労働時間

2019年11月28日 (木)

「平成31年 就労条件総合調査」勤務間インターバル制度を導入している企業は3.7% 【厚生労働省】

 厚生労働省がとりまとめた「平成31年 就労条件総合調査」によると、平成30年の年次有給休暇の取得率は52.4%で、前年に比べて、前年に比べて1.3ポイント上昇したとのこと。

平成31年就労条件総合調査 結果の概況 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/19/index.html

 

 Photo_20191128103801 同調査では、

1 労働時間制度

2 賃金制度

3 資産形成

――の各項目について、平成31年1月1日現在の状況について調査を行っている。ただし、年間については、平成30年(または平成29会計年度)1年間の状況について調査を行っている。

 その概要は以下のとおり。

 

……………………………………………………

1 労働時間制度

…………………………………………………

 

(1) 所定労働時間

 1日の所定労働時間は、1企業平均7時間46分(平成30年調査7時間46分)、労働者1人平均7時間45分(同7時間45分)となっている。

 週所定労働時間は、1企業平均39時間26分(同39時間31分)、労働者1人平均39時間03分(同39時間02分)となっている。

 週所定労働時間の1企業平均を企業規模別にみると、「1,000人以上」が39時間00分、「300999人」が39時間07分、「100299人」が39時間17分、「3099人」が39時間32分となっている。産業別にみると、「金融業,保険業」が38時間18分で最も短く、「宿泊業,飲食サービス業」が39時間57分で最も長くなっている。

 

 

(2) 週休制

 主な週休制の形態をみると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は82.1%(平成30年調査84.1%)となっている。

 「完全週休2日制」を採用している企業割合は44.3%(同46.7%)となっている。これを企業規模別にみると、「1,000人以上」が63.6%、「300999人」が56.3%、「100299人」が51.0%、「3099人」が40.3%となっている。

 

 週休制の形態別適用労働者割合をみると、「何らかの週休2日制」が適用されている労働者割合は85.3%(平成30年調査86.5%)、「完全週休2日制」が適用されている労働者割合は57.0%(同59.4%)となっている。

 

(3) 年間休日総数

 平成30年(又は平成29会計年度)の年間休日総数の1企業平均は108.9日(平成30年調査107.9日)、労働者1人平均は114.7日(同113.7日)となっている。

 1企業平均年間休日総数を企業規模別にみると、「1,000人以上」が115.5日、「300999人」が113.7日、「100299人」が111.1日、「3099人」が107.5日となっている。

 

(4) 年次有給休暇

 平成30年(又は平成29会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)は労働者1人平均18.0日(平成30年調査18.2日)、そのうち労働者が取得した日数は9.4日(同9.3日)で、取得率は52.4%(同51.1%)となっている。

取得率を企業規模別にみると、「1,000人以上」が58.6%、「300999人」が49.8%、「100299人」が49.4%、「3099人」が47.2%となっている。

 

(5) 特別休暇制度

 夏季休暇、病気休暇等の特別休暇制度がある企業割合は59.0%(平成30年調査60.3%)となっており、これを特別休暇制度の種類(複数回答)別にみると、「夏季休暇」42.9%(同44.5%)、「病気休暇」25.7%(同25.5%)、「リフレッシュ休暇」13.1%(同12.4%)、「ボランティア休暇」4.5%(同4.3%)、「教育訓練休暇」5.8%(同4.2%)、「左記以外の1週間以上の長期の休暇」14.4%(同14.8%)となっている。

 

 特別休暇制度がある企業について、休暇中の賃金を全額支給する企業割合をみると、「夏季休暇」81.3%、「病気休暇」45.5%、「リフレッシュ休暇」95.9%、「ボランティア休暇」79.4%、「教育訓練休暇」90.8%、「上記以外の1週間以上の長期の休暇」82.6%となっている。

 

 1企業平均1回当たり最高付与日数をみると、「夏季休暇」4.4日、「病気休暇」128.1日、「リフレッシュ休暇」5.5日、「ボランティア休暇」24.5日、「教育訓練休暇」17.6日、「上記以外の1週間以上の長期の休暇」8.8日となっている。

 

(6) 変形労働時間制

 変形労働時間制を採用している企業割合は62.6%(平成30年調査60.2%)となっている。企業規模別にみると、「1,000人以上」が78.4%、「300999人」が69.8%、「100299人」が65.5%、「3099人」が60.4%となっている。

