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2015年7月29日 (水)

「労働契約申込みみなし制度について」(平27・7・10 職発0710第4号)の概要

今週、厚生労働省HPの「労働者派遣事業に係る法令・指針・疑義応答集・関連情報等」のコーナーの「疑義応答集・解釈通達等」に、労働契約申込みみなし制度について(平成27年7月10日付け解釈通達)が掲載されました。

 同通達は、今年10月1日からの施行が予定されている「労働契約申込みみなし制度」について、同制度の趣旨及び行政解釈を示したものとなっています。

 

● 詳しくはこちら

 

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<参考>

労働契約申込みみなし制度について(平27・7・10 職発0710第4号)の概要

 

1 制度の趣旨

 労働契約申込みみなし制度は、違法派遣の是正に当たって、派遣労働者の希望を踏まえつつ雇用の安定が図られるようにするため、当該行為を行った時点において善意無過失の場合を除き、派遣労働者の役務の提供を受ける者が派遣労働者に対して労働契約の申込みをしたものとみなす制度である。

 善意無過失の場合を除き、違法派遣を受け入れた者にも責任があり、そのような者に対して一定の民事上の制裁を科すことで労働者派遣法の規制の実効性を確保することを制度の趣旨とする。

 

2 行政解釈

1 総論

 原則として、違法行為が行われた日ごとに労働契約の申込みをしたとみなされる。

 違法行為が行われた日の始業の時に、違法行為に該当することを知らなかった場合、かつ、知らなかったことに過失がない場合は、当該日に行われた違法行為については、みなし制度は適用されない。

※ 始業後に違法行為に該当することを知った場合(または知らなかったことに過失が生じた場合)には、原則として、当該日の翌就業日以降には、行われた違法行為について善意無過失の抗弁が認められない。

 違法行為が行われた日の始業の時に、違法行為に該当することを知っていた場合(または知らなかったことに過失がある場合)は、当該日に行われた違法行為について、みなし制度が適用される。

 違法行為の類型 ①禁止業務派遣、②無許可・無届出派遣、③期間制限違反、④いわゆる偽装請負等――の4類型

 

2 申込みの内容となる労働条件

 原則として、違法行為の時点における派遣元等と派遣労働者との間の労働契約上の労働条件と同一。

 労働契約期間については、派遣元等との契約期間(始期と終期)がそのまま適用される。

例 派遣元等との契約期間が4月1日から6月30日であるとき、6月1日にみなし制度により労働契約が成立した場合には、派遣先等に雇用されるのは6月1日から6月30日の間となる。

 

3 労働契約の成立の時点等

 派遣労働者が承諾をした時点。承諾できる申込みは、最新の申込みに限られない。

 あらかじめ派遣労働者が「承諾をしない」との意思表示を行った場合、当該意思表示に係る合意については公序良俗に反し、無効と解される。

 

4 複数の事業主が関与する等の複雑な事案

 対象となる派遣先等が複数ある場合は、それらすべてから当該派遣労働者に対して労働契約の申込みをしたとみなす。派遣労働者は承諾する相手を選ぶことができる。

 複数の違法行為の類型に該当する行為を行った場合は、いずれの違法行為に基づいてみなし制度の適用を主張するかは、派遣労働者が選択することができる。

 複数の派遣労働者が同時に違法状態で就業している場合は、それら全ての派遣労働者に対してそれぞれ労働契約の申込みをしたものとみなされる。

 多重請負の形態でいわゆる偽装請負の状態の場合は、原則として、労働者を雇用する者(下請負人)と直接請負契約を締結している者(元請負人)が、労働契約の申込みをしたものとみなされる。

 

(文責・編集部)

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☆ 小誌『労働基準広報』2015年9月1日号では、「労働契約申込みみなし制度」についての解説記事を掲載予定です!

 

 

 

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