厚生労働省 宮川晃職業能力開発局長 平成27年 年頭所感
謹んで新春の御挨拶を申し上げます。
平成27年の年頭に当たり、日頃からの職業能力開発行政への多大なる御理解と御協力に御礼を申し上げますとともに、所信の一端を述べさせていただきます。
昨年6月に閣議決定された日本再興戦略改訂2014において、人材は我が国に残された最大の宝とされており、地方創生の観点からも地域の人材ニーズに応じた職業能力開発施策の推進について国民の皆様からの期待はますます高まっているところです。
我が国を持続的な成長軌道に乗せるために、若者をはじめとした人材力の強化が不可欠であり、職業能力開発の在り方について職業訓練や職業能力評価制度等の労働市場インフラの整備が必要となっている現状を踏まえ、昨年より労働政策審議会職業能力開発分科会等で検討を行ってまいりました。
本年においては、こうした検討等も踏まえ、以下のような職業能力開発施策の積極的な展開を図るとともに、必要な法的整備等を進めてまいります。
まず、地域、産業等のニーズに応じた多様な訓練機会を提供するため、都道府県や民間教育訓練機関と連携して、効果的に公共職業訓練、求職者支援訓練を実施してまいります。また、地域のニーズに応じた人材育成プログラムの開発を行う都道府県の取組を新たに支援するとともに、地域全体の人づくりの視点で効果的に訓練を設定できるよう取組を進めていきます。民間教育訓練機関の質の保証及び向上については、引き続き職業訓練サービスガイドライン研修を実施してまいります。
人手不足分野における人材育成については、公共職業訓練を拡充するとともに、認定職業訓練制度等の充実や業界団体等と連携した人材育成を推進してまいります。また、人材育成に取り組む事業主等を支援するため、キャリア形成促進助成金について、若者への技能継承を行うための訓練への支援の拡充や、ものづくり分野において事業主が地域の事業主団体等と連携して行う訓練に対する新たな支援等を行ってまいります。
非正規雇用労働者に対しては、就業経験等に応じた職業訓練を実施するとともに、企業内の人材育成を支援するキャリアアップ助成金について、有期実習型訓練に対する助成額の引上げや、育児休業中の職業能力開発に対する新たな支援等を行ってまいります。
職業能力評価制度については、技能検定のものづくり人材養成等の観点からの継続的・安定的運用を図りつつ、産業活動の変化・高度化等に即応した職種・作業等の見直し等を図ってまいります。加えて、業界共通の「ものさし」としての新たな職業能力評価制度を構築するため、対人サービス分野等を対象とした実践的な「業界検定」のモデル事例の創出に着手しており、引き続き計画的な整備・拡大を図ってまいります。
また、技能競技大会や「ものづくりマイスター制度」の活用を通じ、若者へのものづくり技能の魅力発信等を一層強化していきます。
個人主導のキャリア形成支援については、職務経歴や訓練の評価等を取りまとめたジョブ・カード制度の更なる活用促進を図るため、生涯を通じたキャリア形成支援や職業能力を「見える化」するツールとなるよう、見直しを行ってまいります。また、キャリア・コンサルティングを推進するため、キャリア・コンサルタントの養成や質の向上を推進していきます。
ニート等の若者への支援については、「地域若者サポートステーション」において、地方自治体と協働し、職業的自立に向けての専門的な相談支援等を実施してまいります。また、ハローワークとの連携や職場体験の充実等、就労に向けた支援を強化してまいります。
さらに、職業能力開発分野における国際協力として、開発途上国等への技術移転を目的とする技能実習制度について、関係省庁と連携し、管理監督体制の抜本的強化や、対象職種の拡大等に関する制度の見直しを適切に行ってまいります。また、ASEAN諸国を中心に日本の技能検定制度を普及させる取組等を実施してまいります。
これらの取組を含め職業能力開発行政に対する皆様の御理解と御協力をお願い申し上げるとともに、皆様の本年の御多幸を祈念いたしまして、私の新年の挨拶といたします。
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