 これを変形労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「1年単位の変形労働時間制」が35.6%、「1か月単位の変形労働時間制」が25.4%、「フレックスタイム制」が5.0%となっている。

 

 変形労働時間制の適用を受ける労働者割合は53.7%(平成30年調査51.8%)となっており、これを変形労働時間制の種類別にみると、「1年単位の変形労働時間制」は21.4%、「1か月単位の変形労働時間制」は23.9%、「フレックスタイム制」は8.2%となっている。

 

(7) みなし労働時間制

 みなし労働時間制を採用している企業割合は14.2%(平成30年調査15.9%)となっており、これをみなし労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「事業場外みなし労働時間制」が12.4%、「専門業務型裁量労働制」が2.3%、「企画業務型裁量労働制」が0.6%となっている。

 

 みなし労働時間制の適用を受ける労働者割合は9.1%(平成30年調査9.5%)となっており、これをみなし労働時間制の種類別にみると、「事業場外みなし労働時間制」が7.4%、「専門業務型裁量労働制」が1.3%、「企画業務型裁量労働制」が0.4%となっている。

 

(8) 勤務間インターバル制度

 1年間を通じて実際の終業時刻から始業時刻までの間隔が11時間以上空いている労働者が「全員」の企業割合は32.9(平成30年調査40.5)、「ほとんど全員」の企業割合は35.0(33.5)となっている。また、「ほとんどいない」の企業割合は3.0(2.1)、「全くいない」の企業割合は10.7(6.8)となっている。

 

 勤務間インターバル制度の導入状況別の企業割合をみると、「導入している」が3.7%(平成30年調査1.8%)、「導入を予定又は検討している」が15.3%(同9.1%)、「導入予定はなく、検討もしていない」が80.2%(同89.1%)となっている。

 

 勤務間インターバル制度の導入予定はなく、検討もしていない企業について、導入予定はなく、検討もしていない理由(複数回答)別の企業割合をみると、「超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため」が53.0%(平成30年調査45.9%)と最も多く、次いで、「当該制度を知らなかったため」が19.2%(同29.9%)となっている。

 

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2 賃金制度

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(1) 時間外労働の割増賃金率

 時間外労働の割増賃金率を「一律に定めている」企業割合は84.0%(平成30年調査82.7%)となっており、そのうち時間外労働の割増賃金率を「25%」とする企業割合は94.9%(同93.0%)、「26%以上」とする企業割合は5.0%(同6.1%)となっている。

 時間外労働の割増賃金率を「26%以上」とする企業割合を企業規模別にみると、「1,000人以上」が19.5%、「300999人」が14.1%、「100299人」が6.2%、「3099人」が3.3%となっている。

 

(2) 1か月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率

 時間外労働の割増賃金率を定めている企業のうち、1か月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めている企業割合は27.3%(平成30年調査30.1%)となっており、そのうち時間外労働の割増賃金率を「2549%」とする企業割合は38.5%(同40.3%)、「50%以上」とする企業割合は60.6%(同56.2%)となっている。

1か月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めている企業割合を中小企業該当区分別にみると、「中小企業」が22.5%、「中小企業以外」が54.4%となっている。(第16表)

 

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3 資産形成

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(1) 貯蓄制度の種類

 貯蓄制度がある企業割合は42.0%となっている。企業規模別にみると、「1,000人以上」が79.7%、「300999人」が71.0%、「100299人」が54.9%、「3099人」が33.8%となっている。

 これを貯蓄制度の種類(複数回答)別にみると、「財形貯蓄」が38.1%と最も多くなっている。

 また、財形貯蓄の種類(複数回答)別をみると、「一般財形貯蓄」が36.9%と最も多くなっている。

 

(2) 住宅資金融資制度

 住宅資金融資制度がある企業割合は3.6%となっている。企業規模別にみると、「1,000人以上」が25.1%、「300999人」が11.6%、「100299人」が5.1%、「3099人」が1.7%となっている。

これを住宅資金融資制度の種類(複数回答)別にみると、「社内融資」が2.5%と最も多くなっている。

 

 

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  •  調査の概要

 日本標準産業分類(平成25年10月改定)に基づく16大産業に属するに常用労働者30人以上を雇用する民営企業から、産業、企業規模別に一定の方法により抽出した6405企業等であり、そのうち有効回答数4127企業等から有効回答(有効回答率64.4%)を得て集計している。

