「特集/有期雇用労働者等に関する特別措置法の内容~年収1075万円以上の高度専門職等について無期転換ルールの特例を設ける~」労働基準広報2015年4月11日号の内容~
労働基準広報
2015年4月11日号
CONTENTS
●特集/有期雇用労働者等に関する特別措置法の内容
年収1075万円以上の高度専門職等について無期転換ルールの特例を設ける
(厚生労働省労働基準局労働条件政策課)
専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法が、今年4月1日に施行された。同法は、①5年を超えるプロジェクトに従事する専門的知識等を有する有期雇用労働者、②定年(60歳以上のものに限る。)に達した後、引き続いてその事業主又は特殊関係事業主に雇用される有期雇用労働者──について、無期転換ルールにおける通算契約期間の特例を設けるもの。①の特例対象者については、通常の無期転換ルールにおける「5年」という期間が「プロジェクトの期間(上限10年)」となり、②については、定年後引き続いて雇用される期間は無期転換申込権が発生しない──という特例が適用される。
今回は、有期雇用特別措置法の内容について、厚生労働省労働基準局労働条件政策課に解説してもらった。
●人事大事の時代<事例編>(17)
介護と仕事の両立支援 多様な制度の組み合わせを可能に
~大成建設の介護と仕事の両立支援~
【事例のポイント】
① 女性活躍推進、ワークライフバランスの取り組みから介護支援に発展。
② 介護休業(180日)、リバイバル休暇(失効積立年休利用制度:最大80日)は半日単位で取得可能。
③ 勤務時間短縮措置や勤務時間の繰上げ下げとの併用で多様な利用形態を選択できる。
④ ケアマネジャーへの説明資料を作成するなど、周知方法に工夫をこらす。
● 解釈例規物語
68
第37条関係・定額残業手当の適法性について─その1─
(中川恒彦)
この解釈例規ないしテーマについては、一度取り上げている(第51回(2013年11月11日付号)~第53回(2014年1月1・11日付号))。
その際、定額残業手当が適法と認められる場合もあるが、裁判例を見る限り、定額残業手当が割増賃金不払の言い逃れに使われているケースが多いことを指摘し、かなり強い口調で警鐘を鳴らしたつもりである。
裁判例については、少々多過ぎるかとも思いつつ、昭和62年から平成22年にいたる計13件の裁判例を紹介した。ところが、平成23年以降、これまでになかったような事件が急増するのである。
それまでの定額残業手当は、月額3万円とかせいぜい5万円とかいったようなものであった。金額でなく時間外労働時間で示す場合でも、基本給に月15時間分の割増賃金が含まれているとか、月30時間分の割増賃金が含まれているとかいうものであった。
平成23年の裁判例で登場したのは、月95時間分の定額残業手当である。過労死認定基準に該当するような時間である。
月95時間分の定額残業手当ということは、月95時間以上の時間外労働をしない限り、割増賃金は追加されないということである。結局「割増賃金は支払わない」ということとほぼ等しい。
その後、月80時間分とか、月120時間分以上の定額残業手当とか、基本給に月75時間分の時間外手当等を含むといった事件が続いた。
さらに、厚生労働省職業安定局では、ハローワークインターネットサービスに公開されている求人内容において、「固定残業代」に関する不適切な記載事例が多数見られたとして、公共職業安定所に対し早急な是正指導を指示している(平成26・4・14付け事務連絡)。
解釈例規(平成12・3・8 基収第78号)そのものが変わったわけではないが、前回紹介した平成22年以降の裁判例も紹介しなければ、定額残業手当をめぐる最近の状況を紹介したことにならないと考え、今回、続編として追加することとした。
●労務資料/平成26年賃金構造基本統計調査結果③
短時間労働者は男女とも過去最高額
~短時間労働者の賃金等~ (厚生労働省調べ)
●NEWS
(技能実習制度の仕組み整備する新法案を上程)受入企業は届出制、監理団体は許可制に/
(26年・中労委事務局調べ)WLBの取組みで出退勤管理徹底した企業が4割/
(厚労省・短時間労働者対策基本方針)希望者には通常労働者への転換の取組を一層推進/
(26年10月現在の家内労働者数)前年同期と比べ4300人減少して11万3000人に/
ほか
●連載 労働スクランブル第212回(労働評論家・飯田康夫)
●わたしの監督雑感 兵庫・相生労働基準監督署長 妹尾裕治
●労務相談室だより
労務相談室
高年齢者
〔雇用義務年齢に達した元社員と業務委託契約〕注意すべき点は
弁護士・山口毅
社会保険
〔法人の代表者が業務上負傷〕治療費どうする
特定社労士・大槻智之
配置転換
〔体臭きつい男性事務職〕住所地の調査と配置転換できるか
弁護士・荻谷聡史
| 固定リンク
