『労働基準広報』2020年12月1日号の特集は「政府のテレワーク関係『令和3年度予算概算要求』」
『労働基準広報』2020年12月1日号の特集は
政府のテレワーク関係『令和3年度予算概算要求』
地方のサテライトオフィス整備等支援し東京圏一極集中の是正図る交付金を創設
――を掲載!
テレワークに関しては、政府全体でその普及促進に当たっている。内閣官房IT室が政府目標を設定して、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省が連携して普及展開を図っているが、コロナ禍における感染拡大の防止の観点からも、政府の「骨太方針2020」や「成長戦略フォローアップ」(令和2年7月17日閣議決定)などに、その導入支援を強力に推進することなどが盛り込まれた。
令和2年10月26日の所信表明演説の中で、菅総理がテレワークの普及促進に意欲的な姿勢をみせるなど、今後、政府のテレワーク関係施策は、その加速度を増していくものとみられる。令和3年度予算の概算要求額として、厚生労働省では、「良質な雇用型テレワークの導入・定着促進」に約31億円を、内閣府地方創生推進室は、「地方創生テレワーク交付金の創設」に150億円を計上した。
ここでは、厚生労働省をはじめとする関係府省のテレワーク関連施策の令和3年度予算概算要求などをみていく。
ニュースは、
◆ 大阪医科薬科大学・メトロコマース事件最高裁判決/賞与・退職金不支給は不合理と認められない
◆ 日本郵便事件で最高裁判決/扶養手当や年末年始勤務手当などの格差は不合理
◆ 令和元年度新卒者内定取消し/79事業所で201人が内定取消うち102人が就職済
◆ 「もにす認定制度」で初の認定/「有限会社 利通」など優良中小事業主の3社を認定
――などを掲載!
北海学園大学法学部教授・弁護士 淺野高宏氏の
「転ばぬ先の労働法」
第55講のテーマは、
ウイズ・コロナ時代の労働法の論点《1》テレワーク②
企業がテレワークに適した雇用形態や業務を熟考し選択することが重要
テレワークでも労働時間は管理しなければならないが、労働時間管理を厳格に考えてしまうと、テレワークのメリットを全く活かしきれない事態にもなりかねない。指揮命令下の労働といっても、日常的な人事管理が要らない業種や職種がテレワークに適しているので、これからは、自社のどのような仕事がテレワークに向くかということを企業が熟考し選択していくことが問われているといえよう。
テレワークを導入するのであれば、使用者には、「多少サボるのは織り込み済みと割り切る覚悟」や「従業員を信頼して細かいことには目くじらを立てない度量の広さ」も必要だろう。