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2020年1月 8日 (水)

令和二年 年頭所感 定塚由美子人材開発統括官

年頭所感

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厚生労働省人材開発統括官 定塚 由美子

 

 

 謹んで新春の御挨拶を申し上げます。

 令和二年の年頭に当たり、日頃からの人材開発行政への多大なる御理解と御協力に御礼を申し上げますとともに、所信の一端を述べさせていただきます。

 

 少子高齢化が進展し、人生百年時代を迎える中、第4次産業革命による技術革新に対応しつつ、全ての方がその能力を存分に発揮できる社会を実現することが重要です。

 このためには、個々人の主体的なキャリア形成をすすめるとともに、生産性の向上を図っていくことが不可欠であり、幾つになっても、誰にでも学び直しと新しいチャレンジの機会を確保するリカレント教育の充実や、高齢期を見据えたキャリア形成支援等を推進していく必要があります。

 また、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行ったいわゆる就職氷河期世代の方々への支援は、我が国の将来に関わる、社会を挙げて取り組むべきまったなしの課題であり、不本意ながら不安定な仕事に就いている方、長期間無業の状態にある方、また、社会参加に向けた支援を必要とする方など、個々の様々な状況に応じたきめ細かな支援を行い、働くことや社会参加を支援していく必要があります。

 本年も、このような重要課題を踏まえ、人材開発行政に寄せられている期待を受け止め、働く方々をとりまく社会・経済情勢の変化に対応し、様々な方々がその能力を十分に発揮できるよう、人材開発政策を推進してまいります。

 

 まず、公的職業訓練については、地域、産業等のニーズに応じた多様な訓練機会を提供するため、都道府県労働局、都道府県、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構、民間教育訓練機関の連携を更に強化し、効果的に実施してまいります。特に、人手不足が顕著な中小企業等に対し、労働者への職業訓練を通じた生産性向上のための支援を引き続き実施してまいります。

 また、障害者職業能力開発校等における職業訓練の着実な実施を通じて、障害者の職業能力の向上にも取り組んでまいります。

 更に、民間教育訓練機関における職業訓練の質の向上を図るため、引き続き、職業訓練サービスガイドラインの普及に努めるとともに、「職業訓練サービスガイドライン適合事業所認定」制度の一層の活用促進を図ってまいります。

 こうした多様な公的職業訓練については、より多くの方々にその存在、機能をご理解いただき、ご活用いただけるよう、愛称(ハロートレーニング)・キャッチフレーズやロゴマークも活用して積極的な広報に努めており、人材開発施策のさらなる活用促進を図ってまいります。

 

 次に、若者の安定した雇用を確保する視点から、「学卒者全員正社員就職」実現に向け、大学等との連携による支援対象者の確実な把握、新卒応援ハローワークへの誘導、特別支援チームの活用等による就職実現までの一貫した支援を図ってまいります。

 また、若年無業者等への支援については、「地域若者サポートステーション」を拠点に、地方公共団体と協働した専門的な相談等の支援の充実を図るとともに、就職氷河期世代等の無業者の支援のため、対象年齢を四十九歳まで拡大するとともに把握・働きかけのための福祉機関等へのアウトリーチ展開等に着手してまいります。

 

 そして、労働者のキャリア形成支援等については、生涯を通じたキャリア・プランニング及び職業能力証明のツールであるジョブ・カードを活用して、高齢期も見据えた労働者のキャリアプラン再設計や企業内のキャリアコンサルティング導入等を支援する拠点(キャリアサポートセンター(仮称))の整備、昨年度拡充した専門実践教育訓練、今年度新たに指定基準を設けた特定一般教育訓練をさらなる広報の実施等により活用を促進し、一層効果的に推進してまいります。

 

 人材開発に取り組む事業主等の支援については、その雇用する労働者の職業能力の向上や企業の労働生産性の向上に資する職業訓練を積極的に実施する事業主等に対し、人材開発支援助成金によって訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を支援することにより、企業内における人材育成の推進を引き続き図ってまいります。

 

 職業能力評価については、技能検定について職種の統廃合を進めつつ、サービス系等の職種について、業界団体等による検定制度の構築を進めてまいります。

 また、職業能力評価基準を活用し、ホワイトカラー職種に求められる能力情報等を調査・研究する事業を開始しており、その結果を踏まえて、職業能力診断を支援するツールの開発に向けた検討を進めてまいります。

 さらに、若者の技能の向上及び技能尊重気運の醸成を図るため、技能五輪全国大会、国際大会の参加者の裾野を広げ、選手強化の取組を進めてまいります。

 

 人材開発分野における国際協力として、開発途上地域等への技能等の移転を目的とする技能実習制度については、悪質な送出機関の排除等に取り組むとともに、外国人技能実習機構等の実地検査能力の強化等により、運用の適正化に努めていくほか、ASEANの開発途上国を中心に日本の技能検定や職業訓練の移転の協力に取り組んでまいります。

 

 これらの取組を含め、人材開発行政に対する皆様の御理解と御協力をお願い申し上げるとともに、皆様の御多幸を祈念いたしまして、私の新年のご挨拶といたします。

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