« 労災保険の料率が変わります【厚生労働省】平成27年度から労災保険率、労務費率、第2種・第3種特別加入保険料率を改定 | トップページ | 塩崎大臣閣議後記者会見概要(H27.4.3(金)10:45 ~ 10:57 省内会見室)【厚生労働省 広報室】 「労働基準法等の一部を改正する法律案」などについて回答 »
「掲載号予告」カテゴリの記事
- 『労働基準広報』2019年1月1日・11日は、労働基準局長インタビュー、入管法改正、退職代行業者への対応など全88ページの 新年特別合併号です!(2018.12.27)
- 特集は「改正労働基準法(時間外上限規制・年休)の省令等」 『労働基準広報』№1971 2018/9/21号(2018.09.13)
- ご愛読誠にありがとうございます。 小誌編集部のブログが40万PV達成(2017.05.25)
- 労働基準広報2017年3月1日号のポイント~特集/「同一労働同一賃金ガイドライン案」の内容②(2017.02.08)
- ●特集/有期労働者の円滑な無期転換のために●弁護士&元監督官がズバリ解決!~労働問題の「今」~ 第28回 過労死白書①~労働基準広報2016年12月1日号のポイント~(2016.11.14)
「労働行政ニュース」カテゴリの記事
- 厚労省・第1回「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」を開催 IT化等による新しい事業モデル・サービスに対応した制度の在り方などを検討【令和3年1月6日】(2021.01.07)
- 『労働基準広報』2020年12月1日号の特集は「政府のテレワーク関係『令和3年度予算概算要求』」(2020.11.25)
- 令和元年12月13日「第136回 労働政策審議会 職業安定分科会雇用保険部会」開催される(厚生労働省) 自己都合離職者の給付制限期間の短縮、マルチジョブホルダーへの適用など多岐にわたる改正項目が示される (2019.12.13)
- 令和元年10月29日(火)「第133回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会(ペーパーレス)」開催される(厚生労働省) (2019.11.11)
- 令和元年10月28日(月)「第21回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会(ペーパーレス)」開催される(厚生労働省)(2019.11.05)
「労働基準法」カテゴリの記事
- 【2019年 年頭所感】 安全衛生部長 椎葉茂樹(2019.01.08)
- 『労働基準広報』2019年1月1日・11日は、労働基準局長インタビュー、入管法改正、退職代行業者への対応など全88ページの 新年特別合併号です!(2018.12.27)
- 特集は「改正労働基準法(時間外上限規制・年休)の省令等」 『労働基準広報』№1971 2018/9/21号(2018.09.13)
- 厚生労働省「第1回 柔軟な働き方に関する検討会」を開催(平成29年10月3日)今年度中にガイドラインを策定予定(2017.10.04)
- 厚生労働省が「第2回同一労働同一賃金部会」と「第134回労働条件分科会」を同日開催 「働き方改革実行計画」が共通テーマ(2017.05.15)
「労働契約法」カテゴリの記事
- 厚生労働省が「第2回同一労働同一賃金部会」と「第134回労働条件分科会」を同日開催 「働き方改革実行計画」が共通テーマ(2017.05.15)
- 「転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)」策定に向けた研究会が最終回を迎える【平成29年2月22日】(2017.02.23)
- 【全求協】会員65社の求⼈メディアが『固定残業』や『職場情報』の提供促進を実施【今年12⽉1⽇以降に明記がない場合は掲載拒否も】(2016.06.16)
- 「雇用仲介事業等の在り方に関する検討会報告書」を公表(厚生労働省 平成28年6月6日付)(2016.06.06)
- 政府・「ニッポン一億総活躍プラン」の国民会議案を決定!~労働基準法の時間外労働規制の在り方について再検討を開始~(2016.05.19)
「働き方」カテゴリの記事
- 厚労省・第1回「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」を開催 IT化等による新しい事業モデル・サービスに対応した制度の在り方などを検討【令和3年1月6日】(2021.01.07)
- 『労働基準広報』2020年12月1日号の特集は「政府のテレワーク関係『令和3年度予算概算要求』」(2020.11.25)
- 令和元年12月13日「第136回 労働政策審議会 職業安定分科会雇用保険部会」開催される(厚生労働省) 自己都合離職者の給付制限期間の短縮、マルチジョブホルダーへの適用など多岐にわたる改正項目が示される (2019.12.13)
- 2019年11月28日(木曜日)大原記念労働科学研究所が2019年 第7回 労働科学研究所セミナー「誰もが生き生きと働ける社会を創る」(講演者・村木厚子氏)を開催(2019.12.06)