 

  •  調査の時期

 平成31年1月1日現在の状況について調査を行っている。ただし、年間については、平成30年(または平成29会計年度)1年間の状況について調査を行っている。

 

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2019年11月 5日 (火)

令和元年10月28日(月)「第21回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会(ペーパーレス)」開催される(厚生労働省)

 

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案について【概要】」示される

パワハラ防止措置の義務化は令和2年6月1日に施行

 

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 令和元年1028(月)13時57分~14時57分に開催の「第21回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」(会長・奥宮京子弁護士(田辺総合法律事務所))では、厚生労働省から女性活躍推進法等改正法の施行期日を定める政令案(概要)が示された。

 

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 女性活躍推進法の一般事業主行動計画の策定及び情報公表義務の対象拡大(現行の301人以上から101人以上に拡大)の施行期日は令和4年4月1日、パワーハラスメントに関する雇用管理上の措置の義務化の施行期日は令和2年6月1日(中小事業主は令和4年3月31日まで努力義務)とされている。

 

「第21回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」《資料》

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07479.html

 

 

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 「第21回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」では、(1)女性活躍推進法等改正法の施行、(2)介護休暇等の柔軟化――に関する検討が行われた。

 「(1)女性活躍推進法等改正法の施行」では、事務局から、令和元年5月29日に可決・成立し6月5日に公布された女性活躍推進法等改正法(以下「改正法」)の施行期日を定める政令案の概要などが示された。

 それによると、女性活躍推進法の改正項目に関しては、①改正法で「公布後3年以内の政令で定める日」とされている「一般事業主行動計画の策定及び情報公表義務の対象拡大(現行の301人以上から101人以上に拡大)」については令和4年4月1日、②改正法で「公布後1年以内の政令で定める日」とされている「情報公表の強化・勧告違反の公表、プラチナえるぼし、プラチナえるぼし報告徴収等の対象拡大」については令和2年6月1日――が施行期日として示された。

 労働政策総合推進法の改正項目に関しては、改正法で「公布後1年以内の政令で定める日」とされている③「パワーハラスメントに関する雇用管理上の措置の義務化」、④「事業主への相談等を理由とした不利益取扱いの禁止」、⑤「パワーハラスメントを紛争解決援助・調停の対象とすること、事業主の措置義務等の履行確保のための報告徴収、公表(企業名公表)規定の整備」については令和2年6月1日が施行期日として示された。

 ただし、中小事業主は、令和4年3月31日まで、③については努力義務、⑤については対象外とすることが示されている。

 その他、改正法で「公布後1年以内の政令で定める日」とされている⑥男女雇用機会均等法の改正項目(事業主への相談等を理由とした不利益取扱いの禁止、男女雇用機会均等推進者の選任の努力義務など)、⑦育児・介護休業法の改正項目(事業主への相談等を理由とした不利益取扱いの禁止など)――についても、令和2年6月1日が施行期日として示された。

 なお、令和元年1028日には、女性活躍推進法等改正法の施行に伴う改正省令案の概要も示され、常用労働者数301人以上の事業主が一般事業主行動計画の策定に当たって、「女性労働者に対する職業生活に関 する機会の提供(採用した労働者に占める女性労働者 の割合など)」及び「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備(男女の平均継続勤務年数の差異など)」の区分ごとに各1項目以上選択して関連する数値目標を複数設定しなければならないという規定については、令和2年4月1日を施行期日とすることが示されている。

 

 施行期日案などについては、委員から

「6月1日施行は適切ではないか」

「誤解のないように分かりやすい周知を」

「(情報公表項目に)男女の賃金格差が盛り込まれなかったのは残念」

「賃金の差異は重要な指標」

「パブコメは重要な手続き。余裕のあるスケジュール管理を」

――などの意見が出ていた。

 次回は、パブリックコメントを経て政省令案、指針案が示される見通し。

 

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 「(2)介護休暇等の柔軟化」では、事務局から示された「介護休暇等の柔軟化について(案)」の検討が行わた。

 最大年5日の介護休暇については、政府の「骨太方針2019」(令和元年6月21日閣議決定)に「1時間単位の取得が可能となるよう、必要な法令の見直しを行う」と明記され、同旨が「規制改革実施計画」(同日閣議決定)にも記載されるとともに、「実施時期:令和元年度検討・結論、結論を得次第速やかに措置」とのスケジュールが示されている。

