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2020年1月 8日 (水)

令和二年 年頭所感 村山誠安全衛生部長 

令和二年安全衛生部長年頭所感

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厚生労働省労働基準局安全衛生部長 村山 誠

 

新年を迎え、心からお慶び申し上げます。本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。令和二年の年頭に当たり、改めて日頃の労働安全衛生行政への御理解と御協力に感謝申し上げます。

 

はじめに、労働災害防止に向けた基本的な考え方について申し上げます。

我が国の人口は、減少に転じておりますが、出生率の低下を背景に、いわゆる団塊ジュニア世代が六十五歳以上となる二千四十年頃に向けて、十五歳から六十四歳層の人口の減少が加速すると見込まれています。こうした人口構造の変化の中で、働く人一人ひとりが心身ともに健康を保ちながら、意欲や能力を一層発揮できる環境づくりが重要な課題となることから、労働災害の防止に向けた取組が一層強く求められております。

近年の労働災害による死亡者数は、長期的に減少しているものの、労働災害による休業四日以上の死傷者数は、六十歳以上の労働者数の増加やサービス産業化の進展などの就業構造の変化等により、むしろ増加傾向にあります。このため、具体的に以下の施策を中心に、労働災害防止対策に全力で取り組んでまいります。

 

まず、働く人の安全確保対策について申し上げます。

「経済財政運営と改革の基本方針2019」において、「サービス産業で増加している高齢者の労働災害を防止するための取組を推進する」とされたことなどを受け、有識者会議の御提言も踏まえつつ、事業者が講ずべき措置を盛り込んだガイドラインの作成・周知や、高年齢者の労働災害防止に取り組む中小企業に対する新たな支援を図ってまいります。

また、外国人労働者の受入れが進み、外国人労働者の労働災害が増加傾向にある中で、日本語に不慣れな外国人労働者に対する安全衛生教育の重要性が増していることから、雇入れ時などに活用できる視聴覚教材を作成し、その普及等に努めてまいります。

 

次に、働く人の健康確保対策について申し上げます。

「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」に盛り込まれ、昨年四月に施行された産業医・産業保健機能の強化や長時間労働者に対する面接指導の強化について、各事業場で適切に実施されるよう、履行確保を図ってまいります。

また、職場におけるメンタルヘルス対策を推進するため、ストレスチェックの実施の徹底、集団分析の結果を活用した職場環境改善の取組の促進、ストレスチェックの実施率が低調な労働者数五十人未満の事業場に対する支援を図ってまいります。

さらに、「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」の周知や両立支援コーディネーターの育成・配置等を進めることにより、企業・医療機関の患者に対する支援ノウハウの強化を図るとともに、地域両立支援推進チームの取組等を通じて、がんや難病等と仕事との両立に向けた地域における相談支援体制の構築等を進めてまいります。

 

加えて、化学物質をめぐる対策として、石綿使用建築物の解体工事の増加が見込まれるとともに、石綿含有の事前調査が不十分な事案が見られることなどから、事業者による石綿のばく露防止対策等が徹底されるよう、その周知・指導等を図るとともに、環境省における大気汚染防止に向けた法規制の強化と歩調を合わせて石綿障害予防規則の見直しを進めてまいります。

また、化学物質管理をめぐる国際的な動向、災害発生状況等を踏まえ、化学物質対策の在り方の見直しに向けた検討も進めてまいります。

 

こうした施策を中心に、労働災害防止団体や労使団体をはじめ関係団体の方々と連携し、働く人の日々の仕事が安全で健康的なものとなり、働く人にとって、より良い将来の展望を持ち得るような社会づくりを進めてまいる所存です。今後とも、労働安全衛生行政への一層の御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げまして、新年の挨拶とさせていただきます。

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