今別府敏雄厚生労働省政策統括官(社会保障担当)平成27年 年頭所感
年頭所感
新年を迎えるにあたり、謹んでお慶びを申し上げますとともに、日頃からの多大なる御理解と御協力に厚く御礼申し上げます。
急速に少子高齢化が進展し、社会保障給付費が増大する中において、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度を確立することが喫緊の課題となっています。これに対応するため、社会保障制度改革プログラム法により、社会保障制度改革の全体像と進め方をお示ししているところですが、本法に基づき、昨年の通常国会に、医療介護総合確保推進法案や難病法案などの関連法案を提出し、成立いたしました。
このような中、昨年十一月に、安倍総理より、消費税率の十パーセントへの引上げを十八か月延期する旨の表明がありました。これを踏まえ、来年度の社会保障の充実の内容について、真摯に検討を行ってまいります。また、今年の通常国会には医療保険制度改革関連法案の提出を目指すこととしており、本年四月には子ども・子育て支援新制度の施行が予定されているなど、引き続き社会保障制度改革を着実に進めてまいります。
昨年七月からは、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を展望し、中長期的な改革の総合的な検討を行うため、社会保障制度改革推進会議による議論が始まりました。社会保障制度改革の実施状況を確認しつつ、委員である有識者の他、各分野の専門委員にも加わっていただきながら、さらに議論を深めていくこととなりますが、厚生労働省としても積極的に協力してまいります。
この社会保障制度改革を進めるに当たっては、国民の皆様の御理解と御協力を得ながら行う必要があります。特に、次世代の主役となるべき児童・生徒の方々に社会保障の仕組みや意義を理解していただくため、社会保障の教育を実施することは重要であると考えています。継続的、全国的に教育が推進される環境作りに役立てるため、「社会保障の教育推進に関する検討会」において検討を行ってまいりましたが、昨年七月に報告書がとりまとめられました。これを踏まえ、社会保障の教育内容がより充実したものになるよう、関係者への働きかけを行ってまいります
さらに、社会保障・税番号制度について、本年十月から国民に個人番号が通知されるとともに、平成二十八年一月からは、個人番号の利用が順次始まります。国民への周知広報を行うとともに、円滑な施行に向けて、地方公共団体や保険者等と協力してシステムの開発・改修等の準備を進めてまいります。
一方、近年、我が国は、死亡数が出生数を上回る人口減少社会を迎えており、今後も人口減少が続くことは避けられない状況にある中で、その克服が政府全体で取り組むべき重要課題となっています。特に、昨年は、まち・ひと・しごと創生本部において精力的に議論が行われ、昨年末には、日本の人口の現状と目指すべき将来の方向を示した「長期ビジョン」と今後五か年で取り組むべき施策が盛り込まれた「総合戦略」がとりまとめられました。今後、これらに基づき、人口減少の克服に向けた政府の取組みが本格的に始まりますが、このような状況も踏まえ、厚生労働省としても、今年の厚生労働白書のテーマとして「人口減少社会」を取り上げることとしています。
国民の皆様の安心を支える社会保障制度がより良いものとなるよう、本年も全力で取り組みます。最後になりましたが、皆様の御健勝と御多幸を心より祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。
平成二十七年元旦
政策統括官(社会保障担当) 今別府 敏雄
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