「業務適正化推進チームとりまとめ」を公表【厚生労働省】
本日(7月10日)、厚生労働省は、「業務適正化推進チームとりまとめ」について公表した。
業務適正化推進チームは、国会関係業務を中心に、あってはならない重大な業務遂行上の誤りが続けて発生した件について、一連のミスが引き起こした問題の重大性を重く受け止め、組織として、再発防止に向けて危機感を持って対応するために設けられたもの。
なお、同チームは、本年5月から7月にかけて3回にわたり会議を開催し、誤りの要因分析や再発防止のために必要な取組等について、精力的な議論を行った結果、
・短期集中特別訓練事業の入札の不適切な対応については、決められた業務遂行手順が守られていなかったこと、確認する方法(誰が、どのように)が決められていなかったことが、
・短期集中特別訓練事業の入札の不適切な対応については、決められた業務遂行手順が守られていなかったこと、確認する方法(誰が、どのように)が決められていなかったことが、
・労働者派遣法改正案や省令の条文誤りについては、確認する方法(誰が、どのように)は決められていたが、機能しなかったことが、
・配布資料の誤りについては、確認する方法(誰が、どのように)が決められていなかったことが、
・政府参考人の遅刻については、組織内のコミュニケーション不足が、
それぞれの要因となったことが分かった――としている。
それぞれの要因となったことが分かった――としている。
なお、再発防止のための具体的な対応を以下の通り整理している。
(1)各部局の対応
① 課室単位で毎朝ミーティングを行うなどし、国会関係業務などについての業務の重要性や作業の段取り・スケジュールの共有を徹底する。また、定期的に、過去の誤り事案の経緯等を用いた意識啓発・注意喚起を行う。
② 国会提出物、公表物、国民生活に深く影響を及ぼすなどといった観点から、重要性が極めて高いものを選定し、大臣官房が作成する「内容確認チェックリスト」((2)③参照)と同様のチェックリストを作成するなど各部局で最終確認を行う者等を事前に決め、部局内で共有する。
また、事前に選定することが困難な重要事案や軽重の判断が難しいものについては、政策調整委員(各部局筆頭課の課長補佐)などに相談することを部局内で共有・励行する。
③ 各部局の総務課等から、内容が重要であるなど特に注意が必要な作業依頼を局内の関係課室に行う際には、メールのみで依頼を行うのではなく、関係課室の担当者を呼び、直接説明する。
④ 複数の部局にまたがる作業の取りまとめ部局の責任者は、自らの部局の所掌に関わる部分だけでなく、当該作業依頼に対する回答全般について、誤字・脱字の有無や文意の通らない構成となってないか等の確認を行い、その結果について責任を持つ。
⑤ 本省で初めて勤務する者等を対象に、大臣官房が作成した研修資料に基づき、国会関係業務やチェックの方法(※)等について研修を実施する。
(※)例えば、
・ 文書作成者は文書を紙に打ち出し、一行ずつ(又は一節ずつ)赤字でチェックマークを入れながら、誤字・脱字の有無や文意の通らない構成となっていないか等を、目視で確認すること。
・ 国会に提出する資料、官報掲載されるもの、地方自治体への通知など、万が一ミスがあった場合には正誤に係る手続きを踏まなければ修正ができないものについては、事前に必ず二人で声を出して読み合わせを行うこと。
⑥ 国会関係業務について、必要な報告・連絡・相談が確実に行われるよう、政策調整委員を中心に書記室、各課の連携が円滑に行われる体制を確立する。
⑦ 部局長・課室長等は、部局内・課室内で業務量に応じた適正な人員配置となっているか目配りを行い、業務量の変動などがあった場合には機動的な対応を行う。
⑧ 毎年原則7月を厚生労働省の「業務適正化推進月間」とし、各部局で業務処理誤り防止も含めた業務適正化に資する取組について議論を行う。
(2)大臣官房の対応
① 大臣官房総務課は、各部局で国会関係業務を担当する職員に対して国会関係業務研修(国会関係業務の重要性を理解するとともに、本省での具体的な作業の進め方を習得するための研修)を実施する。この研修は、国会開会前や人事異動の直後などに実施する。
② 大臣官房総務課は、一連の不適正な事務処理事案などこれまでに起こった誤り事案の経緯等について周知するなどにより、意識啓発・注意喚起を行う。
意識啓発・注意喚起はそのタイミングが重要であり、
