高齢者雇用

2021年1月 7日 (木)

厚労省・第1回「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」を開催 IT化等による新しい事業モデル・サービスに対応した制度の在り方などを検討【令和3年1月6日】

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求人・求職サイトやアグリゲーター(おまとめサイト)、

人材紹介エージェントなどの多様化する人材サービスについて

「多様化、国際化、求職者保護」などをキーワードに

法的・制度的観点から専門的検討を行う

 

 厚生労働省は、令和3年1月6日、「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」(以下「研究会」)の初会合を開催した。

 研究会では、求人サイトなどのIT等を活用した人材サービスへの対応、人材紹介エージェントなどの有料職業紹介事業及び求人メディアなどの募集情報等提供事業などの適正・効果的運営のための制度などについて、「多様化、国際化、求職者保護」などをキーワードに法的・制度的観点から専門的検討を行う。今年4月までは関係者からのヒアリングを実施し、5月から論点整理に入る予定。

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研究会の初会合には、構成員として、

阿部正浩 中央大学経済学部教授

安藤至大 日本大学経済学部教授

大久保幸夫 リクルートワークス研究所 アドバイザー

鎌田耕一 東洋大学名誉教授

武田洋子 株式会社三菱総合研究所 政策・経済センター長

中田るみ子 三菱ケミカル株式会社 取締役常務執行役員

山川隆一 東京大学大学院法学政治学研究科教授

――の7名の学識経験者が出席した(五十音順・敬称略)。

  

 研究会では、新しい時代に対応した労働市場の整備と就労マッチングサービスの発展の観点から、多種多様となっている採用プロセスにおける人材サービスを明らかにした上で、我が国のこれからの雇用仲介制度の在り方を検討する必要があるため、労働市場における雇用仲介の在り方について、法的・制度的な観点から専門的な検討を行うこととしている。

 開催に当たって、田中誠二職業安定局長が「一人ひとりが自分のキャリアを大切にする意識が出てきた。企業もそれを意識しないと…。先生方には忌憚のない意見をいただきたい」を述べ、座長には鎌田耕一東洋大学名誉教授が選出された。

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 同省からは、まず、「労働市場における雇用仲介の現状」について、

ア)転職者の割合の高い産業ほど、広告を経由して入職する者が多い

イ)求人の年収帯を見ると、民間職業紹介事業者の取り扱うものが最も高い一方、ハローワークの取り扱う求人は年収の幅が狭く、おおむね220550万円の間となっている

ウ)民間職業紹介では、保健師・助産師・看護師を中心に専門的職業の求人が多い

エ)飲食関係・接客関係の求人は、コストの高い民間職業紹介よりもハローワークや求人メディアに多く見られる

オ)ハローワークを経由した就職件数が景気動向等を受け2012年度以降減少する一方で、民間職業紹介事業者を経由した就職件数は景気動向に関わらず増加している

カ)雇用仲介の中での単純な求人数では募集情報等提供事業者の規模が大きくなっている

キ)IT技術の進展により、アグリゲーター(おまとめサイト)や利用者DB、SNS(求人企業のダイレクト採用)など新しいサービスが登場している

――などがデータとともに示された。

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 その後には、全ての構成員が発言し、

 

国際的にみて日本の長期失業者の(割合が)高い

 

ITAIの進展によりアルゴリズムを主体としたマッチングが増加し、ブラックボックス化してしまうことをどう考えるか、どのように適正化していくか

 

求職者保護を第一に考えるべき

 

現在の状況は雇調金の影響がある

 

在職中に新しい仕事をみつけ雇用の継続を

 

仲介業はどこからお金をもらっているのか

 

他市場の仲介業を参考にする

 

求職者が仲介業の仕組みを理解していないケースが。事業の特性をみせていく(べき)

 

人材ビジネスは20年で激変した。プレイヤーが変化した。プラットフォーマー、SNS事業者などが

 

1998年に大改革を行った。ハローワークと民間の役割をわけるテーマだった

 

一言で言うと多様化。様々な雇用仲介が拡大している。区分が曖昧になっている。どう整理していくのか。法規制が全く違う。基本は企業と労働者だが仲介事業者の責任は決して少なくない

 

高齢者をどう考えるか

 

転職者が安心して働ける仕組みを

 

就職弱者に雇用機会を本当に提供できているか

 

将来を見据えてどう考えていくか?