 

 事務局からは、

①介護休暇について1時間単位での取得を可能としてはどうか

②1時間単位の介護休暇は始業の時刻または終業の時刻と連続するものとしてはどうか

③所定労働時間が4時間以下の労働者について1時間単位での介護休暇の取得の対象から除外しないこととしてはどうか

④子の看護休暇についても同様に1時間単位での取得を可能としてはどうか

――などの論点が示された。

 

 委員からは、

「労働者に不利益があってはならない」

15分単位で管理している会社ではどうなるのか」

「現状で中抜けが可能な企業が後退しないように」

「介護休業の期間延長を」

「施行までの時期を十分に確保してほしい」

「介護の現場の方に時間を調整してもらえるように周知を」

――など多数の質問や意見が出ていた。

 

 次回以降では、介護休暇等の柔軟化に関する改正省令案や指針案が示されるものとみられる。

 

 

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2019年1月 8日 (火)

【2019年 年頭所感】 安全衛生部長 椎葉茂樹

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平成31年 安全衛生部長年頭所感

 

新年を迎え、謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。

平成31年の年頭に当たり、改めて日頃の労働安全衛生行政への御支援と御協力に厚く御礼申し上げますとともに、今後の労働安全衛生行政の展開について述べさせていただきます。

 

まず、働き方改革について申し上げます。

昨年7月には産業医・産業保健機能の強化や労働時間の状況の把握を盛り込んだ「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が公布されました。労働安全衛生法の具体的な改正内容は、産業医の活動環境の整備や産業医に対する情報提供の強化、医師による面接指導を適切に行うための、全ての労働者を対象とした労働時間の状況の把握などとなっています。その後、昨年12月までに、関係省令の整備に関して労働政策審議会で御議論いただいており、本年4月1日には今回の改正事項の大部分が施行される予定となっております。施行に向けて、パンフレットの配布等により、周知徹底を図ってまいります。

また、労働人口の3人に1人を占める、病気を治療している労働者の方について、病気の治療と仕事の両立支援を推進していくことも重要です。そのため、主治医や企業・産業医を対象としたガイドラインの周知啓発、労働者の方と企業・産業医、主治医とを繋ぐコーディネーターの養成、企業・医療機関・地方自治体等と都道府県労働局との更なる連携等を図ることなどを通じて、企業の意識改革・支援体制の整備等を促進してまいります。

 

次に、労働災害防止について申し上げます。

近年の労働災害の発生状況を見ると、死亡災害は発生件数こそ減少しているものの、いまだその水準は低いとは言えません。また、休業4日以上の死傷災害については、近年増加傾向にあります。あわせて、第三次産業に従事する労働者数の増加や労働人口の高齢化、今後更なる増加が見込まれる外国人労働者の方の安全衛生確保に対応していく必要があります。さらに、過労死やメンタルヘルス不調による健康障害が大きな問題となっているほか、MOCAなど従来把握されていなかった化学物質による健康障害事案の発生を踏まえた化学物質による健康障害防止対策の強化も重要な課題です。

これらの課題に総合的に対応するため、昨年2月に平成30年度を初年度とする5か年計画である「第13次労働災害防止計画」を策定し、その中で数値目標を立てて取組を進めているところです。具体的には、

・ 平成29年と比較して、死亡者数を15%以上、休業4日以上の死傷者数を5%以上減少させるため、高所作業時における墜落制止用器具を原則フルハーネス型とすることなどを内容とする政省令等の改正・周知や、高年齢労働者の労働災害防止対策の取組事例の普及啓発、外国人労働者が理解できる安全衛生教育等の事業者に対する指導・支援、

・ メンタルヘルス対策に取り組む事業場の割合を80%以上にし、労働者の方のメンタルヘルス不調による健康障害を防止するため、ストレスチェックの適切な実施のための事業場への指導に加え、小規模事業場がメンタルヘルス対策に取り組むための産業保健人材の派遣や費用助成、

・ ラベル表示と安全データシートの交付を行っている化学物質提供者の割合を80%以上にするため、リスクアセスメントの重要性を含めて、本仕組みの周知徹底などの必要な指導・啓発

などに取り組むこととしております。本年も、引き続きこれらの取組を進めるとともに、一層効果的に対策を進めるため、関係者への働きかけ・支援等も併せて行ってまいります。

 

