令和二年 年頭所感 藤澤勝博雇用環境・均等局長
令和二年 年頭所感
厚生労働省雇用環境・均等局長
藤澤勝博
新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
皆様には、日頃から雇用環境・均等行政の推進に御理解と御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年は、女性活躍推進法等の一部改正法が成立し、その施行に向けた準備を進めたほか、同一労働同一賃金の施行に向けた周知啓発に取り組むなど、労働者がより活躍できる職場環境の実現に尽力した一年でした。
新たな元号で初めて新春を迎えるに当たり、これらを受けて、更なる発展過程にある雇用環境・均等行政を一層充実させる年にするべく、職員一丸となって取り組んでまいります。
具体的には、働き方の多様化がますます進んでいる状況の中で、女性活躍の推進や職場におけるハラスメントの防止、同一労働同一賃金の実現、育児休業の取得促進といった仕事と生活の両立支援、雇用類似の働き方の検討、勤労者の福利厚生の充実など、いずれも重要かつ差し迫った課題であると考えています。雇用環境・均等局においては、今年も、これらの課題や施策の実現に総力を挙げて取り組んでまいります。
急速な少子高齢化の進展や社会経済情勢の変化に対応していくためには、女性をはじめとする多様な労働者がその能力を十分に発揮して活躍できる就業環境を整備することが重要です。こうした観点から、昨年五月末に、女性の活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律が成立しました。改正法では、女性活躍に関する一般事業主行動計画の策定や情報公表義務の対象企業の拡大、情報公表の強化、プラチナえるぼし認定の創設等を行うとともに、社内方針の明確化と周知啓発、相談体制の整備等といった、パワーハラスメント防止のための事業主の雇用管理上の措置義務の新設やセクシュアルハラスメント等の防止対策の強化といった内容を定めております。来年度からの施行が円滑に進むよう、取組を進める事業主に対する必要な支援を行っていきたいと考えています。
働き方改革における大きな柱の一つが、同一労働同一賃金の実現です。同一企業内でのいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差を解消し、どのような雇用形態を選択しても納得感をもって活躍できる社会を目指します。本年四月(大企業と派遣労働。中小企業は令和三年四月)からの施行に向けて、特に中小企業・小規模事業者の方に改正内容を十分理解していただく必要があります。関連省令、指針等の周知とともに、全都道府県に設置している働き方改革推進支援センターによる相談援助、業種別の同一労働同一賃金導入マニュアルや業種横断的な取組手順書、キャリアアップ助成金などによる支援にしっかりと取り組んでまいります。
さらに、男性が積極的に育児を行うことは、女性の活躍推進や子育て環境の充実の観点から重要です。そのため、男性の育児休業取得を推進するために、イクメンプロジェクトの実施や両立支援に取り組む企業への助成金を支給するとともに、男性の育児休業取得を一層強力に推進するための対応策について検討を進めてまいります。
また、子の看護休暇制度及び介護休暇制度の一時間単位での取得を可能とする法令改正を昨年末に行ったところであり、令和三年一月一日からの円滑な施行に向けて、改正内容の周知に取り組んでまいります。
併せて、中小企業等における働き方改革を定着させるためには、短納期発注など長時間労働につながる商慣行の見直しを進めなければなりません。このため、昨年六月に策定された「大企業・親事業者の働き方改革に伴う下請等中小事業者への『しわ寄せ』防止のための総合対策」(しわ寄せ防止総合対策)に基づき、労使団体への要請やセミナーの実施等を通じ、中小企業が働き方改革を進められる環境整備に取り組んでまいります。
また、「働き方改革実行計画」では、いわゆるフリーランスの方など、雇用類似の働き方に関する保護等の在り方について中長期的に検討することとされています。二〇一八年十月に立ち上げた検討会において、その法的保護の必要性を含めて、引き続き、特に優先すべき検討課題を中心に、検討を進めてまいります。
勤労者生活の向上に関しては、中小企業退職金共済制度の安定的運営、勤労者財産形成促進制度の利用促進に取り組むなど、勤労者の福利厚生の充実を図ります。また、労働金庫の適正な運営のため、引き続き、指導・監督を行ってまいります。
このように、雇用環境・均等局は、社会の関心の高い多くの課題を担っておりますが、本年も労使をはじめとする国民の皆様の期待に応えられるよう全力で取り組んでまいります。本年が皆様にとりまして幸多き年となりますよう御祈念申し上げ、新年の御挨拶とさせていただきます。
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