「特集/平成28年 雇用保険法等の一部改正法の解説」~労働基準広報2016年7月1日号のポイント~
労働基準広報
2016年7月1日号のポイント
●特集/平成28年 雇用保険法等の一部改正法の解説
生涯現役社会実現の観点から65歳以上への
雇用保険の適用拡大など多岐にわたる改正
(厚生労働省 職業安定局 雇用保険課)
(厚生労働省 職業安定局 雇用開発部 高齢者雇用対策課)
(厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 職業家庭両立課)
(厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 雇用均等政策課)
「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成28年法律第17号。以下「改正法」という。)」は、第190回通常国会において、平成28年3月29日に可決・成立し、同月31日に公布された。
改正法は、少子高齢化が進展する中で高齢者、女性等の就業促進及び雇用継続を図るため、65歳以上の者への雇用保険の適用拡大、雇用保険の就職促進給付の拡充、シルバー人材センターの業務拡大、育児休業及び介護休業の取得要件の緩和、介護休業給付の給付率の引上げ、妊娠・出産・育児期を通じた事業主への雇用管理上の措置の義務付け等を行うとともに、失業等給付に係る保険料率の引下げ等の措置を講ずることを主な内容とするものだ。
以下、改正法の背景・経緯、改正の内容などについて解説してもらった。
●弁護士&元監督官がズバリ解決!~労働問題の「今」~
第23回 自動車運転者の過労による重大事故
長時間労働の過労による居眠り運転事故で会社社長に懲役の実刑判決も
(弁護士・森井利和&特定社会保険労務士・森井博子)
今年1月、長野県軽井沢町の国道において、貸切バス運行中にバス運転者2名と乗客13名の計15名が死亡する事故が発生するなど、重大な自動車事故が後を絶たない。
自動車による交通事故が発生した場合、刑事責任を問われるのは運転者だけではない。運転者が過労状態であることを認識しながら、会社が当該運転者に運転を命じたり、運転を容認した場合には、会社の運行管理者や代表取締役が過労運転下命罪または過労運転容認罪に問われることもある。さらに、過労運転の原因が長時間労働であれば、その長時間労働が労基法32条に違反したとして刑事罰が科せられることもある。
裁判例では、36協定の限度を超える時間外労働による過労の結果、労働者がガソリンを積載したタンクローリー車運転中に居眠り運転をして、渋滞車両に追突して11台を巻き込む大事故が発生した事件で、この会社の社長に労基法違反と道路交通法違反で懲役1年2か月の実刑判決が出されている。
●特別企画/「障害者トライアル雇用奨励金」の活用について
雇入れた障害者1人につき一か月当たり最大4万円まで助成
(厚生労働省職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課)
「障害者トライアル雇用奨励金」は、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、就職が困難な障害者を一定期間雇用する事業主に対して助成する制度。助成額は対象者1人につき月額最大4万円で、支給対象期間は障害者トライアル雇用を受け入れた日から最長3ヵ月間となっている。同制度は今年度から拡充され、精神障害者を初めて雇用する場合には、対象者1人当たり月額最大8万円の助成を受けることが可能となった。
ここでは、同助成金について、厚生労働省職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課に解説してもらった。
●企業税務講座/第67回・通勤手当の非課税限度額の引上げ
平成28年1月1日以後に支払われる通勤手当に適用
(弁護士・橋森正樹)
平成28年度 税制改正大綱において、通勤手当の非課税限度額の引上げが掲げられていたが(第64回(2016年4月1日付号)37頁参照)、その後、平成28年3月29日に所得税法等の一部を改正する法律が可決・成立し、通勤手当の非課税限度額が月額10万円から15万円へと引き上げられた。
そこで、本稿においては、この通勤手当の非課税限度額の引上げについて解説してもらった。
なお、平成26年10月にも交通用具を使用している人への通勤手当の非課税限度額の引上げがなされたが、この点については第49回(2015年1月1・11日付号)を参照されたい。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)