① 労働市場の真の目的は何か?人手不足とAIに雇用が奪われるとの相反する意見があるが、問題はミスマッチにある。タスクの変化に対して、変わっていかないと雇用に行き着かない。コロナによりその傾向は加速する

② ではどうすればいいか?

FLAP(フラップ)が必要

F(ファインド)気づきを正して示す

L(ラーン)学び

A(アクト)行動する

P(パフォーマンス)活躍する

フラップを回していくには、マッチングのバラバラな情報をどう共通言語化していくか

 

新しいサービスが出てくることを阻害してはならないが、個人情報、人権に配慮を

 

自分はこの環境下で何のために働いているか?

今はオンライで簡単に面接できる

 

企業側の問題意識として、

①非常に求人には手間がかかる(属人的で時間がかかる)

②インターンシップはマッチングには重要。まずは体験!が増えてくるのでは(出向など)

③仲介事業者の料金が高い。使いにくい。着手金がある

④マーケットに出てくる人が限定されている。登録者しか出てこない。社内失業状態の人が出てくればいいのだが

 

法の目的、マイナス面の除去にプラス面の促進を理念に追加することを

 

市場がより機能するように、労働市場を高度化していくことが課題に

 

国際化への対応を入れていく必要が

 

他国の状況を把握できれば

 

ILOの条約も注目していく

 

求人誌には必ずしも雇用労働者に限らない求人が載っている。どう対応するかという視点も

 

日本は最も転職により賃金が上がらない国

転職すればするほど上のキャリアに上がれない

 

日本の転職者は最も海外に行っていない。ドメスティック

 

ちょっとマッチング機能が弱すぎないか?

どうやってその機能を高めていくか議論を

 

避けられるミスマッチと避けられないミスマッチがある

避けられるミスマッチを避けていない

情報提供を

どう避けられるミスマッチを削減していくか?

 

転職して満足している者も6割以上いる

 

求職者のニーズ、属性のデータを

30代、40代、新卒者のデータがあれば(事務局にお願いしたい)

 

――などの意見が出ていた。

 

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 そして、検討事項として、

①IT化等による新しい事業モデル・サービスに対応した制度の在り方

②有料職業紹介事業及び募集情報等提供事業等をより適正かつ効果的に運営するための制度の在り方

③働き方や職業キャリアの在り方が多様化する中で、需要サイドと供給サイド双方にとって機能的な労働市場を実現するための制度や官民連携の在り方

――の「主な論点(案)」が示されて、了承された。

 今後は、「求人・求職サイト」や「人材紹介エージェント」についての議論も集中して行われる見通し。

 

 検討会では、令和3年2月から4月に関係者((募集情報等提供事業者、職業紹介事業者、有識者等)からのヒアリングを実施し、5月からは、論点整理を行い具体的な議論が行われ、年内のそう遅くない時期にはとりまとめが行われるものとみられる。

 初会合の締めくくりに、鎌田座長は、「多様化、国際化、(個人情報の保護などの)求職者の保護などのキーワードが出てきた。利用者が安心して利用できる雇用仲介事業者(の在り方)を…」との旨を述べていた。

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2019年1月 9日 (水)

【2019年 年頭所感】 厚生労働省職業安定局長 土屋喜久  

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年頭所感

厚生労働省職業安定局長 土屋 喜久  

 

新年を迎え、謹んでお慶び申し上げるとともに、職業安定行政へのご理解とご協力に感謝申し上げます。

 

昨年は、多数の国の行政機関において障害者の法定雇用率を満たしていない状況にあったことが明らかとなりました。民間の事業主に対し率先して障害者を雇用すべき立場にありながら、このような事態に至ったことは遺憾であり、障害者雇用施策を推進する立場として、深くお詫び申し上げます。こうした事態を重く受け止め、関係閣僚会議においてとりまとめられた「公務部門における障害者雇用に関する基本方針」等に基づき、組織全体として再発防止にしっかり取り組むことはもとより、法定雇用率の速やかな達成と障害者の活躍の場の拡大に向け、政府一体となって取り組んで参りますあわせて、こうした取組において必要となる障害者雇用の一層の促進を図るための改正法案の提出を目指します。

