平成26年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表〈重点監督実施事業場の約半数 2,304事業場で違法残業摘発〉
厚生労働省は、1月27日、昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果について取りまとめて、1月27日、公表しました。
同省の発表によると、
今回の重点監督は、長時間労働削減推進本部(本部長:塩崎恭久厚生労働大臣)の指示の下、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施したもの。その結果、約半数にあたる2,304事業場で違法な時間外労働などの労働基準関係法令違反を確認したため、それらの事業場に対して、是正・改善に向けた指導を行ったとのことです。
同省では、今後も、是正をしていない事業場に対する確認を行い、応じない場合は送検も視野に入れて対応するなど、引き続き監督指導を行っていくとのことです。
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【重点監督の結果のポイント】
1.重点監督の実施事業場: 4,561 事業場
このうち、3,811事業場(全体の83.6%)で労働基準関係法令違反あり。
2.主な違反内容
[1のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]
(1) 違法な時間外労働があったもの: 2,304 事業場( 50.5 % )
うち、時間外労働※1の実績が最も長い労働者の時間数が
月100時間を超えるもの :
715事業場(31.0%)
うち月150時間を超えるもの:
153事業場( 6.6%)
うち月200時間を超えるもの: 35事業場( 1.5%)
(2) 賃金不払残業があったもの: 955 事業場( 20.9 % )
(3) 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの: 72 事業場( 1.6 % )
3.主な健康障害防止に係る指導の状況
[1のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]
(1) 過重労働による健康障害防止措置が 不十分なため改善を指導したもの:
2,535 事業場( 55.6 % )
うち、時間外労働を月80時間※2以内に削減するよう指導したもの:1,362事業場(53.7%)
(2) 労働時間の把握方法が不適正なため 指導したもの:
1,035 事業場( 22.7 % )
※1 法定労働時間を超える労働のほか、法定休日における労働も含む。
※2 脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため。
[参考]
平成25年9月に実施した「過重労働重点監督」では、監督指導を実施した5,111事業場のうち、4,189事業場(全体の82.0%)で労働基準関係法令違反が認められた。
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