トラブル防止は「企業の賃金・退職金制度の変更のしかた①」、好評・解釈例規物語は〔事業場外労働における労働時間の算定方法〕 ~労働基準広報2014年5月21日号の内容~
労働調査会発行 労働基準広報2014年5月21日号のコンテンツです
●連載/トラブル防止の労働法実務
第21回・企業の賃金・退職金制度の変更のしかた①
基本給は年齢給と成果主義的な役割給を上手に組み合わせる
(労務コンサルタント・布施直春)
今回は、「企業の賃金・退職金制度の変更のしかた①」として、「現在の日本企業の賃金制度」や「基本給制度の変更のしかた」などについて解説してもらった。従来、日本企業の正社員の賃金制度は、年齢、勤続年数、職能により基本給を決定する年功序列型が一般的だったが、企業収益の減少も危ぶまれるなかで、人件費だけを上昇させるわけにはいかないという状況にある。一方で、近年、個人の業績を適正に評価し、それを賃金に反映させる成果主義の動きが強まっているが、成果主義の行きすぎによる問題点も指摘されている。これらを考慮すると、基本給の構成は、従業員の生活保障という側面の強い年齢給と、成果主義的側面をもつ役割給を上手に組み合わせるのが良いといえよう。
●企業の安全配慮義務/過労死・過労自殺 そのときどうする?
第39回 具体的事例検討⑱ 復職判断と配置可能業務
復帰に反対するなら配置可能な業務ないことの証明が必要
(弁護士・井澤慎次)
第一興商事件(東京地裁平成24年12月25日判決)では、休職期間が満了する際にどの程度回復していれば復職可能と判断するべきかなどが争点となった。判決では、労働者が配置される可能性がある業務について労務提供ができる立証がなされれば、休職事由が消滅したと事実上の推定が働くと判断され、会社の規模にもよるが、使用者が当該労働者の職場復帰に反対するのであれば、当該労働者を配置できる現実的可能性がある業務が存在しないことの反証をしなければならないとされた。
●解釈例規物語/第57回・第38条の2関係
〔事業場外労働における労働時間の算定方法 ―その1―〕
事業場外みなし労働協定の対象となる労働時間は
事業場外における労働時間だけである
(中川恒彦)
みなし労働時間制の適用範囲については一定の限定があるが、そのような限定にはお構いなく、ともかく事業場外の労働であれば「みなし労働時間により8時間労働したものとみなす」こととし、結果として割増賃金を支払わないという言い訳に使われている傾向がある(裁判例における使用者側の釈明にも表れている。)。「みなし労働時間制の適用により」といえば労働基準法違反はないかの如くである。
●知っておくべき職場のルール <第30回>「試用期間と本採用拒否」
試用期間中の解雇や本採用拒否は適格性欠如の具体的根拠が必要
(編集部)
一般的に試用期間中の解雇及び試用期間満了後の本採用拒否の理由には、①能力不足、健康不良、経歴偽証、②勤務成績不良、③業務適性不良、④協調性の欠如――などが考えられます。前回(第29回 2014年5月11日付号)のとおり、試用期間中の解雇及び試用期間満了後の本採用拒否は、「留保解約権付労働契約」における留保解約権の行使に該当し、通常の解雇よりは広い範囲の理由が認められます。
●行政案内/平成26年度全国安全週間実施要綱
<今年のスローガン>
みんなでつなぎ 高まる意識 達成しようゼロ災害
◆本週間/7月1日~7月7日 ◆準備期間6月1日~6月30日
●NEWS
(厚労省・職場のパワハラ対策の一層推進を通達)個別指導対象企業の状況に応じ改善促す/
(改正パート法が成立、公布される)正社員との差別が禁止されるパートの範囲を拡大/
(生産性本部・新入社員の意識調査)「海外勤務に応じる」の回答が過去最低の50.1%に/
ほか
●連載 労働スクランブル第181回(労働評論家・飯田康夫)
●労務資料 平成25年度能力開発基本調査結果② ~事業所調査~
●わたしの監督雑感 和歌山・田辺労働基準監督署長 加藤賢二
●今月の資料室
●労務相談室
賃金関係
〔退職した社員に対する過払賃金〕本人が話し合いに応じないが
弁護士・新弘江(あだん法律事務所)
労働基準法
〔所定時間の半分を超える長時間遅刻〕欠勤とし賃金控除できるか
弁護士・荻谷聡史(安西法律事務所)
紛争・訴訟
〔パワハラ提訴で従業員が証人に〕出頭する時間は労働時間か
弁護士・鈴木一嗣(鈴木一嗣法律事務所)
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