昨年4月からは、民間企業における法定雇用率が2.2引き上げられるとともに、精神障害者の雇用が義務化されました。ハローワークと関係機関との連携により、本人の希望や障害特性を踏まえた、これまで以上にきめ細かな職業相談・職業紹介等のサービスを行っていくことで、障害者が活躍できる場の拡大に取り組んで参ります

 

高齢者雇用については、生涯現役社会の実現に向けて、働く意欲のある高齢者がその能力を十分に発揮できるよう、70歳までの雇用と就業機会の確保について、未来投資会議の中間整理を踏まえ、検討を進めて参ります。あわせて、65歳を超えた継続雇用延長や定年延長等を行う企業への支援や、ハローワークの生涯現役支援窓口等を通じた求職者への支援、地方公共団体を中心として地域における高齢者の就労を促進する生涯現役促進地域連携事業の実施、シルバー人材センターにおける多様な就業機会の確保等に取り組んで参ります。

また、働く方々の主体的なキャリア形成や再チャレンジが可能な社会としていくため、中途採用の拡大に取り組んで参ります。具体的には、高齢者を含めた転職・再就職支援の採用機会の拡大のための取組を推進するとともに、厚生労働大臣と経済産業大臣が共催する「中途採用・経験者採用協議会」における提案等を踏まえ、社会全体の機運を醸成して参ります。

 

雇用情勢は着実に改善が進む中、求人が求職を大幅に上回って推移しており、特に中小・小規模企業において人手不足が深刻化しています。女性、高齢者、障害者等の多様な人材の活躍を促進し、企業における生産性向上や人材確保を支援するため、雇用関係助成金の積極的な活用を図るとともに、ハローワークの人材確保対策コーナーにおいて、人手不足分野を対象に、求人充足に向けたコンサルティングや求職者へのきめ細かな就職支援、事業所見学会、就職面接会等を実施し、マッチング支援を重点的に進めます。

 

 

一方、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお、人材を確保することが困難な分野において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材を受け入れるため、新たな在留資格の創設に関する出入国管理及び難民認定法改正案が、昨年12月に成立し、本年4月から施行されることとなりました。あわせて、昨年末の関係閣僚会議において「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」がとりまとめられたことを受け、職業安定局としても、、「外国人雇用管理指針」の見直し等を通じて、外国人がその有する能力を有効に発揮できる環境の整備に取り組んで参ります。

 

労働者派遣法については、昨年6月に成立した働き方改革関連法において、正規雇用労働者と派遣労働者を含めた非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の実効ある是正を図るために改正され、平成32年4月より施行されることとなりました。また、昨年9月には、平成27年改正法の施行から3年を迎え、期間制限の到来に伴う雇用安定措置等の適切な実施が求められています。それぞれの改正内容について、引き続き周知・啓発を強化して参ります。

 

労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を推進し、深刻な人手不足に対応するため、全力で取り組んでまいりますので、皆様方には、一層のご指導、ご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

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2017年10月 4日 (水)

「平成29年度高年齢者雇用開発コンテスト」表彰式(平成29年10月4日)

株式会社きむら(香川県高松市、小売業)が厚生労働大臣表彰最優秀賞を受賞

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 毎年10月の高年齢者雇用支援月間に合わせ、高年齢者雇用開発フォーラム(厚生労働省と独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の共催)が104日、イイノホール(東京都千代田区)で開催され、平成29年度高年齢者雇用開発コンテストの表彰式が行われた。

 

 「厚生労働大臣表彰最優秀賞」は、

株式会社きむら(香川県高松市、小売業)が受賞した。

 「厚生労働大臣表彰優秀賞」には、

七欧通信興業株式会社(東京都荒川区、設備工事業)

株式会社平和タクシー(宮崎県宮崎市、旅客運送業)

――の2社が輝いた。

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2016年10月 3日 (月)

厚生労働省・広報誌「厚生労働」10月号を発行!