安全衛生行政として取り組むべき課題は山積しておりますが、労働者の方の安全・健康の確保のため、厚生労働本省・都道府県労働局・労働基準監督署が一丸となって、労働災害防止団体や関係団体の皆様、関係省庁とも連携し、今年の干支のように、猪突猛進かつ全力で取り組んでまいりますので、引き続き皆様方の一層の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。

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2018年9月13日 (木)

特集は「改正労働基準法(時間外上限規制・年休)の省令等」  『労働基準広報』№1971 2018/9/21号

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小誌 『労働基準広報』 2018年9月21日号(№1971)では、

改正労働基準法(時間外上限規制・年休)の省令等」を【特集】で掲載
 
 
時間外労働の特別条項協定には
労働者への健康確保措置を記入
 
 
 働き方改革関連法における労働基準法の改正項目のうち、時間外労働の上限規制と年5日以上の年休取得義務付けに係る厚生労働省令及び指針策定に向けた議論が行われ、9月7日には関係政省令が公布された。
 
 8月9日の労働条件分科会では、新たな時間外労働の上限規制に対応した36協定届様式(案)、同特別条項協定届様式(案)などが提示され、特別条項の様式には「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康確保措置」を定める欄が設けられる。
 
 また、協定届様式(案)では、協定で定める延長時間数にかかわらず、時間外労働と休日労働を合算した時間数は、1か月100時間未満かつ2か月ないし6か月平均で80時間を超過しないことというチェック欄が設けられている。
 
………………………………………………………………………………
 
裁判例から学ぶ予防法務〈第45回〉では、
ハマキョウレックス(差戻審)事件(最高裁二小 平成30年6月1日判決)を踏まえて、 「正規と非正規との労働条件の相違に合理性あるか見直すことが急務に」――と 井澤慎次 弁護士がアドバイス。

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2018年5月23日 (水)

厚生労働省が「黄」と「紫」の賃金引上げに向けた生産性向上の2冊の事例集を作成(平成30年5月17日)

~飲食業・宿泊業など「生活衛生関係営業」

の賃金引上げに向けたの事例集~

厚生労働省は、平成30年5月17日、中小企業・小規模事業者の賃金引上げを図るため、生産性向上の取組をまとめた黄色と紫色の表紙が印象的な2冊の事例集を作成し公表した。

そのうちの黄色い1冊は、飲食業、宿泊業など「生活衛生関係営業」(いわゆる「生衛業」)の企業に特化した、初めての事例集となる。

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黄色い表紙の『生活衛生関係営業 生産性・収益力向上の取組事例集~賃金引上げのヒント~』では、中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受け、現在、収益力の向上に取り組んでいる企業が実施した業務効率化などの事例を紹介している(下記の事例1~3など10事例を紹介している)

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もう1冊の紫色の表紙の『生産性向上の事例集~最低賃金の引上げに向けて~』では、「業務改善助成金」(※)の活用事例をもとに、業務の効率化や働き方の見直しなどを行って生産性の向上を実現し、賃金の引き上げを行った中小企業・小規模事業者の事例を掲載している(下記の事例4~6など9事例のほか、業務改善助成金の業種別活用事例なども紹介している)

 

 厚生労働省では、多くの中小企業・小規模事業者の経営者などにこの事例集を活用いただけるよう、引き続き周知・広報を行くとしている。

 

「業務改善助成金」中小企業等の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金の引上げを図るための助成金

 

詳しくはこちら

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2017年12月21日 (木)

デジタルハリウッド&ビースタイルが来春卒業予定のWebデザイナー「主婦ママクラス」受講生に「働き方を考える 主婦ママ卒展説明会」を共同開催【2017年12月8日】

先輩ママクリエイター&主婦ママクラスの受講生

そして運営スタッフと語り合う座談会

さながら同窓会や女子会のような雰囲気の中

お仕事&子育てのトークがはずみ

笑顔ほころぶ懇親会も開催される

 

 

 2017128日(金曜日)、Webデザイナーなどの専門スクールを運営するデジタルハリウッド株式会社と人材派遣事業や人材紹介事業などを行う株式会社ビースタイルは、デジタルハリウッドの「主婦ママクラス」を来年春に卒業予定の受講生に向けて、「働き方を考える 主婦ママ卒展説明会」を共同で開催した。

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 同企画は、来年2月に開催される「主婦ママ卒展(=企業マッチング会)の事前説明会も兼ねている。

 「主婦ママ卒展」では、合同就職説明会と卒業制作展覧会の性質をあわせもつイベントであり、「主婦ママクラス」の受講生(求職者)が卒業制作として作り上げたWebデザインなどを求人企業に公開して、面接だけではなく、受講生の人柄やスキルなどからもマッチングを図ることができるとのこと。採用のミスマッチを予防することにもつながりそうだ。会場となったデジタルハリウッドの「STUDIO渋谷」(東京都渋谷区渋谷1丁目23-21渋谷キャスト2階)には、20人近くの受講生が集った。

 第1部では、ビースタイルの百瀬氏と五輪氏によるWeb業界の動向、企業が求めている人材、労働条件などを紹介「主婦ママ就業支援イベント説明会 企業はどんな人材がほしいのか?」が行われた。

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 「企業側のニーズの変化」ここ12年の求人の傾向 求人の難易度があがっている!などの実態、そして、

「どのような業務を任せられる人材をお探しですか?」

「実務経験がない学習者を採用した実績はありますか?」

「実務経験はないが、学習者は 採用対象になりえると思いますか?」

――などの調査結果が示された。

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 参加者と気がねなく会話する百瀬氏と五輪氏は、数々の質問にも

「コミュニケーションが重要」

「時短正社員のニーズも増えている」

Webのみではなく庶務も」

30代メインだが4050代が増えている」

「あまり年齢は気にする必要はない」

「入りやすいのは中小企業」

「派遣と自分でダブルワークの人も」

「副業OKの会社は増えている」

――などと明快に回答していた。

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 第2部では、Web業界の働き方を先輩ママクリエイターが紹介する「活躍する先輩ママクリエイタートーク会」が開催された。

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 デジタルハリウッドの「主婦ママクラス」を昨年卒業し活躍中の先輩ママクリエイターであり、正社員として働く、永野有紀さん・村松ゆかりさんに、働き方、子育てなどの様子を聴き、「会社選びに重視したこと」「会社とフリーランスの違い」などの6つの質問に回答してもらった。

「フリーは性にあわなかった。私には向かなかった」

「会社だと制限されていていい」

「電車にのっているだけでも、自分の目で広告がみられる。」

「面接は絶対行ったほうがいい」

「子どもがいるので働き方重視で」

「社員は会社に守られている。フリーランスは自分で守る。手続きが結構ある」

「会社に行ったら人がいる。話ができる。ママさんが数人いる」

――などママとして、クリエイターとして、実際の体験談と自身が感じたことなどが述べられた。

 


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 1部・2部とも、運営スタッフ、演者と参加者の距離が近く、子育て中の同じ境遇の同じ世代の女性たちだからか、仕事や子育て、家庭などについての本音トークが数多く交わされていた。会場では、初対面とは思えないような一体感が感じられ、その様子は、座談会というより、渋谷のカフェで行われた同窓会や女子会のようだった。懇親会では、参加者全員が集合して、記念の写真撮影も行われた。

 

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 当日は受講生のママに連れてこられた幼い子たちが数人いた。はじめは、お母さんと離れ離れになったため泣き叫ぶ子もいたが、そこは日頃から子ども同伴で学ぶことができるデジタルハリウッド。3人のベビーシッターがしっかり面倒をみてくれていた。次第に子どもたちが落ち着いてきたり、他の子たちと楽しそうに遊ぶ姿が印象的だった。

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2017年10月 4日 (水)

厚生労働省「第1回 柔軟な働き方に関する検討会」を開催(平成29年10月3日)今年度中にガイドラインを策定予定

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 座長は日本テレワーク学会会長の松村茂氏

 厚生労働省は、平成2910月3日、「第1回 柔軟な働き方に関する検討会」を開催した。

 本検討会は、働き方改革実行計画を踏まえ、テレワークや兼業・副業の実態を把握しつつ、普及に向けた課題を整理するとともに、ガイドラインの策定に向けて検討を行うもの。

 座長には、日本テレワーク学会会長の松村茂・東北芸術工科大学教授が選出された。

 テレワークでの働き方について松村座長は、雇用型・非雇用型など「所属のスタイルが変わる」とした上で、「教育や様々なトラブルについてどう対応するかが今後の課題」と指摘した。

 

 同省では、今年度のできるだけ早い時期にガイドラインを策定する予定。

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2017年5月15日 (月)

