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2015年7月 6日 (月)

改正特許法が参議院本会議で可決・成立!~社員の職務発明の特許権利は企業に帰属~

 
 社員の職務発明について、特許を取得する権利が「企業」に帰属することを定めた改正特許法(特許法等の一部を改正する法律案)が7月3日の参院本会議で賛成多数で可決し、成立しました。公布日から1年以内の施行が予定されています。
 
 改正法では、「従業者等がした職務発明については、契約、勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、その特許を受ける権利は、その発生した時から当該使用者等に帰属する」旨定めています。
 
 一方で、「従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより職務発明について使用者等に特許を受ける権利等を取得等させた場合には、相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利を有する」として、職務発明をした社員の権利も定めています。
 
 さらに、「経済産業大臣は、発明を奨励するため、産業構造審議会の意見を聴いて、契約、勤務規則その他の定めにおいて相当の金銭その他の経済上の利益について定める場合に考慮すべき使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況等に関する事項について指針を定める」とされています。
 
  特許法等の一部を改正する法律案(閣法第四四号)要旨
 本法律案は、知的財産の適切な保護及び活用により我が国のイノベーションを促進するため、発明の奨励に向けた職務発明制度の見直し及び特許料等の改定を行うほか、特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約の実施のための規定の整備を行おうとするものであり、その主な内容は次のとおりである。
 
一、特許法の改正
1 職務発明制度の見直し
  イ 従業者等がした職務発明については、契約、勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、その特許を受ける権利は、その発生した時から当該使用者等に帰属する。
  ロ 従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより職務発明について使用者等に特許を受ける権利等を取得等させた場合には、相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利を有する。
  ハ 経済産業大臣は、発明を奨励するため、産業構造審議会の意見を聴いて、契約、勤務規則その他の定めにおいて相当の金銭その他の経済上の利益について定める場合に考慮すべき使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況等に関する事項について指針を定める。
2 特許法条約の実施のための規定の整備
   外国語書面等の翻訳文を所定の期間内に提出することができなかったときは、特許庁長官が通知をするとともに、その期間が経過した後であっても、一定の期間内に限りその翻訳文を提出することができることとする等所要の規定の整備を行う。
3 特許料の改定
   特許料を引き下げる。
 
二、商標法の改正
1 商標法に関するシンガポール条約の実施のための規定の整備
   出願時の特例の適用を受けるための証明書を所定の期間内に提出することができなかったときは、その期間が経過した後であっても、一定の期間内に限りその証明書を提出することができることとする等所要の規定の整備を行う。
2 商標登録料等の改定
   商標の登録料及び更新登録料等を引き下げる。
 
三、特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律の改正
特許協力条約に基づく国際出願に係る調査等について、明細書及び請求の範囲が日本語又は外国語で作成されている場合に応じ、それぞれ手数料の上限額を定める。
 
四、経済産業省設置法の改正
  職務発明制度の見直しに係る特許法の改正に伴う規定の整備を行う。
 
五、施行期日等
1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 政府は、施行日以後五年を経過した場合において、改正後の特許料等の引下げに関する規定の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる。
 

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