡大)」については令和4年4月1日、②改正法で「公布後1年以内の政令で定める日」とされている「情報公表の強化・勧告違反の公表、プラチナえるぼし、プラチナえるぼし報告徴収等の対象拡大」については令和2年6月1日――が施行期日として示された。

 労働政策総合推進法の改正項目に関しては、改正法で「公布後1年以内の政令で定める日」とされている③「パワーハラスメントに関する雇用管理上の措置の義務化」、④「事業主への相談等を理由とした不利益取扱いの禁止」、⑤「パワーハラスメントを紛争解決援助・調停の対象とすること、事業主の措置義務等の履行確保のための報告徴収、公表(企業名公表)規定の整備」については令和2年6月1日が施行期日として示された。

 ただし、中小事業主は、令和4年3月31日まで、③については努力義務、⑤については対象外とすることが示されている。

 その他、改正法で「公布後1年以内の政令で定める日」とされている⑥男女雇用機会均等法の改正項目(事業主への相談等を理由とした不利益取扱いの禁止、男女雇用機会均等推進者の選任の努力義務など)、⑦育児・介護休業法の改正項目(事業主への相談等を理由とした不利益取扱いの禁止など)――についても、令和2年6月1日が施行期日として示された。

 なお、令和元年1028日には、女性活躍推進法等改正法の施行に伴う改正省令案の概要も示され、常用労働者数301人以上の事業主が一般事業主行動計画の策定に当たって、「女性労働者に対する職業生活に関 する機会の提供(採用した労働者に占める女性労働者 の割合など)」及び「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備(男女の平均継続勤務年数の差異など)」の区分ごとに各1項目以上選択して関連する数値目標を複数設定しなければならないという規定については、令和2年4月1日を施行期日とすることが示されている。

 

 施行期日案などについては、委員から

「6月1日施行は適切ではないか」

「誤解のないように分かりやすい周知を」

「(情報公表項目に)男女の賃金格差が盛り込まれなかったのは残念」

「賃金の差異は重要な指標」

「パブコメは重要な手続き。余裕のあるスケジュール管理を」

――などの意見が出ていた。

 次回は、パブリックコメントを経て政省令案、指針案が示される見通し。

 

3_20191105171201

 「(2)介護休暇等の柔軟化」では、事務局から示された「介護休暇等の柔軟化について(案)」の検討が行わた。

 最大年5日の介護休暇については、政府の「骨太方針2019」(令和元年6月21日閣議決定)に「1時間単位の取得が可能となるよう、必要な法令の見直しを行う」と明記され、同旨が「規制改革実施計画」(同日閣議決定)にも記載されるとともに、「実施時期:令和元年度検討・結論、結論を得次第速やかに措置」とのスケジュールが示されている。

 

 事務局からは、

①介護休暇について1時間単位での取得を可能としてはどうか

②1時間単位の介護休暇は始業の時刻または終業の時刻と連続するものとしてはどうか

③所定労働時間が4時間以下の労働者について1時間単位での介護休暇の取得の対象から除外しないこととしてはどうか

④子の看護休暇についても同様に1時間単位での取得を可能としてはどうか

――などの論点が示された。

 

 委員からは、

「労働者に不利益があってはならない」

15分単位で管理している会社ではどうなるのか」

「現状で中抜けが可能な企業が後退しないように」

「介護休業の期間延長を」

「施行までの時期を十分に確保してほしい」

「介護の現場の方に時間を調整してもらえるように周知を」

――など多数の質問や意見が出ていた。

 

 次回以降では、介護休暇等の柔軟化に関する改正省令案や指針案が示されるものとみられる。

 

 

| | コメント (0)

2019年10月 4日 (金)

令和元年9月17日(火)認定NPO法人キャリア権推進ネットワークが「第5回キャリア・コロッキアム」を開催

 

島青志氏による「ティール組織」(自律的組織)の講演と全員参加のグループワークを実施

 

