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2016年1月 7日 (木)

【平成28年 年頭所感】厚生労働省 老健局長 三浦公嗣 氏

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年頭所感

 

厚生労働省老健局長 三浦 公嗣

 

新春を迎えるに当たり、平素より高齢者保健福祉の推進に格別の御理解と御協力をいただいておりますことに、厚く御礼申し上げます。

 

さて、介護保険制度につきましては、二〇〇〇年に制度がスタートして以来、今年で十七年目を迎えます。この間、在宅サービスを中心に利用者が大きく増加するなど、介護保険制度は、関係者の方々の御努力に支えられて、国民生活には欠くことのできないものとなっております。

 

今後、我が国はこれまでに例のない高齢社会を迎えます。出生率の低下や平均寿命の伸びにより我が国の人口構成が変化し、また、いわゆる「団塊の世代」の方々が引退し、二〇二五年にはこれらの方々が七十五歳以上になるなど、七十五歳以上の高齢者が二千万人を超え、介護ニーズはますます増大することが見込まれます。また、特に都市部を中心に急速な高齢化が進行する中で、単身・高齢者のみの世帯の急増など地域社会・家族関係が大きく変容し、生活支援のニーズがますます高まると考えています。

 

こうした状況の中で、高齢者が介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく、一体的に提供される地域包括ケアシステムを構築していくことが重要です。

 

これからの地域包括ケアシステムの構築にあたっては、全国一律の仕組みではなく、このシステムの構成員となる住民の個性とその地域特性にあった検討がなされることが重要であり、住み慣れた地域で暮らし続けていくために、「わがまち」における生活基盤や生活の在り方を住民を主体として考え、創り上げていく「地域マネジメント」の過程そのものであると考えられます。そのため、住民をはじめ、医師会や町会自治会といった地縁組織等、「自助・互助・共助・公助」それぞれの関係者が参加し、地域の特色が反映されたシステムを創り上げることが期待されます。

平成二十六年に成立した医療介護総合確保推進法においては、「在宅医療・介護連携の推進」「認知症施策の推進」「生活支援、介護予防の充実・強化」「地域ケア会議の推進」等が盛り込まれところであり、これらの施策に引き続き取り組み、地域包括ケアシステムの構築を更に進めていきます。

認知症高齢者に関する施策については、昨年一月に厚生労働省と関係十一府省庁が共同して認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を策定したところであり、これに基づき、より一層の認知症施策の充実を図ります。

また、介護ニーズの高まりに対応し、質の高いサービスを提供していく上で、介護職員の処遇改善や人材確保は重要な課題です。平成二十七年度の介護報酬においては、処遇改善のための「介護職員処遇改善加算」について介護職員一人当たり一万二千円相当を拡充したところですが、引き続き地域医療介護総合確保基金を活用した都道府県の取組に対する支援等の取組を進めてまいります。

一方で、今後増加が見込まれる介護費用について、介護サービスの重点化・効率化や世代間・世代内の負担の公平性の確保を図ることにより、介護保険制度の持続可能性を確保していくことが必要です。今年は介護分野の改革について具体的に検討を進めていく年になるため、将来にわたって持続可能な介護保険制度を構築し、高齢者が住み慣れた地域で自立して生活できるような社会を実現すべく、関係者の意見を聴きながら、精力的に検討を行っていきたいと考えています。

 

昨年十一月には、一億総活躍の実現に向けた緊急対策が策定されました。十分に働ける方が介護のために離職せざるをえない状況があることを踏まえ、「介護離職ゼロ」を目指し、在宅・施設サービス等の整備の加速化等、緊急対策に盛り込まれた取組について推進していきます。

 

本年も、引き続き、関係者の皆様の御理解と御協力をお願いするとともに、皆様方のこの一年の御多幸と御健勝を心よりお祈り申し上げます。

 

 

 

 

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