 
今月の特集は『高齢者の「働きたい!」を叶えよう』です。 
 

トップインタビューは俳優の中井貴一さんです。
 

詳しくは、こちら。

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2016年8月31日 (水)

厚生労働省・「65歳超雇用推進助成金」創設へ~66歳以上の継続雇用制度の導入措置を実施した場合に一定額を助成~

 
 厚生労働省は、65歳以上への定年の引上げ、定年の廃止、希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入のいずれかの措置を実施した場合に、当該措置の内容に応じて一定額を助成する「65歳超雇用推進助成金」(仮称)の創設を平成28年度補正予算案及び平成29年度予算の概算要求に盛り込みました。

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2016年6月14日 (火)

「特集/平成28年 雇用保険法等の一部改正法の解説」~労働基準広報2016年7月1日号のポイント~


労働基準広報

2016年7月1日号のポイント

 

●特集/平成28 雇用保険法等の一部改正法の解説 

生涯現役社会実現の観点から65歳以上への

雇用保険の適用拡大など多岐にわたる改正

(厚生労働省 職業安定局 雇用保険課)

(厚生労働省 職業安定局 雇用開発部 高齢者雇用対策課)

(厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 職業家庭両立課)

(厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 雇用均等政策課)

「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成28年法律第17号。以下「改正法」という。)」は、第190回通常国会において、平成28年3月29日に可決・成立し、同月31日に公布された。

 改正法は、少子高齢化が進展する中で高齢者、女性等の就業促進及び雇用継続を図るため、65歳以上の者への雇用保険の適用拡大、雇用保険の就職促進給付の拡充、シルバー人材センターの業務拡大、育児休業及び介護休業の取得要件の緩和、介護休業給付の給付率の引上げ、妊娠・出産・育児期を通じた事業主への雇用管理上の措置の義務付け等を行うとともに、失業等給付に係る保険料率の引下げ等の措置を講ずることを主な内容とするものだ。

 以下、改正法の背景・経緯、改正の内容などについて解説してもらった。

 

●弁護士&元監督官がズバリ解決!~労働問題の「今」~

第23回 自動車運転者の過労による重大事故

長時間労働の過労による居眠り運転事故で会社社長に懲役の実刑判決も

(弁護士・森井利和&特定社会保険労務士・森井博子)

今年1月、長野県軽井沢町の国道において、貸切バス運行中にバス運転者2名と乗客13名の計15名が死亡する事故が発生するなど、重大な自動車事故が後を絶たない。

自動車による交通事故が発生した場合、刑事責任を問われるのは運転者だけではない。運転者が過労状態であることを認識しながら、会社が当該運転者に運転を命じたり、運転を容認した場合には、会社の運行管理者や代表取締役が過労運転下命罪または過労運転容認罪に問われることもある。さらに、過労運転の原因が長時間労働であれば、その長時間労働が労基法32条に違反したとして刑事罰が科せられることもある。

裁判例では、36協定の限度を超える時間外労働による過労の結果、労働者がガソリンを積載したタンクローリー車運転中に居眠り運転をして、渋滞車両に追突して11台を巻き込む大事故が発生した事件で、この会社の社長に労基法違反と道路交通法違反で懲役1年2か月の実刑判決が出されている。

 

●特別企画/「障害者トライアル雇用奨励金」の活用について 

雇入れた障害者1人につき一か月当たり最大4万円まで助成

(厚生労働省職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課)

「障害者トライアル雇用奨励金」は、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、就職が困難な障害者を一定期間雇用する事業主に対して助成する制度。助成額は対象者1人につき月額最大4万円で、支給対象期間は障害者トライアル雇用を受け入れた日から最長3ヵ月間となっている。同制度は今年度から拡充され、精神障害者を初めて雇用する場合には、対象者1人当たり月額最大8万円の助成を受けることが可能となった。

ここでは、同助成金について、厚生労働省職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課に解説してもらった。

 

●企業税務講座/第67回・通勤手当の非課税限度額の引上げ

平成28年1月1日以後に支払われる通勤手当に適用

(弁護士・橋森正樹)

平成28年度 税制改正大綱において、通勤手当の非課税限度額の引上げが掲げられていたが(第64回(2016年4月1日付号)37頁参照)、その後、平成28年3月29日に所得税法等の一部を改正する法律が可決・成立し、通勤手当の非課税限度額が月額10万円から15万円へと引き上げられた。