 認定NPO法人キャリア権推進ネットワーク(諏訪康雄理事長)は、令和元年9月17日(火)午後7時~午後9時に「第5回キャリア・コロッキアム」を開催した。ここでは、その様子をダイジェストで紹介する。

 第5回の講師は、ティール組織を推進する一般社団法人自然経営研究会の代表理事を務める島青志しま・せいじ)氏。 島氏は、株式会社Salt 代表取締役、経営コンサルタントとしても活躍している。

5_20191004165601

 島氏は、冒頭に「ティール組織」(日本で7万部、全世界で20万部を超える売上を記録している)の著者であるフレデリック・ラルー 氏(ちょうど当日(9月17日)まで日本に滞在していたとのこと)とのツーショット写真や島氏が執筆したSF小説「シュレーディンガーの宇宙」の紹介などを行って会場をわかせてから、和やかで楽しげな雰囲気の中で「ティール(Teal)組織」の解説に入った。

0

 島氏は、「ティール組織」(自律的組織)について、 現在の日本企業の多くがオレンジ組織(機械的組織) その次のグリーン組織(家族的組織)とは、法政大学の坂本光司教授の「日本でいちばん大切にしたい会社」のような会社であり、その次にくるのが「ティール組織」であることを説明し、

2_20191004165601

 「ティール組織」は、

信頼で結びついてる

指示命令系統がない

 

 「自律的組織の3つの誤解」(3つの神話)

組織構造がない

階層構造がない

全てがコンセンサスで決まる

6_20191004165701  

「自律的組織の歴史」 日本はスクラム経営が多い

それがアジャイル開発、ホラクラシーに

 

日本のやってきたことがティール組織に影響を与えている

 

「自然(じねん)」とは、ネイチャーではなくナチュラル「本来的にそうであること」

 

それでは、自然(経営)モデルとはどうずればいいのか?

キーワードは「自己組織化」

 

自然界における自己組織化の例としては、 雪の結晶 アリの組織(蟻塚)などがある。

人間界の例としては、 自己組織化でできている東京(都市)の街並み キーボードの配列(QWERTY配列) 世界の鉄道の線路の幅(144cm) ビデオテープ VHSとβの件 などがある

――などの数々の実例やキーワード・センテンスを交えて解説した。

 

続いて同日のテーマの本丸と思われる「ティール組織の3つの突破口」に話を進めていった。

 島氏は、「ティール組織の突破口」として、自主経営、全体性(自分だけでなく全体をみる)、存在目的(組織の理念、目的に共鳴すること。ただし作られた経営理念とは異なる)――の3つを示した。

 

 島氏は、日本におけるティール組織の度合いが高いと思われる25社のアンケート結果も発表。参加者からは、「25社の選び方」や「ティール組織のメンバーには誰でもなれるのか」「個人の資質や能力は問われないのか」などの質問が出ていた。

 

 参加者の「ティール組織を詳しく知りたい!」という熱意からか、事務局がエアコンの温度設定を何度も確認・変更する場面もみられた。

 

 講演の予定時間(1時間)はあっという間に過ぎ(少々おしてしまったため、休憩時間を切り詰めて)、続いて、第2部の全員参加のグループワークが開始された。

1_20191004165601

 後半のワークショップの開始に当たって、諏訪康雄理事長は、「社員に任せるから会社は進化する 日本版『ティール組織』で黒字になる経営の仕組み」の著者・株式会社日本レーザー 近藤宣之会長の話を紹介した。

 株式会社日本レーザー(東京都・新宿区)では、ティール組織の概念が提唱されるかなり以前から、ティール組織とよく似た組織を構築してきたという。

※ 小誌2014年1月1日・11日合併号『新春企業訪問』では、「多様な働き方を支えるダブルアサインメント&マルチタスク 育児支える1業務2人担当制が会社と社員のリスク対策にも」というテーマで同社の取材記事を掲載している。

 

 ワークショップでは、

① 変容する日本経営は「ティール組織」に近づいていくか?

② どんな業界の、どんな規模や歴史の企業組織が、どれほど近づいていきそうか? (逆にいえば、まるで近づいていきそうもないか?)

