【平成28年 年頭所感】厚生労働省 大臣官房統計情報部長 小川 誠 氏

　年頭所感「新春を迎えて」

謹んで新春の御挨拶を申し上げます。　　　　　　　　　　　

さて、厚生労働行政は、国民一人ひとりが、家庭、職場、地域等において、持てる力を発揮し、ともに支え合いながら、健やかに安心して生涯を送ることができるよう、社会保障政策・労働政策を通じて、将来にわたる国民生活の質の向上と社会経済の発展に寄与することをその使命としています。このような使命を果たしていくためには、根拠に基づく政策（evidence-based-policy）を展開するとともに、その効果を検証していく必要があり、その基礎となる統計の作成や情報システムの整備は不可欠です。このため、時代の要請に対応した統計調査の実施と情報システムの効果的かつ効率的な整備・運用に着実に取り組んでまいります。

本年は、保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的な事項を世帯面から総合的に把握する「国民生活基礎調査」の三年に一度の大規模調査年に当たることから、調査対象世帯数を拡大し、より幅広い調査を実施することとしております。

また、パートタイム労働者について、事業所における雇用管理の現状とともに、働き方の実態、意識などを把握する「パートタイム労働者総合実態調査」を５年ぶりに実施いたします。

　さらに、基幹統計調査である「人口動態調査」、「医療施設動態調査」、「毎月勤労統計調査」、「賃金構造基本統計調査」をはじめとした統計調査の的確な実施と各種統計の作成を正確かつ迅速に行ってまいります。

これら統計調査を実施することにより集められた調査票情報については、広く社会に還元し、厚生労働統計を学術研究及び高等教育の場において活用いただくため、一般の方からの求めに応じ、集計表の形で提供する「オーダーメード集計」や、個人が特定されないように加工した「匿名データ」の提供を引き続き拡充してまいります。

次に、情報システムの整備につきまして、昨今、政府機関等から情報を不正に入手することを目的としたサイバー攻撃が多発しており、昨年五月には、日本年金機構への不正アクセスによる情報流出事案が発生いたしました。これを踏まえて、厚生労働省では「情報セキュリティ強化等に向けた組織・業務改革」として、再発防止策を取りまとめております。また、厚生労働省の情報提供の重要な媒体であるホームページに対しても、昨年十一月にサイバー攻撃がなされました。

このため、統計情報部としては、セキュリティ対策を強化することにより、省内で多くの個人情報等を扱うシステムが利用している統合ネットワークや国民や企業の皆様が自宅や職場からインターネットによる申請・届出が行える申請・届出システム等の安定的な運用に努めてまいります。

本年も行政施策の企画・立案などの基礎となる統計資料の作成及び提供並びに情報システムの整備・運用について的確かつ効果的に実施していくためには、皆様の御協力が不可欠であります。皆様の御支援と御協力を御願い申し上げまして新年の御挨拶とさせていただきます。　　　　　　　　　　　　　　　　

大臣官房統計情報部長　　小川　誠