「改正障害者雇用促進法に基づく差別禁止・合理的配慮の提供の指針の在り方に関する研究会」の報告書を取りまとめました【厚生労働省】
厚生労働省はこのほど、「改正障害者雇用促進法に基づく差別禁止・合理的配慮※の提供の指針の在り方に関する研究会」(座長:山川 隆一 東京大学大学院法学政治学研究科教授)の報告書を取りまとめ公表した。
この研究会では、第183回国会において成立した「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律」に基づき、厚生労働大臣が定めることとされている、「差別の禁止に関する指針」と「均等な機会の確保等に関する指針(以下「 合理的配慮の提供に関する指針」 )」に盛り込むことが必要な事項に関して、平成25年9月から議論を重ねてきた。
厚生労働省は、今後、労働政策審議会 障害者雇用分科会で、この報告書を基に、指針策定に向けた議論を行うとしている。
※「合理的配慮」とは、募集・採用時における、障害者と障害者でない人との均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するための措置や、採用後における、均等な待遇の確保や障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するための措置のこと。
【報告書のポイント】
1.差別の禁止に関する指針
(1)基本的な考え方
○ 対象となる障害者の範囲は、障害者雇用促進法に規定する障害者
○ 対象となる事業主の範囲は、すべての事業主
○ 直接差別を禁止(車いす、補助犬その他の支援器具などの利用、介助者の付き添いなどの社会的不利を補う手段の利用などを理由とする不当な不利益取扱いを含む)
○ 事業主や同じ職場で働く者が障害特性に関する正しい知識の取得や理解を深めることが重要
(2)差別の禁止
○ 募集・採用、賃金、配置、昇進などの各項目に沿って禁止される差別を整理する
○ 各項目について、障害者であることを理由に、その対象から障害者を排除することや、その条件を障害者に対してのみ不利なものとすることが差別に該当する
○ 障害者を有利に取り扱うこと(積極的差別是正措置)や、合理的配慮を提供し、労働能力などを適正に評価した結果として異なる取扱いを行うことなどは、差別に当たらない
2.合理的配慮の提供に関する指針
(1)基本的な考え方
○ 障害者、事業主の範囲は「差別の禁止に関する指針」と同じ
○ 合理的配慮は障害者の個々の事情と事業主側との相互理解の中で提供されるべき性質のもの
(2)合理的配慮の手続
(2)合理的配慮の手続
1 募集・採用時:障害者から事業主に対し、支障となっている事情などを申し出る
採用後:事業主から障害者に対し、職場で支障となっている事情の有無を確認する
2 合理的配慮に関する措置について事業主と障害者で話合う
3 合理的配慮に関する措置を確定し、内容・理由を障害者に説明する
(3)合理的配慮の内容
○ 合理的配慮の内容に関する理解を促進する観点から、多くの事業主が対応できると考えられる措置を事例として「別表」の内容を指針に記載する
なお、「別表」はあくまでも例示であり、あらゆる事業主が必ずしも実施するものではない。また、記載されている事例以外であっても合理的配慮に該当するものがある
(別表の記載例)
【募集及び採用時】
・ 募集内容について、音声等で提供すること。(視覚障害)
・ 面接を筆談等により行うこと。(聴覚・言語障害) など
【採用後】
・ 机の高さを調節すること等作業を可能にする工夫を行うこと。(肢体不自由)
・ 本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと。(知的障害)
・ 出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること。(精神障害ほか) など
(4)過重な負担
(4)過重な負担
○ 改正法では、合理的配慮の提供について、事業主に対して「過重な負担」を及ぼすこととなる場合を除くとされている。過重な負担については、事業活動への影響の程度、実現困難度、費用・負担の程度、企業の規模、企業の財務状況、公的支援の有無を総合的に勘案しながら、事業主が当該措置の提供について個別に判断する
(5)相談体制の整備など
(5)相談体制の整備など
○ 障害者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備や、相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨を周知する など
3.その他
3.その他
○ 指針の策定に加え、行政によるさまざまな取組が重要
・事業主や労働者に対する障害の特性などに関するパンフレットの配布やセミナーの実施などの啓発活動
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