――をテーマに各グループで議論が開始された(制限時間30分)。

 

 その後、4つのグループの代表者が発表を行った。

 

 ①については、

近づいていく企業もあると思うが多くなるかは疑問

大企業では難しそう

――などの意見が出ていた。

 

 ②については、

イノベーティブ、クリエイティブな業界が

安全、確実を保証する業界は厳しい

価値観・理念で自主的に動いていくことが必要

理念がわかっていれば

プロジェクトベースでわーっとやるイメージ

軍隊、警察はさすがに無理

(対テロ対策などで、)軍隊でもティール的な組織が必要かと

企業としても魅力を高めるのに取り入れていくのがいいのでは

理念が共通であるという前提がないと組織は無茶苦茶になる

――など様々な意見が出ていた。

3_20191004165601

講師をつとめた島青志 氏は、同日の締めくくりに当たって、

「ある論文で、2030年までに世界のトップ1000のグローバルな会社の20%がもしティールになったら、びっくりだろうと。逆に世界の会社の20%が全く自律的なことをしていないということだったら、世界は終わるだろう。という言い方をしているんですね。

 そんなことはないだろうかと。

 なんらかのかたちで、丸々大企業が入れるとかではなくて、部署ごとの動きであったり、色々な形で自律的なものが取り入れられたりとか、その中で、また新しいかたちができたり、ティールじゃないかもしれませんね。

 もし今日を機会に、自分自身の中でまさに考えていく課題のひとつのきっかけにできれば、とても本望かと思っています。私自身もまだまだ模索中ですので、これからも色々とご意見の交換などさせていただければ、今日はありがとうございました。」

――などと述べていた。

 

 

諏訪康雄理事長は、

「今日は、今もっともホットな話題の1つであるティール組織について、島先生からのご報告をいただき、そして、それに沿って、今の日本、近未来の日本の組織はどんなふうになりそうか、ということのご議論をいただきました。

 世の中の変化を考えてみますと、これほどSNSが、例えば色々なところで、世の中を動かしたり、あるいは政治のコミュニケーションのあり方として、これほどツイッターが幅を利かせるなんて、ほとんど我々は想像だにしていなかったのですが、このように変化が色々な形で起きてくるんじゃないか。そのときにティール型が最終目標かどうかとか、そういうことはよくわからない。なぜならば、世の中には色々な組織形態、組織運営のあり方があって、それがモザイク状になりながら、それそれの部分部分で適者生存的なものを繰り返していくんじゃないかなと思います。

 というわけで、ティールが今後、伸びていくかどうかは、ティールをしたら、我が社はすごい利益を挙げた!とか、あるいは、次々従業員が大きな仕事をしていた!だとか、こういった成果というかパフォーマンスというのが、影響を与えていくのだと思います。

 今後も、意識してみていく分野かと思います。

 逆に言えば、まるでティールと関係ないという組織、そっちの方向には動かないという組織も、社会運営の中では残っていくだろうと思います。

 しかし、そうした組織が人材をどんなふうに集めて、育成していくか、などということは、今後また見方は変わっていくのかなぁと思います。

 というわけで今日は、ティール組織をめぐる報告と組織をめぐる議論をしていただきました。我々のキャリア・コロッキアムも、今後とも絶えず、世の中の動きの最先端に近い部分をみなさんと一緒に検証し、そして議論していきたいと思います。

 次回の勉強会にも、機会が、あるいは関心がありましたら、ぜひ、積極的にご参加いただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。お疲れ様でした。」

――と語っていた。

 

 

「第6回キャリア・コロッキアム」の開催は、認定NPO法人キャリア権推進ネットワークのHPhttp://career-ken.org)に告知される予定。

| | コメント (0)

2017年12月21日 (木)

デジタルハリウッド&ビースタイルが来春卒業予定のWebデザイナー「主婦ママクラス」受講生に「働き方を考える 主婦ママ卒展説明会」を共同開催【2017年12月8日】

先輩ママクリエイター&主婦ママクラスの受講生

そして運営スタッフと語り合う座談会

さながら同窓会や女子会のような雰囲気の中

お仕事&子育てのトークがはずみ

笑顔ほころぶ懇親会も開催される

 

 

 2017128日(金曜日)、Webデザイナーなどの専門スクールを運営するデジタルハリウッド株式会社と人材派遣事業や人材紹介事業などを行う株式会社ビースタイルは、デジタルハリウッドの「主婦ママクラス」を来年春に卒業予定の受講生に向けて、「働き方を考える 主婦ママ卒展説明会」を共同で開催した。

000

 同企画は、来年2月に開催される「主婦ママ卒展(=企業マッチング会)の事前説明会も兼ねている。

 「主婦ママ卒展」では、合同就職説明会と卒業制作展覧会の性質をあわせもつイベントであり、「主婦ママクラス」の受講生(求職者)が卒業制作として作り上げたWebデザインなどを求人企業に公開して、面接だけではなく、受講生の人柄やスキルなどからもマッチングを図ることができるとのこと。採用のミスマッチを予防することにもつながりそうだ。会場となったデジタルハリウッドの「STUDIO渋谷」(東京都渋谷区渋谷1丁目23-21渋谷キャスト2階)には、20人近くの受講生が集った。

 第1部では、ビースタイルの百瀬氏と五輪氏によるWeb業界の動向、企業が求めている人材、労働条件などを紹介「主婦ママ就業支援イベント説明会 企業はどんな人材がほしいのか?」が行われた。

0

13_2

 「企業側のニーズの変化」ここ12年の求人の傾向 求人の難易度があがっている!などの実態、そして、

「どのような業務を任せられる人材をお探しですか?」

「実務経験がない学習者を採用した実績はありますか?」

「実務経験はないが、学習者は 採用対象になりえると思いますか?」

――などの調査結果が示された。

1

2

3

4

011

012

14

 参加者と気がねなく会話する百瀬氏と五輪氏は、数々の質問にも

「コミュニケーションが重要」

「時短正社員のニーズも増えている」

Webのみではなく庶務も」

30代メインだが4050代が増えている」

「あまり年齢は気にする必要はない」

「入りやすいのは中小企業」

「派遣と自分でダブルワークの人も」

「副業OKの会社は増えている」

――などと明快に回答していた。

15

 第2部では、Web業界の働き方を先輩ママクリエイターが紹介する「活躍する先輩ママクリエイタートーク会」が開催された。

16

17

 

 デジタルハリウッドの「主婦ママクラス」を昨年卒業し活躍中の先輩ママクリエイターであり、正社員として働く、永野有紀さん・村松ゆかりさんに、働き方、子育てなどの様子を聴き、「会社選びに重視したこと」「会社とフリーランスの違い」などの6つの質問に回答してもらった。

「フリーは性にあわなかった。私には向かなかった」

「会社だと制限されていていい」

「電車にのっているだけでも、自分の目で広告がみられる。」

「面接は絶対行ったほうがいい」

「子どもがいるので働き方重視で」

「社員は会社に守られている。フリーランスは自分で守る。手続きが結構ある」

「会社に行ったら人がいる。話ができる。ママさんが数人いる」

――などママとして、クリエイターとして、実際の体験談と自身が感じたことなどが述べられた。

 


18

 

 1部・2部とも、運営スタッフ、演者と参加者の距離が近く、子育て中の同じ境遇の同じ世代の女性たちだからか、仕事や子育て、家庭などについての本音トークが数多く交わされていた。会場では、初対面とは思えないような一体感が感じられ、その様子は、座談会というより、渋谷のカフェで行われた同窓会や女子会のようだった。懇親会では、参加者全員が集合して、記念の写真撮影も行われた。

 

19_2

 当日は受講生のママに連れてこられた幼い子たちが数人いた。はじめは、お母さんと離れ離れになったため泣き叫ぶ子もいたが、そこは日頃から子ども同伴で学ぶことができるデジタルハリウッド。3人のベビーシッターがしっかり面倒をみてくれていた。次第に子どもたちが落ち着いてきたり、他の子たちと楽しそうに遊ぶ姿が印象的だった。

20_2

 

 

| | コメント (0)

2017年4月12日 (水)

4月12日「第182回労働政策審議会雇用均等分科会」 議題は最長2年までの育児休業延長の要件など

2年の育児休業はやむを得ずのセーフティネット

 
あくまでも子が歳になるまでが原則
 
本来は保育所の整備が先行されるべき
 
待機児童の現状を把握すべき

――などの意見が

P4120018_2

 厚生労働省は、本日(412日)、第182回労働政策審議会雇用均等分科会(分科会長・田島優子弁護士)を、中央労働委員会講堂(東京・港区)で開催した。

 

 冒頭、川田琢之・筑波大学教授が委員として新たに加わることが報告された。また、分科会長代理に中窪裕也・一橋大学大学院教授が指名され、了承された。

 

 今回は、雇用保険等の一部を改正する法律のうち、今年101日施行の育児休業関連の改正部分について、最長2年までの育児休業延長の要件などについて議論がされた。

 

委員からは

「育児休業が2年に延びたと思われているが、これはやむを得ずのセーフティネットであり、あくまでも子が1歳になるまでが原則である」

「本来は保育所の整備が先行されるべきもので、待機児童の現状を把握すべき」

「保育所へ安心して預けられるよう、待遇改善など質の面で行政が安心を担保すべき」

「育児休業が長期化することで労務管理が難しくなり、復職もしにくくなる」

――などといった意見が出された。

 

 これらの意見を踏まえ、吉田学・雇用均等・児童家庭局長は「(育児休業の延長は)あくまでも緊急的セーフティネットであり、保育の受け皿は自治体とともに整備し、その段階で質の担保も重要」と述べた。

 

 次回の改正日時は未定。

| | コメント (0)

【オススメ新刊書籍】『週4正社員のススメ』(安中繁 著・経営書院)4月下旬発行予定! 

長時間労働体質の払拭など 働き方を変えるために

P

 
 
働き方改革するとき必見の一冊!
 
 
 以前から介護離職や、長時間労働は問題視されていましたが、長時間労働の是正は、政府の「働き方改革」のメインテーマに位置づけられたこともあり、その注目度は日々高まっているかと思われます。ですが、具体的にどうすればよいかわからないという声も。
 
 そこで、経営書院では、週の所定労働日数を4日とする「週4正社員制度」をはじめ、多様な正社員制度を導入した企業の先行事例を安中繁氏が紹介する『週4正社員のススメ』 を今月下旬に発行する予定です。
 
 「週4正社員」制度を導入した企業では、ワーク・ライフ・バランスの確保や定着率向上、そして採用にも効用がみられたといいます。
 また、安中氏は、「週4正社員」導入プロセスと導入に際して出てくる課題への対応、就業規則の規定例等をまじえて、具体的に解説しています。
 
 「週4正社員」が決して突飛な提案ではなく、さまざまなメリットと現実性をもった施策であると実感していただけることでしょう。
 
 
 
『週4正社員のススメ』 安中 繁 著
2017年5月26日発行
四六判 204ページ
経営書院
本体価格:1,500円+税
 
お求めはこちら

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月13日 (月)

最優秀賞はディスコ、SCSK、河合電器製作所 第1回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」表彰式開催(厚生労働省・2017年3月10日)

経営理念、労働生産性の向上、雇用管理の改善、組織成果を

書類審査とインタビューの2段階で審査

厚生労働省は3月10日(金曜日)、第1回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」の表彰式をイイノホール&カンファレンスセンター(東京都千代田区)で開催した。

001

 

本表彰は、人口減少下においても力強い成長を実現させるため、労働生産性の向上と魅力ある職場づくりを両立させ、優良な取り組みを行っている企業等を表彰し、広く周知することを目的とするもの。

 

表彰式の冒頭、宮川晃・総括審議官が塩崎恭久・厚生労働大臣の挨拶を代読し「一億総活躍社会の実現を図るためにも、働き方改革を推進すると同時に、企業の生産性や競争力の向上、賃金アップ、更には経済全体の成長に繋がる諸施策を強力に進めていくことが重要」と述べた。

