厚生労働省・労働者派遣法改正法案に関するQ&A~個人単位・派遣先単位の期間制限などの内容を解説~
厚生労働省・労働者派遣制度の見直し案に関するQ&Aを公表
厚生労働省はこのほど、「労働者派遣制度の見直し案に関するQ&A」に関するページを同省のホームページ上に開設しました。
このQ&Aは、厚生労働省が、労働者派遣制度の見直し案についてよく寄せられる問い合わせの内容をQ&A形式で紹介 したものです。
Q&Aでは、個人単位の期間制限、派遣先単位の期間制限、派遣労働者の均衡待遇確保、派遣労働者のキャリアアップの推進など、労働者派遣法改正案の具体的内容について解説しています。
なお 、このQ&Aは、労働政策審議会の建議を踏まえ作成され、3月11日に閣議決定され、同日、国会に提出された「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案」の内容を解説しているものであり、改正法として成立したものではないことに注意が必要です。
厚生労働省・労働者派遣制度の見直し案に関するQ&A
Q1: 今回の見直し案では、派遣労働者が同じ職場で働ける期間は3年までとする“個人単位の期間制限”が新たに設けられることが提案されたと聞きましたが、どのような内容ですか。
Q2: “個人単位の期間制限”は、どのような趣旨で提案されているのですか。
Q3: 今回の見直し案では、派遣先における期間制限についても見直しが行われると聞きましたが、これまでの期間制限とどのように違うのですか。
Q4: 今回の“派遣先単位の期間制限”は、どのような趣旨で提案されているのですか。
Q5: 今回の見直し案で、派遣労働者の均衡待遇確保のための取組を強化するとありますが、どのような内容ですか。
Q6: 今回の見直し案で、派遣労働者のキャリアアップを推進するとありますが、どのような内容ですか。
厚生労働省・「労働者派遣制度の見直し案に関するQ&A」はこちらから。
〔参考〕
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案の概要
平成24年改正時の附帯決議等を踏まえ、派遣労働者の一層の雇用の安定、保護等を図るため、特定労働者派遣事業を廃止するとともに、労働者派遣の役務の提供を受ける者の事業所その他派遣就業の場所ごとに派遣可能期間を設ける等の所要の措置を講ずる。
1.特定労働者派遣事業の在り方について
○ 労働者派遣事業の健全な育成を図るため、特定労働者派遣事業(届出制)※1と一般労働者派遣事業(許可制)※1の区別を廃止し、全ての労働者派遣事業を許可制とする。
※1 特定労働者派遣事業:派遣労働者が常時雇用される労働者のみの場合
一般労働者派遣事業:派遣労働者が常時雇用される労働者のみでない場合
2.労働者派遣の期間制限の在り方等について
○ 現行制度は、専門業務等からなるいわゆる26業務には期間制限がかからず、この他の業務には原則1年・例外3年の期間制限がかかるが、分かりにくい等の課題があることから廃止することとし、全ての業務に共通する派遣労働者個人単位の期間制限(3年)※2と派遣先の事業所単位の期間制限(3年、一定の場合に延長可)※2を設ける。
○ 派遣元事業主は、新たな期間制限の上限に達する派遣労働者に対し、派遣労働者が引き続き就業することを希望する場合
は、新たな就業機会(派遣先)の提供等、雇用の安定を図るための措置を講ずることを義務付ける。
※2 ・個人単位の期間制限:派遣先の同一の組織単位における同一の派遣労働者の継続的な受入は3年を上限とする。
・事業所単位の期間制限:派遣先の同一の事業所における派遣労働者の継続的な受入は3年を上限とするが、受入開始から3年を経過する時までに過半数労働組合等から意見を聴取した場合には、さらに3年間延長可能とする(その後の扱いも同様)。
3.派遣労働者の均衡待遇の確保・キャリアアップの推進の在り方について
○ 派遣元事業主と派遣先の双方において、派遣労働者の均衡待遇確保のための取組を強化する。
○ 派遣元事業主に計画的な教育訓練等の実施を義務付けること等により、派遣労働者のキャリアアップを推進する。
施行期日:平成27年4月1日
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