厚生労働省 広畑義久雇用開発部長 平成27年 年頭所感
あけましておめでとうございます。本年が皆様方にとりましてすばらしい年となることを心からお祈り申し上げます。
はじめに、昨年4月1日に雇用開発部が発足いたしました。これは、日本再興戦略に掲げられた「全員参加の社会」や「失業なき労働移動」を実現するために、事業主支援・指導を通じた良質な雇用の場の確保を強力に推進することが必要であるとの考えから、事業主に対する雇用管理改善指導や雇用関係助成金等の業務を所掌している「職業安定局雇用開発課」と高齢者や障害者の雇用の場の確保のための事業主支援・指導業務等を所掌している「高齢・障害者雇用対策部」を統合・改組し、「雇用開発部」を設置することとしたものであります。
雇用開発部では、次に述べる施策を柱として、本年も、様々な雇用対策を進めてまいりたいと考えております。
一 政府一丸となって取り組んでいる地方創生については、国民が安心して働き将来に夢や希望を持つことができる魅力あふれる地方を創生するため、地方に仕事をつくり安心して働けるようにすることや、地方への新しい人の流れをつくることが重要です。このため、これまでの雇用情勢の悪い地域に対する雇用対策に加え、地方創生の観点から、地域の創意工夫を活かして行う雇用創出や人材育成などの取組にしっかりと寄り添い、支援してまいります。また、地方自治体や他省庁の施策と連携し、大都市から地域に必要な人材の呼び戻しを推進してまいります。
二 全国的な雇用情勢の改善が見られる中、介護、看護、保育、建設等の分野において人材不足が課題となっています。これらに対応するため、昨年2月より、厚生労働副大臣をヘッドとする「人材不足分野等における人材確保・育成対策推進会議」を設置して分野横断的な見地から議論し、昨年8月に対策を取りまとめたところです。今後は、雇用管理改善につながる制度を導入し、適切に実施する事業主を支援する、中小企業労働環境向上助成金を拡充するほか、分野ごとの特性を踏まえ、各種の雇用管理制度の有効性やノウハウ等の把握、事業主に対する雇用管理制度の導入支援等を行う雇用管理改善推進事業を実施してまいります。また、全国のハローワークにおいて、求人担当と雇用指導担当の連携により、介護・建設等の事業主に対して「魅力ある職場づくり」に向けた働きかけと正社員転換に向け桁働きかけを進める啓発運動(キャンペーン)を実施し、人材不足の解消を図ってまいります。
特に、建設分野については、昨年9月に厚生労働大臣の指示のもと、厚生労働省内に「被災地の建設等人材確保に係るプロジェクトチーム」を立ち上げ、被災地の復興の妨げにならないよう建設分野の人材不足への対応に向けた具体的なビジョンを、1月中に取りまとめることとしています。
三 高齢者については、昨年6月に閣議決定された「日本再興戦略改訂版」において、高齢者の活躍を一層促していくことが必要とされたところです。このような中で、誰もが生涯現役で活躍できる社会を構築するため、65歳を過ぎても働ける企業の普及促進に向け、事業主に対する支援の充実や、ハローワークにおけるきめ細かな再就職支援の実施、シルバー人材センターの活用等を通じた地域における活躍の場の拡大に取り組んでまいります。
また、障害者については、障害の有無にかかわらず、全ての人々が生きがいを感じ、チャンスを与えられる社会を実現していくことが重要です。このため、障害者の差別禁止や合理的配慮を内容とする、改正障害者雇用促進法の円滑な施行に取り組むとともに、ハローワークにおける精神障害者、発達障害者や難病患者に対するそれぞれの特性に応じた就職支援体制の充実、障害者就業・生活支援センターの機能強化等による障害者の職場定着支援の強化など、障害者雇用施策の充実を図ってまいります。
四 最後に、失業なき労働移動の実現のため、労働移動支援助成金の拡充や産業雇用安定センターの機能強化により、離職を余儀なくされた労働者の早期再就職の促進に取り組んでまいります。
雇用開発部においては、これらの施策を通じて、働く方々が、社会の支え手の一人として自信と誇りを持っていきいきと働けるよう、本年も全力で取り組んでまいりますので、皆様方におかれましても、一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
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