・ 法律案の作成時期には、労働者派遣法改正案の条文誤りの経緯等について、
・ 内閣提出法案の国会審議が始まる直前には、医療介護総合確保推進法案の趣旨説明時の配布資料の誤りの経緯等について
情報提供し、業務の重要性を再認識させ、細心の注意を払って対応することを徹底する。
更に、衆議院(参議院)での審議が終わり、参議院(衆議院)に移ったタイミングは、両院で配布資料が異なるなど重大なミスが起こりやすいことから、再度注意喚起を行う。
③ 大臣官房総務課・会計課は、組織としてチェックを確実に行うため、以下の4つの要素を満たす「内容確認チェックリスト」を作成する。
・ 責任を持って最終確認を行う者が明示されていること
・ 確認事項(間違えが起こりやすい事項)が列挙されていること
・ 確認方法が明示されていること
・ 上記の確認が行われた旨を官房総務課等の第三者が確認すること
このリストを作成するのは、国会に提出するものであるなど、重要性が極めて高く、かつ、多くの部局が対応し、定型的(標準的)な確認事項を事前に設定することができる、法律案、提案理由説明・趣旨説明、質問主意書に対する答弁書、各目明細書、決算参照書、入札手続きなどの事案とする。
④ 大臣官房総務課等の作業の発注を行う組織は、内容が重要であるなど注意が必要な作業依頼を行う際には、メールのみで依頼を行うのではなく、関係部局の担当者を呼び、直接説明する。併せて、各部局においても、各部局の関係課室の職員を呼び、直接説明するよう指示する。
⑤ 大臣官房総務課等の作業の発注を行う組織は、作業が複数部局にまたがる場合には、必ず取りまとめ部局を明確にして作業依頼を行う。
⑥ 大臣官房総務課は、若手職員等を対象に国会や法令に関する業務について、研修を実施する。大臣官房は、その他の業務についても、職員の要望も踏まえながら必要な研修を実施する。
⑦ 大臣官房総務課は、担当者が業務の見通しを把握し、必要な手続きが抜けることを防ぐため、法律案や質問主意書に対する答弁書の作成といった様々な手続きが必要な業務について、必要な手続きが行われたかを確認するための「工程確認表」を作成する。
⑧ 大臣官房総務課・会計課は、省内で作成した様式の中に誤り防止等の観点から変更が望ましいものがないか確認し、必要な見直しを行う。
⑨ 大臣官房総務課・会計課は、内容確認チェックリストや工程確認表の改善点について定期的に職員に照会し、その意見等を踏まえた見直しを行う。
⑩ 大臣官房人事課は、各部局の業務の実態に常に配意し、人事管理・配置や業務分担に関する助言・指示を行うとともに、部局内・課室内で対応できない状況になっている場合には、迅速に必要な対応をとる。
⑪ 大臣官房人事課は、地方支分部局を含め業務量に応じた人員体制が確保できるよう、省全体の体制の在り方について検討するとともに、内閣人事局に対して必要な組織定員要求を行う。
(3)事務次官・部局長などの対応
① 若手職員などに対して、国会業務の重要性など日々の業務の意義や位置付け、自らのビジョンや社会に与える影響の大きさなどを直接伝える機会(昼食会など)を積極的に設ける。
② 役職にかかわらず、部下を持つ全ての職員(特に管理職)に対して、
・ 業務の中には、重要性は非常に高いが作業自体は単調なものもあることから、上司が部下に作業の趣旨や重要性を繰り返し伝えていくこと、
・ 作業の段取り・スケジュールを作成し、部下と共有すること、
・ 部下が相談しやすい雰囲気、体制を作ること、
が重要であることを再認識させるよう努める。
(4)厚生労働省組織活性化推進プロジェクトチーム(主査:厚生労働審議官)の対応
① 各部局におけるチェックリストの作成状況((1)②参照)について、毎年「業務適正化推進月間」に各部局へ報告を求め、好事例を省内に共有する。
② 厚生労働省組織活性化推進プロジェクトチームは、各部局で独自に実施している業務の効率化に資する取組について集約し、他部局にも共有する。(例えば、医政局の審議会委員任期の残期間についてのアラート表示システムなど、各部局・課室が行っている取組の中には、他の部局・課室でも取り入れられるものがあると考えられる。)
③ 厚生労働省組織活性化推進プロジェクトチームは、「業務適正化推進月間」に各部局で行った議論の内容について報告を求め、省内に共有する。
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