「新企画・新実務シリーズ/人事異動の法律ルールと実務Q&A」「裁判例から学ぶ予防法務〈第5回〉トライコー事件(東京地裁 平成26年1月30日判決)」~労働基準広報2015年1月21日号の内容~
労働調査会発行 労働基準広報2015年1月21日号のコンテンツです
●新実務シリーズ/人事異動の法律ルールと実務Q&A
第1回・人事異動の共通知識①~人事異動の種類・実施手順~
人事異動の有効・無効等の判断基準はその多くが裁判例にゆだねられている
(労務コンサルタント・布施直春)
使用者の人事異動命令の有効・無効等の判断基準は、制定法としては、育児・介護休業法第26条(労働者の配置に関する配慮)、男女雇用機会均等法第6条(性別を理由とする差別の禁止)などわずかな規定があるのみで、そのほとんどが裁判例にゆだねられている。そのため、労使(使用者と従業員・労働組合)が人事異動の法的ルールを正確に理解し実務に生かすことがむずかしくなっている。
本シリーズでは、使用者が適法・有効に人事異動を行い、労働者が人事異動命令に従うための判断基準とその理由について、Q&A形式でわかりやすく解説する。第1回は「人事異動の共通知識①」として、人事異動の種類や実施手順について解説してもらった。
●裁判例から学ぶ予防法務〈第5回〉
トライコー事件(東京地裁 平成26年1月30日判決)
まずは合意退職を念頭に退職勧奨を 解雇するなら経済的損害を明確に
(弁護士 井澤慎次)
今回は、一定の能力等を期待して雇用した元従業員に対する適格性欠如等を理由とする解雇の有効性などが争われた「トライコー事件」(東京地裁 平成26 年1月30 日判決)を取り上げる。能力不足等を理由とする解雇の場合は、従業員のミス等により具体的にどのような経済的損害を被ったのかを示せるようにしておきたい。従業員に多少の能力不足等があっても、会社が損害を被ったことを証明できなければ、その能力不足等は解雇事由に当たらないと判断されてもやむを得ないだろう。
●解釈例規物語・第65回 第32条関係
業務遂行に伴う移動時間
(中川恒彦)
一般的にいって、業務の必要上、業務時間中に移動する時間は、使用者の指揮命令に基づき行動する時間であるから、労働時間として取り扱うことが原則といえよう。 しかし、自宅と取引先との直行・直帰の時間は、通勤時間と同様ではないかと考えることもできる。建設業等における会社事務所や寮等から現場までのマイクロバスによる往復時間は、通勤時間と同じであって労働時間ではないと考えるべきか、会社手配のマイクロバスに乗った時点から会社の支配下に入ったものとして労働時間として扱うべきか、迷うところである。このような業務遂行に伴う移動時間について行政の考え方が示されているのは、冒頭に掲げた「通達」ぐらいであり、この通達から、上記①のケースについては、労働時間に該当するということがいえそうであるが、②、③のケースについてはどう考えるべきか判然としない。そこで、本稿では、上記通達のほか、裁判例等も参照しながら、移動時間の労働時間該当の有無について考えることとする。
●レポート/第22回 職業リハビリテーション研究・実践発表会
障害者が80種類以上の業務に従事し
企業の生産性向上に寄与する事例発表が
(編集部)
平成26年12月1日(月)、2日(火)の2日間にわたり「第22回 職業リハビリテーション研究・実践発表会」が開催された。同発表会では、「平成25年度 障害者雇用職場改善好事例最優秀賞」の受賞企業である株式会社リゾートトラストの障害者雇用担当者による特別講演や有識者によるパネルディスカッションが行われた。また、分科会の口頭発表やポスター発表も行われ、参加者と発表者の活発な意見交換が行われた。
●厚生労働行政の抱負
厚生労働省職業安定局長 生田正之
厚生労働省職業能力開発局長 宮川晃
厚生労働省雇用均等・児童家庭局長 安藤よし子
●NEWS
(27年度から労災保険率・労務費率を改定)一般54業種中23業種で保険率引下げに/
(25年度・石綿被害の補償状況)労災認定は前年度とほぼ同水準の1084 件/
(26年11月・労働経済動向調査結果)正社員等の雇用は23年8月から14期連続不足状態/
(求職者支援訓練の就職状況)コース別の就職率は「基礎」83.4%、「実践」84.2%に/ほか
●連載 労働スクランブル第204回(労働評論家・飯田康夫)
●わたしの監督雑感 山形・庄内労働基準監督署次長 石山裕之
●今月の資料室
●労務相談室
賃金関係
〔賞与の金額をゲームで決定〕賃金と扱われるか
弁護士・山口毅
社会保険
〔妻が就職し被扶養配偶者でなくなる〕どのような手続き必要か
特定社労士・大槻智之
安全衛生
〔二次健康診断受診率が低い〕費用負担し義務化したい
弁護士・鈴木一嗣
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