厚生労働省が「第2回同一労働同一賃金部会」と「第134回労働条件分科会」を同日開催 「働き方改革実行計画」が共通テーマ

14:00~

2 同一労働同一賃金部会

 

厚生労働省は512日、第2回労働政策審議会労働条件分科会・職業安定分科会・雇用均等分科会同一労働同一賃金部会を開催し、前回に引き続き、同一労働同一賃金に関する法整備について議論をするにあたり、同省側が示した「働き方改革実行計画」に則った論点案について議論がされた。

この中で、施行日について使用者側は「(労使間で賃金制度などの合意に向けて)より丁寧に話し合えば時間がかかり、施行日については十分な配慮を」と要請したのに対し、労働者側は「出来るだけ早い施行を」と述べた。これらを踏まえ、公益側の委員は「ある程度の期間が必要」とした上で、「パート・有期労働者の利益が反映されるよう、代表者を選出するなどし、意見表明が必要」と述べた。

次回は、明日516日、13時より経済産業省別館にて開催予定。

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18:00~

134 労働条件分科会

 

厚生労働省は512日、第134回労働政策審議会労働条件分科会を開催し、同省側が示した「働き方改革実行計画」に則った論点案における、①勤務間インターバル②長時間労働に対する健康確保措置などについて議論がされた。

健康確保措置について論点案では、研究開発業務において、時間外・休日労働の時間数が単月100時間超の場合、労働者の申出なしで医師による面接指導を義務付ける(罰則付き)などとしている。

また、研究開発業務も含め適用される、労働者から申出がある場合の義務付けられている(罰則なし)面接指導については、時間外・休日労働の時間数を単月80時間超に改正するとし、面接指導の適切な実施を図るため、すべての労働者を対象に客観的方法による労働時間の把握を省令上義務付けるなどとしている。

これらの論点案については、使用者側・労働者側の委員双方からおおむね賛成の意思が示された。

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2017年4月12日 (水)

【オススメ新刊書籍】『週4正社員のススメ』(安中繁 著・経営書院)4月下旬発行予定! 

長時間労働体質の払拭など 働き方を変えるために

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働き方改革するとき必見の一冊!
 
 
 以前から介護離職や、長時間労働は問題視されていましたが、長時間労働の是正は、政府の「働き方改革」のメインテーマに位置づけられたこともあり、その注目度は日々高まっているかと思われます。ですが、具体的にどうすればよいかわからないという声も。
 
 そこで、経営書院では、週の所定労働日数を4日とする「週4正社員制度」をはじめ、多様な正社員制度を導入した企業の先行事例を安中繁氏が紹介する『週4正社員のススメ』 を今月下旬に発行する予定です。
 
 「週4正社員」制度を導入した企業では、ワーク・ライフ・バランスの確保や定着率向上、そして採用にも効用がみられたといいます。
 また、安中氏は、「週4正社員」導入プロセスと導入に際して出てくる課題への対応、就業規則の規定例等をまじえて、具体的に解説しています。
 
 「週4正社員」が決して突飛な提案ではなく、さまざまなメリットと現実性をもった施策であると実感していただけることでしょう。
 
 
 
『週4正社員のススメ』 安中 繁 著
2017年5月26日発行
四六判 204ページ
経営書院
本体価格:1,500円+税
 
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2017年2月23日 (木)

「転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)」策定に向けた研究会が最終回を迎える【平成29年2月22日】

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3月中にも報告書がとりまとめられる見通し

 

厚生労働省は、昨日(222日)、第回「転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)」策定に向けた研究会(座長・佐藤博樹中央大学大学院戦略経営研究科教授 写真)を、中央労働委員会講堂(東京・港区)で開催した。

 

本研究会は「転勤の実態調査を進めていき、企業の経営判断にも配慮しつつ、2017月末までに、労働者の仕事と家庭生活の両立に資する『転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)』の策定を目指す」とされた「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2015改訂版)」(平成271224日閣議決定)を踏まえ、独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った転勤に関する実態調査の結果や、企業からのヒアリングなどを基に、本年1月から検討を行ってきたもの。

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 今回は、報告書の取りまとめに向けてのたたき台が出され、これに対する検討が行われた。本研究会は今回が最終回となり、今後は検討事項を踏まえて、たたき台に修正が加えられ、月中にも報告書が取りまとめられるものとみられる。

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