 そこで、本稿においては、この通勤手当の非課税限度額の引上げについて解説してもらった。

 なお、平成2610月にも交通用具を使用している人への通勤手当の非課税限度額の引上げがなされたが、この点については第49回(2015年1月1・11日付号)を参照されたい。


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2016年5月19日 (木)

政府・「ニッポン一億総活躍プラン」の国民会議案を決定!~労働基準法の時間外労働規制の在り方について再検討を開始~

 政府は18日午前、「1億総活躍国民会議」(議長・安倍晋三首相)を開催し、今後10年間の施策をまとめた「ニッポン1億総活躍プラン」の国民会議案を決定しました。
 
  菅官房長官は同日の会見で、国民会議案について、与党と議論を進めて、月内に閣議決定できるようにしたい
と話しています。

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2016年5月12日 (木)

第8回「働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために」懇談会 「子育てと仕事の両立 現状と未来」 中野円佳氏(女性活用ジャーナリスト/研究者)がプレゼンテーション 次回(5月24日)から「目次案」の検討を行う

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平成28年5月10日 午後2時から開催された

第8回「働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために」懇談会
では、冒頭に前回の質問に対する回答などが厚生労働省から示されました。
 
 
厚生労働省の提出資料として、
 
 就職を希望されない方(女性 約2275万人)に関するデータ
 (60歳以上が全体の約60%、25~44歳では「出産・育児のため」理由が最多)
 離職理由に関するデータ
 副業に関するデータ
 働く方ごとの主な社会保険制度の適用状況
 働く方ごとに適用される労働関係法
 ニッポン一億総活躍プランに向けた基本コンセプト
――が示されました。

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 続いて、女性活用ジャーナリスト/研究者である中野円佳氏が
 「子育てと仕事の両立 現状と未来」をテーマに40分にわたって、プレゼンテーションを行いました。
 
 
【中野氏のプレゼンテーションより(抜粋)】
 
・ フリーランスでは保育園に入れるのは難しい。保活を勝ち抜けない。
 
・ ここ(育休世代のジレンマのレイヤー)の話をしたい。
 
・ 「育休世代」とは「2000年前後の法改正などを経て女性総合職が増え、育休を取るのが「当たり前」になってから総合職正社員として就職した世代
 
・ 育児と仕事の両立はしなすくなっている。でもそのハードルはより高くなっている。
 
・ 1995年入社の総合職 20年で86%離職
 
・ 2005年入社の総合職 10年で59%離職
 
・ ①バリバリ仕事をする気満々だった人ほど辞めやすい
 
・ ②残った人は意欲を冷却させていることが多い
 
→ 【公的領域】意思決定層に女性が増えない
→ 【私的領域】家事育児分担が女性に偏り続ける
・ 離職減少&出産ラッシュで、マミートラック(それまでやっていた責任ある仕事から外れてコピー取りなどの仕事に)飽和・周囲の負担増 
 
→ 1つの部署がママだらけに
→ 独身の若い人に負担がかかる
 
・ 至る所に隠れる「正社員/フルタイムメリット」(保育園に入れるために続けるなど)
 
・ 働き続けることはできる。復帰100%を売りにしている企業は多い。でも責任は限定的。意思決定層には少ない
 
 
・ 何が問題か→「職場と悪循環が起こっている」
 
① 長時間労働前提の社会
 → 残業ができない=使い物にならない?→
 
② 育児中女性の処遇引下げ
 → もともと夫のほうが高所得の傾向 + 育休ブランク、ケア責任などによる比較優位 →
 
③ 夫婦の所得格差拡大
 → 男性が育児をすると被る不利益が大きい
 → 夫婦として新・性別役割分担(夫は仕事、妻は仕事と家事)が合理的に →
 
④ 男性が家事・育児を担いにくい
 → ケア責任のない男性、仕事しかしたことがない男性ばかりが意思決定をする社会 → 
 
①につながる悪循環
・ ダイバーシティ&インクルージョンを進めるべき3つの理由
 「人材確保」「マーケティング」「イノベーション」
 まだまだ実感している会社は少ない
 
・ どうしたらいいのか
 「働き方を変えないと『ケア』の時間は捻出できない」
 
・ 女性に男性並の働き方を求めるとは無理
 
・ 男女ともに働く時間の見直し×保育の充実を!
 
