【新刊書籍】「労使で納得できる WG(ワーキング・グループ)式就業規則づくり」 【経営書院】
労使が『納得感』を得ながら
『私たちの就業規則』を作っていく
それが組織の生産性向上にも
特定社会保険労務士・望月建吾 著
発行/経営書院
本体価格/1,600円+税
就業規則の策定・改定をする際、経営者や人事労務担当者など使用者側のみで行う場合が多いのではないだろうか。
本書は、就業規則づくりを労使双方のキーパーソンがワーキング・グループ活動として行うこと(WG式就業規則づくり)で、労使が納得する就業規則づくりを伝授する指南書である。
使用者側のみで作成した就業規則は、使から労への一方的なコミュニケーションに過ぎず、従業員の規定遵守のモチベーションを高めることはできない。一方、労使で就業規則づくりを行えば、労使双方のコミュニケーションが生まれ規定遵守と生産性の向上につながる。
著者はWG式就業規則づくりをする場合、3STEPの進め方があると説く。
STEP1はWG参加者全員で会社独自の就業規則前文をまとめ上げること、STEP2は人事労務担当者が作成した「就業規則診断シート」を基に、現行の就業規則の課題をWG参加者全員で検討し会社の方向性を決定する、STEP3は人事労務担当者が作成した「新旧対照表」を基に、STEP2で決定した方向性を再検討して、新しい就業規則の条文案を作成することである。
WGで就業規則づくりをする際は、“完璧な結論”を出そうとするのではなく、「WG参加者が一応の納得感を得る」ことを目的にしなければいけない。完璧な結論を求めてしまうと時間だけがかかり、よい就業規則づくりにはつながらないからだ。限られた期間内でWG参加者が一応の納得感を得ることを目的にすれば、WG参加者は限られた期間内で最大限の能力を発揮し、よい就業規則づくりができると共に生産性向上にもつながる。
また、使用者側はWG式就業規則づくりを”課外活動“ではなく、きちんと「業務」として位置付け、正しく評価する必要がある。業務終了後や休日に行う課外活動として位置付けてしまうと、WG参加者の参加意識を高めることなどできないからだ。
著者は巻末で、「労使が『納得感』を得ながら『私たちの就業規則』を作っていくことで、労務コンプライアンスはもちろん、自律性を養うことで得られる成長を通じてヒトと組織の生産性アップのきっかけ・萌芽となりえる」と述べている。
就業規則の策定・改定を検討する際には、とてもオススメの一冊です!
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