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2014年10月22日 (水)

マイカー通勤手当の非課税限度額引き上げへの対応~10月20日施行の改正政令の経過措置への対応~

 国税庁のHPに「通勤手当の非課税限度額の引上げについて」が掲載
 
 所得税法施行令の一部を改正する政令(政令第338号)が10月17日に公布され10月20日から、マイカー通勤者(自動車通勤者)等の通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。
 
  また、新たに通勤距離が「片道55キロメートル以上」の区分も新設されました。
 
 
<改正後の非課税限度額>
片道の通勤距離           1か月当たりの限度額
 
2キロメートル未満                                (全額課税)   
2キロメートル以上10キロメートル未満       4,200円
10キロメートル以上15キロメートル未満       7,100円
15キロメートル以上25キロメートル未満     12,900円
25キロメートル以上35キロメートル未満     18,700円
35キロメートル以上45キロメートル未満     24,400円
45キロメートル以上55キロメートル未満     28,000円           
55キロメートル以上                  31,600円
  
 
<改正前の非課税限度額>
 
片道の通勤距離                              1か月当たりの限度額
 
2キロメートル未満                               (全額課税)   
2キロメートル以上10キロメートル未満         4,100円
10キロメートル以上15キロメートル未満        6,500円
15キロメートル以上25キロメートル未満      11,300円
25キロメートル以上35キロメートル未満      16,100円
35キロメートル以上45キロメートル未満      20,900円
45キロメートル以上                           24,500円
 
このほど、国税庁のホームページに「通勤手当の非課税限度額の引上げについて」が掲載されました。
 ホームページでは、すでに源泉徴収が行われた通勤手当について、改正後の規定を適用した場合に過納となる税額の精算方法等、本改正の経過措置への対応方法や、年末調整で精算する際の源泉徴収簿の記載例も掲載されています。

ここでは、その内容を紹介します。
 
改正後の非課税規定の適用
 
 改正後の所得税法施行令第20条の2の規定(以下「非課税規定」といいます。)は、平成26年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について適用されます。
なお、次に掲げる通勤手当については、改正後の非課税規定は適用されません。
⑴ 平成26年3月31日以前に支払われた通勤手当
⑵ 平成26年3月31日以前に支払われるべき通勤手当で4月1日以後に支払われるもの
⑶ ⑴又は⑵の通勤手当の差額として追加支給されるもの
 
課税済みの通勤手当についての精算
 
⑴ 既に支払われた通勤手当については、改正前の非課税規定を適用したところで所得税及び復興特別所得税の源泉徴収が行われていますが、改正後の非課税規定を適用した場合に過納となる税額は、本年の年末調整の際に精算することになります。
(注)1 既に支払われた通勤手当が改正前の非課税限度額以下である人については、この精算の手続は不要です。
2 年の中途に退職した人など本年の年末調整の際に精算する機会のない人については、確定申告により精算することになります。
 
⑵ 年末調整の際における精算の具体的な手続は、次のように行います。
 
イ 既に改正前の非課税規定を適用したところで所得税及び復興特別所得税の源泉徴収をした(課税された)通勤手当のうち、改正後の非課税規定によって新たに非課税となった部分の金額を計算します。
 
ロ 「平成26年分給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿」(以下「源泉徴収簿」といいます。)の「年末調整」欄の余白に「非課税となる通勤手当」と表示して、イの計算根拠及び今回の改正により新たに非課税となった部分の金額を記入します。
 
ハ また、源泉徴収簿の「年末調整」欄の「給料・手当等①」欄には、「給料・手当等」欄の「総支給金額」の「計①」欄の金額からロの新たに非課税となった部分の金額を差し引いた後の金額を記入します。
 
ニ 以上により、改正後の非課税規定によって新たに非課税となった部分の金額が、本年の給与総額から一括して差し引かれ、その差引後の給与の総額を基にして年末調整を行います。
 
給与所得の源泉徴収票の記入
 
 給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄には、非課税とされる部分の通勤手当の金額を除いた金額を記入します。
 
(注) 年の中途に退職した人などに対し、既に給与所得の源泉徴収票を交付している場合には、「支払金額」欄を訂正するとともに、「摘要」欄に「再交付」と表示した給与所得の源泉徴収票を作成し、再度交付します。
 
 詳しくはこちら (国税庁ホームページ)から。
 

※参考 所得税法施行令の一部を改正する政令(政令第338号)
附則

(施行期日)
1この政令は、平成26年10月20日から施行する。

(経過措置)
2 改正後の所得税法施行令(次項において「新令」という。)第20条の2(非課税とされる通勤手当)の規定は、新通勤手当(平成26年4月1日以後に受けるべき通勤手当及びこれに類する手当をいい、同日前に受けるべきこれらの手当の差額として追給されるものを除く。同項において同じ。)について適用し、同日前に受けるべき改正前の所得税法施行令第20条の2(非課税とされる通勤手当)に規定する通勤手当(同日以後に受けるべき当該通勤手当で同日前に受けるべきものの差額として追給されるものを含む。)については、なお従前の例による。
 
3 新通勤手当でこの政令の施行の日前に受けたものに係る所得税法第四編第二章第一節(給与所得に係る源泉徴収義務及び徴収税額)の規定の適用については、新令第20条の2及び前項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
 
 『労働基準広報』では、本誌連載企画「企業税務講座」において、マイカー通勤者(自動車通勤者)等の通勤手当の非課税限度額の引き上げについて解説記事を掲載する予定です。

102214

  
 役員や使用人に通常の給与に加算して支給する通勤手当は、一定の限度額まで非課税となっています。
 マイカーなどで自動車通勤している人などの非課税となる1か月当たりの限度額は、片道の通勤距離(直線距離ではなく通勤経路に沿った長さです)に応じて、上記のように定められています。
 1か月当たりの非課税となる限度額を超えて通勤手当を支給する場合には、超える部分の金額が給与として課税されます。

 この超える部分の金額は、通勤手当を支給した月の給与の額に上乗せして源泉徴収を行います。

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