- 2019年11月22日(金曜日)令和元年の「いい夫婦の日」に中央大学戦略経営研究科「ワーク・ライフ・バランス&多様性推進・研究プロジェクト」が「第11回成果報告会」を開催 ~テーマは「多様な人材が活躍できる企業経営を目指して」(2019.12.06)
「高齢者雇用」カテゴリの記事
- 厚労省・第1回「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」を開催 IT化等による新しい事業モデル・サービスに対応した制度の在り方などを検討【令和3年1月6日】(2021.01.07)
- 【2019年 年頭所感】 厚生労働省職業安定局長 土屋喜久 (2019.01.09)
- 「平成29年度高年齢者雇用開発コンテスト」表彰式(平成29年10月4日)(2017.10.04)
- 厚生労働省・広報誌「厚生労働」10月号を発行!(2016.10.03)
- 厚生労働省・「65歳超雇用推進助成金」創設へ~66歳以上の継続雇用制度の導入措置を実施した場合に一定額を助成~(2016.08.31)
「Q&A」カテゴリの記事
- 【FM78.1MHz・ラジオカロスサッポロ】7月20日(木曜日)夜10時から小誌好評連載中の井澤慎次氏、淺野高宏氏が所属するユナイテッド・コモンズ法律事務所のラジオ番組がスタート(2017.06.23)
- 【本日発行!オススメ新刊書籍】「迷ったら使う!マイナンバー実践ガイドQ&A」~図解・ガイドライン等からみる運用上の留意点~【弁護士・弁理士 野中武 著/労働調査会 発行】「あると心強い一冊」です(A5判 全304ページ 定価2500円+税)(2016.02.15)
- 「新実務シリーズ/人事異動の法律ルールと実務Q&A・第11回・企業間人事異動(出向、転籍)②」「裁判例から学ぶ予防法務〈第16回〉南淡漁業共同組合事件(大阪高裁 平成24年4月18日判決)」~労働基準広報2016年1月21日号の内容~(2016.01.13)
- ●新春対談/どうなる今年の労働基準行政(山越敬一労働基準局長&労働評論家・飯田康夫氏)、 ●新春訪問/「働き方改革」に取り組むイキイキ職場~労働基準広報2016年1月1・11日号のポイント~ (2015.12.25)
- 「特集/若者雇用促進法等の詳解・10月1日から若者雇用の新認定制度創設 認定受ければ助成金増額等のメリットが」「労働判例解説/コンチネンタル・オートモーティブ事件・「勤務可能」の診断書は労働者の強い意向により書かれたものと認定」~労働基準広報2015年11月11日号の内容~(2015.11.05)
「ワーク・ライフ・バランス」カテゴリの記事
- 2019年11月28日(木曜日)大原記念労働科学研究所が2019年 第7回 労働科学研究所セミナー「誰もが生き生きと働ける社会を創る」(講演者・村木厚子氏)を開催(2019.12.06)
- 2019年11月22日(金曜日)令和元年の「いい夫婦の日」に中央大学戦略経営研究科「ワーク・ライフ・バランス&多様性推進・研究プロジェクト」が「第11回成果報告会」を開催 ~テーマは「多様な人材が活躍できる企業経営を目指して」(2019.12.06)
- 令和元年10月28日(月)「第21回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会(ペーパーレス)」開催される(厚生労働省)(2019.11.05)
- 【2019年 年頭所感】 厚生労働省雇用環境・均等局長 小林洋司(2019.01.09)
- 【2019年 年頭所感】 厚生労働省労働基準局長 坂口卓(2019.01.07)
「紛争・訴訟・裁判」カテゴリの記事
- 令和元年10月16日(水)「第15回 過労死等防止対策推進協議会」開催される(厚生労働省)(2019.10.17)
- ●本社調査 職場における受動喫煙防止対策の実態 /●特別企画 2016年 労働災害の企業内補償の水準~労働基準広報2016年2月11日号のポイント~(2016.02.12)
- 「第1回 組織の変動に伴う労働関係に関する対応方策検討会」開催される! 投資ファンドやホールディングス会社などの使用者性の問題、集団的労使関係の問題についての意見も(2016.01.25)
- 「新実務シリーズ/人事異動の法律ルールと実務Q&A・第11回・企業間人事異動(出向、転籍)②」「裁判例から学ぶ予防法務〈第16回〉南淡漁業共同組合事件(大阪高裁 平成24年4月18日判決)」~労働基準広報2016年1月21日号の内容~(2016.01.13)
- 「特集/若者雇用促進法等の詳解・10月1日から若者雇用の新認定制度創設 認定受ければ助成金増額等のメリットが」「労働判例解説/コンチネンタル・オートモーティブ事件・「勤務可能」の診断書は労働者の強い意向により書かれたものと認定」~労働基準広報2015年11月11日号の内容~(2015.11.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント