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2014年10月15日 (水)

「特集/厚生労働省・平成27年度予算概算要~27年度の主要事項及び法改正の方向性~」「解釈例規物語/減給の制裁の限度、減給の制裁規定の規制対象となる処分 ─その1─」~労働基準広報2014年10月21日号の内容~

労働調査会発行 労働基準広報2014年10月21日号のコンテンツです

●特集/厚生労働省・平成27年度予算概算要求
~27年度の主要事項及び法改正の方向性~
女性の活躍推進のための取組に246億円を計上 
(編集部)
 厚生労働省平成27年度予算概算要求の主要事項に掲げられた内容から、27年度の雇用分野における主要施策及び法改正の方向性についてみてみる。
 概算要求では、女性の活躍推進として246億円(26年度180億円)を計上している。具体的には、「202030」(指導的地位に占める女性の割合を2020 年までに30%とする)の達成に向け、地域における企業現場の取組を強力に支援・推進する枠組みを構築するとしている。女性の活躍推進については、安倍政権が新法の法案を今臨時国会に提出する方針を掲げている。
 時間ではなく成果で評価する制度への改革など労働時間法制の見直しについては、日本再興戦略等において、来年の次期通常国会に改正法案を提出する方針が示されている。概算要求でも、労働政策審議会で検討し、結論を得た上で所要の法的措置を講ずるとされている。
 
●解釈例規物語/第62回・第91条関係
減給の制裁の限度、減給の制裁規定の規制対象となる処分 ─その1─
減給の制裁の額は
・ 1回の事案につき平均賃金の半額を超えてはならない
・ 総額が1賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えてはならない
(中川恒彦)
 複数回の制裁対象行為に対して減給を行う場合、その減給の合計額は「1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」。仮にその月の賃金総額が30万円であるとすれば、減裁の総額は3万円を超えてはならないということである。平均賃金が1万円で、1回の制裁対象行為に対して5000円の減給を行うとすれば、6回で3万円になり、これを超える減給はできないということである。
 したがって、上記例のように、減給の制裁の対象となる行為が7回あったとした場合、7回目の違反行為についての減給は、その月の賃金からはできないということになる。ただ、この総額の限度を超える減給分については、その月の賃金からは減給ができないということであって、翌月の賃金からの減給であれば、その額が翌月の賃金の総額の10分の1の範囲内である限り、可能である。
 
●転ばぬ先の労働法〈紛争予防の誌上ゼミ〉
第17講 自宅待機命令と非違行為調査の方法
自宅待機命令は長くても2か月程度 事情聴取の言動のパワハラ化に注意
(北海学園大学法学部准教授・弁護士 淺野高宏)
 非違行為の調査にあたり、自宅待機命令を出すことがあるが、あまりに長期間にわたる自宅待機命令は労働者のキャリア形成を不当に阻害するものとして違法ないし業務命令権の濫用といわれる場合がある。基本的には1か月、長くとも2か月程度を目安とすべきだろう。また、就業規則等により事前に調査の根拠と調査範囲、調査方法を明示し、調査についての予測可能性を高め、適正な方法により調査を実施すること、懲戒処分の対象事実が固まった場合に改めて本人に対して弁明の機会を付与すること――などが強く求められる。
 
●労働局ジャーナル/東京労働局管内・品川労働基準監督署
再開発で事業場数増のビルメン・警備業に対する労務安全衛生管理の講習会を開催
(編集部)
 品川労働基準監督署(古屋希子署長)は9月10日、事業場増により災害が増加傾向にある同署管内のビルメン・警備業の事業場を対象に、「ビルメンテナンス業・警備業に係る労務安全衛生管理講習会」を開催した。同署管内では、全国的に死亡・死傷・重大災害の発生件数が4年ぶりにいずれも前年を下回った平成25年において、ビルメン・警備業を含む清掃・と畜業の災害は前年比で約2割増加している。
 
●知っておくべき職場のルール/第40回 「懲戒処分の基本原則」
根拠となる規定設けていなければ違反あっても懲戒処分できない
(編集部)
 多くの企業では、減給や懲戒解雇などといった懲戒処分を就業規則に定め制度化している。この懲戒処分を行うに当たっては、刑法などの一般原則を適用して、①罪刑法定主義の原則、②一事不再理の原則、③処分不遡及の原則、④処分平等の原則、⑤処分相当性の原則、⑥適正手続きの原則──という要件を満たす必要があると考えられている。なお、懲戒解雇であれば予告手当の支払なく即時に解雇が認められるわけではなく、労働基準監督署長の解雇予告除外認定を受けることが必要となる。
 
●ひと・はなし/塩崎恭久 厚生労働大臣に聞く
厚生労働行政の責任は重かつ大 高齢者・女性・若者の活躍促進を
 
●NEWS
(改正安衛法第1次~第3次施行分の施行日決まる)ストレスチェック実施は27年12月1日施行
/(26年版労働経済白書まとまる)勤労意欲が高い企業では広範な雇用管理に取組む
/(厚労省・来春新卒者の求人等状況)高卒の求人数は前年同期比38.4%増の約24万人
/ほか
 
●連載 労働スクランブル第196回(労働評論家・飯田康夫)
●労務資料 平成25年度雇用均等基本調査結果③ ~事業所調査~
●わたしの監督雑感北海道・旭川労働基準監督署長 新田稔
●今月の資料室
 
●労務相談室
募集・採用
(正社員採用の1年目を有期契約にしたい)運用上の注意点は 
弁護士・岡村光男(安西法律事務所)
募集・採用
(大学生などに限定したアルバイトの募集)問題ないか
弁護士・新弘江(あだん法律事務所)
懲戒
(懲戒処分としての出勤停止)どの程度の期間無給にできるか 
弁護士・鈴木一嗣(鈴木一嗣法律事務所)
 
 

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