 

02

今回は144社の応募があり、主に、①経営理念、②労働生産性の向上、③雇用管理の改善、④組織成果――の4点において、書類審査とインタビューの2段階で審査が行われ、計15社が選定された。

特に「業務内容や仕事そのものを抜本的に改善した点」「従業員や組織が学習し続ける点」「企業・従業員間の信頼関係」が選定企業に共通するポイントとした。

 

受賞企業は以下の通り。

 

■ 最優秀賞(厚生労働大臣賞)

株式会社ディスコ(東京都大田区)

SCSK株式会社(東京都江東区)

株式会社河合電器製作所(愛知県名古屋市)

 

■ 優秀賞(職業安定局長賞)

ダイキン工業株式会社堺製作所(大阪府堺市)

大豊工業株式会社(愛知県豊田市)

旭テクノプラント株式会社(岡山県倉敷市)

ヤマサハウス株式会社(鹿児島県鹿児島市)

 

■ 奨励賞(職業安定局長賞)

味の素株式会社(東京都中央区)

伊藤忠商事株式会社(東京都港区)

株式会社千葉銀行(千葉県千葉市)

富士ゼロックス株式会社(東京都港区)

ヤフー株式会社(東京都千代田区)

国本工業株式会社(静岡県浜松市)

サントリーシステムテクノロジー株式会社(大阪府大阪市)

株式会社リソーシズ(香川県高松市)

03

| | コメント (0)

2017年3月 9日 (木)

「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」が最終回を迎える

昨年12月の中間報告とりまとめ後 同一労働同一賃金の法整備に向けて2回にわたって議論

 

「論点整理」は来週中に示される予定

1

厚生労働省は3月8日、第14回「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」を開催した。

本検討会では、中間報告を取りまとめ昨年12月に公表した後、2回にわたり同一労働同一賃金の法整備に向けて議論を行った。

なお、法整備の議論については、あり得る選択肢が幅広く、政策的な価値判断によるものも大きいため、今回は、法整備の論点において踏まえるべき議論の前提やあり得る選択肢、利害得失等を幅広く挙げ、整理したものを「論点整理」として、来週中に示す予定としている。政府には、これを踏まえて検討を行うことを期待するとしている。

 今回で本検討会が最終回となるにあたり、橋本岳・厚生労働副大臣が挨拶に立ち、塩崎恭久・厚生労働大臣の挨拶を代読した。

2


 
 挨拶では「働く喜びと成長の好循環をより強固なものにするためにも、法整備に向けた論点整理は、今月中に取りまとめる予定の「働き方改革実行計画」へ反映し、今後の検討の土台とさせていただく。同一労働同一賃金を実現する法律案をつくり上げるべく、労働政策審議会での建設的な議論においても、論点整理を活かして参りたい」と述べた。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2017年2月23日 (木)

「転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)」策定に向けた研究会が最終回を迎える【平成29年2月22日】

P2222780

 

3月中にも報告書がとりまとめられる見通し

 

厚生労働省は、昨日(222日)、第回「転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)」策定に向けた研究会(座長・佐藤博樹中央大学大学院戦略経営研究科教授 写真)を、中央労働委員会講堂(東京・港区)で開催した。

 

本研究会は「転勤の実態調査を進めていき、企業の経営判断にも配慮しつつ、2017月末までに、労働者の仕事と家庭生活の両立に資する『転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)』の策定を目指す」とされた「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2015改訂版)」(平成271224日閣議決定)を踏まえ、独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った転勤に関する実態調査の結果や、企業からのヒアリングなどを基に、本年1月から検討を行ってきたもの。

P2222780_1


 

 

 今回は、報告書の取りまとめに向けてのたたき台が出され、これに対する検討が行われた。本研究会は今回が最終回となり、今後は検討事項を踏まえて、たたき台に修正が加えられ、月中にも報告書が取りまとめられるものとみられる。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