第9回「働く人の電話相談室」結果報告【日本産業カウンセラー協会】
『職場の悩み』に関する相談相手、上司や家族よりも同僚か公的機関に!
ハラスメントについては、取引先担当者からのセクハラや後輩からのモラハラなども相談
日本産業カウンセラー協会(河野慶三代表理事)では、連合(日本労働組合総連合会)と協力し、2007年から毎年、「世界自殺予防デー(9月10日)」にあわせて、「働く人の電話相談室」を開設している。本年(2015)も9月10日(木)から12日(土)の3日間にわたり「働く人の電話相談室」を開設し、産業カウンセラーが仕事、人間関係、生活などのさまざまな悩みの相談を受け付けた。
2015年実施の「働く人の電話相談室」には、述べ436人から、736件(相談者からの主訴を最大3つまで選択する方式として集計)、時間にして217時間に及ぶ相談が寄せられた。
女性の非正規社員の相談者が87人と最多
相談者436人の内訳を男女別でみると、約6割にあたる276人が女性の相談者であり、また、件数でも約6割にあたる474件の相談が女性からのものだった。さらに、相談者を年代別にみても、20代から50代までの幅広い年代層で、女性からの相談が目立った。
最も多い『職場の悩み』の相談(275件)のうち
女性の非正規社員の相談者が87人と最多
相談者436人の内訳を男女別でみると、約6割にあたる276人が女性の相談者であり、また、件数でも約6割にあたる474件の相談が女性からのものだった。さらに、相談者を年代別にみても、20代から50代までの幅広い年代層で、女性からの相談が目立った。
雇用形態別では、正規社員(男女合計)の相談者が95人で 21.8%(昨年:23.4%)、非正規社員(男女合計)が122人で28.0%(昨年:25.5%)と、非正規社員の相談人数が増加している。中でも、女性の非正規社員からの相談が87人と最も多かった。
最も多い『職場の悩み』の相談(275件)のうち
「ハラスメント」に関する相談は78件
受けた相談の内容としては、『職場の悩み』275件で37.4%と最も多かった。さらに、『職場の悩み』の相談内訳をみると、「人間関係」が104件で37.8%と最も多く、セクハラやパワハラなどの「ハラスメント」に関する相談が78件で28.4%と続いている。過去8回の相談結果との比較では、この「ハラスメント」に関する相談の割合が増加している(2008年の結果では約8%となっており、7年間でおよそ20%の増加がみられた)。
受けた相談の内容としては、『職場の悩み』275件で37.4%と最も多かった。さらに、『職場の悩み』の相談内訳をみると、「人間関係」が104件で37.8%と最も多く、セクハラやパワハラなどの「ハラスメント」に関する相談が78件で28.4%と続いている。過去8回の相談結果との比較では、この「ハラスメント」に関する相談の割合が増加している(2008年の結果では約8%となっており、7年間でおよそ20%の増加がみられた)。
ハラスメント被害の内容については、自社内にとどまらず、取引先担当者(異性)からのセクハラや、自社の後輩からの言葉のモラハラ、そして、暴力が伴う上司からのパワハラなど、さまざまなエスカレートしたハラスメント実態が相談から浮き彫りになった。
さらに、雇用形態別に相談内容をみると、「働き方」や「就職・転職・退職」など、『キャリアに関する悩み』が非正規社員全体からの相談内容を正規社員と比較すると、正規社員より2.5倍以上高くなっている。
抱えている悩みを相談する相手については、公的機関を利用した人が319件中22.3%の71件となっており、次いで、「同僚」に相談するという人が12.5%の40件。自身が抱えている悩みの相談相手は、「家族」や「上司」ではなく、「公的機関」や「同僚」を選ぶ人が多いという結果となった。その背景には、そもそも上司がパワハラの加害者であるため、上司には相談できないなどの事情が考えられるようだ。
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