・ ジレンマを脱出する社会設計の提案
 
 ◆ 働き方改革の実行
 ◆ 「休むため」から「働くため」の両立支援へ
 ◆ 男性稼ぎ主「正社員」と家計補助的「非正規」の前提の打破
 ◆ 柔軟な労働市場形成と働き方の多様化に合わせた社会保障
   自分を守るような知識を学ぶ機会がほとんどない。→個人が自立しない。
 ◆ 保育・教育環境を含む国としての長期設計
   「小学校は足りなくなることはないのに、なぜ保育園は足りなくなるのか
・ 次世代ということを考えたときに、状況が変わっていないというのは避けたい。
 
・ 「自分の子どもだけは」と抜け道を探すのではなく、公道を大きくしたい
・ 数少ない恵まれた企業にたまたま勤めていただけかも…
 
 

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 委員からは、「中野氏の考える理想の働き方とは?」「ジレンマを脱出した海外の事例は? →ヨーロッパのクオーター制」など、多数の意見や質問が寄せられていました。

 会議の締めくくり入って、金丸座長が、次回から「目次案のたたき台をつくる」ことを提案しました。
 その際には、20年後の確実にわかる技術革新を盛り込むことなども提案されました。
 そして、柳川事務局長は、「働き方」に加えて、「新しい会社のあり方」や「新しい稼ぎ方」などバックグラウンドも話し合うことを提案しました。
 
 

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 終始和やかな雰囲気の中、手元の時計をみると2時間があっという間でした。
 なお、今回は、WEBによる参加者はいませんでした。
 
 次回(第9回)は、5月24日(火曜日)午後2時からの開催予定とのことです。

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2016年3月30日 (水)

改正雇用保険法が成立~65歳に達した日以後に新たに雇用される者も雇用保険の対象・介護休業は3回まで分割取得可能に~

 
  雇用保険の適用対象の拡大、介護休業の分割取得などを盛り込んだ「雇用保険法等の一部を改正する法律」が、昨日(29日)の参議院本会議(第190回国会)で全会一致で可決され、成立しました。
 
  改正の柱は、失業等給付に係る雇用保険料率を引き下げる〔現行1.0%→0.8% 〕、65歳以降に新たに雇用される者を雇用保険の適用の対象とする(ただし、保険料徴収は平成31年度分まで免除)、介護休業の分割取得(3回まで、計93日)、介護休業給付の給付率の引上げ〔賃金の40%→67%〕などとなっています。
 
 改正法は一部を除き、平成28年4月1日に施行されます。
 

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2016年2月17日 (水)

【労働政策審議会】第96回 職業能力開発分科会 開催される キャリアコンサルタント登録制度に関する省令案要綱「妥当」の旨、労働政策審議会に報告される

 本日(2月17日)午前9時から開催された第96回 労働政策審議会職業能力開発分科会では、

 職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
 

 職業能力開発促進法施行規則第四十八条の十七第一項第一号及び第二号に規定する講習の指定に関する省令案要綱について(諮問)
 
 専門実践教育訓練の指定基準の見直しについて
 
 第10次職業能力開発基本計画について
 
 その他(総務省からの「職業能力開発の効果的な実施に関する行政評価・監視―職業訓練を中心として―」結果に基づく勧告 について)
――が議題とされました。
 
 
(長期養成課程に、職業能力開発研究学域(仮称)を設置する)、(今年4月1日施行のキャリアコンサルタント登録制度)については、「妥当」の旨、労働政策審議会に報告されることになりました。
 
については、各委員から
 
「計画のねらいのポイントがわかりにくい」
「第10次計画の特徴。意義をわかりやすくしてほしい」
「就職氷河期の記述について」
「求職者支援訓練について」
「中高年齢者に対する転職のすすめととられないように」
「企業における自発的な人材育成投資の促進」の「自発的」とは?
「目標値が低いのではないか。」
「施設内訓練と委託訓練の目標値に10%もの差があるのはどうなのか?」
 
――など数々の意見や質問が出て、次回よりブラッシュアップした案が示されることになりました。
 
 
については、今年2月2日に、総務省から厚生労働省に対して、以下のような勧告があり、

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事務局から、「(勧告を)真摯に受けとめて、勧告を踏まえた必要な措置を実施していく」との説明がありました。

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