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2014年2月25日 (火)

3月1日から「労働移動支援助成金」・「キャリアアップ助成金」・「キャリア形成促進助成金」が拡充!~厚生労働省・雇用保険法施行規則を改正~

労働移動支援助成金は助成対象企業を大企業にも拡大

 今年3月1日から、 「労働移動支援助成金」・「キャリアアップ助成金」・「キャリア形成促進助成金」について、支給対象の拡充や助成額の引き上げなどの拡充措置が実施されます。

 厚生労働省が2月21日、上記の改正を盛り込んだ「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱」を労働政策審議会職業安定分科会に諮問し、同日、同審議会から「おおむね妥当」とする旨の答申が行われました。

 改正省令の施行期日は平成26年3月1日とされています。
 
   改正省令は2月28日(金)に公布される予定です。


雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案について
【概要】

1.改正の趣旨
 「好循環実現のための経済対策」(平成25年12月5日閣議決定)に基づき、失業なき労働移動の促進及び女性・若者等の雇用及び人材育成の促進を図るため、平成25年度補正予算に計上した雇用関係助成金(労働移動支援助成金・キャリアアップ助成金・キャリア形成促進助成金)の拡充について必要な規則の改正を行うもの。

2.改正の内容
労働移動支援助成金の拡充
 事業規模の縮小等により離職を余儀なくされる労働者等に対し、再就職を実現するための支援を再就職支援会社に委託した場合、委託を行った中小企業事業主に対して費用の一部を助成する再就職支援奨励金について、助成対象企業を中小企業だけでなく大企業にも拡大する、送り出し企業が民間人材ビジネスの訓練等を活用した場合の助成措置を創設する、支給時期を支援委託時と再就職実現時の2段階にするといった拡充を実施するとともに、受入れ企業の行う訓練への助成措置として受入れ人材育成支援奨励金を創設する。

キャリアアップ助成金の拡充
 非正規雇用労働者の企業内キャリアアップを促進するため、正規雇用への転換を実施した事業主に対する助成額及び助成上限人数の引き上げ、有期契約労働者等から短時間正社員への転換を実施した事業主に対する助成額の引き上げ等を行う(平成27年度までの時限措置)。
 また、非正規雇用労働者の人材育成の取組を実施した事業主に対する助成額の引き上げを行う。

キャリア形成促進助成金の拡充
 事業主が雇用する労働者に対して職業訓練等を実施した場合に、訓練経費や賃金の一部を助成するキャリア形成促進助成金について、傘下の企業に就職した若年労働者を対象とした実践的な訓練や熟練技能者による技能継承のための訓練等を実施する事業主団体等に訓練経費の一部を助成する「団体等実施型訓練」及び育休中・復職後の能力アップのための訓練や出産・育児等により一定期間離職していた女性等の再就職後の能力アップのための訓練を実施した場合に訓練経費等を助成する「育休中・復職後等能力アップコース」を創設するとともに、成長分野やグローバル人材育成の取組強化に係る拡充(大企業にも新たに助成、グローバル人材育成コースに海外の大学等で実施する訓練について助成対象に追加)を実施する。

3.公布日 平成26年2月28日

4.施行日 平成26年3月1日

5.根拠条文
雇用保険法第56条の3第1項第2号、第62条第2項、第63条第2項

 改正省令は2月28日に公布(厚生労働省令第14号)されました。
本誌「労働基準広報」では、労働移動支援助成金の拡充内容について、3月21日付号で解説します!



〔雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱〕


第一 労働移動支援助成金制度の改正

 再就職支援奨励金の助成の対象について、中小企業事業主以外の事業主を加えるものとし、支給額を次のとおり引き上げるとともに、再就職実現時だけでなく支援委託時にも支給するものとすること。
(一)中小企業事業主再就職支援の委託に要する費用の三分の二(対象者が四十五歳以上のものにあつては、五分の四)

(二)中小企業事業主以外再就職支援の委託に要する費用の二分の一(対象者が四十五歳以上のものにあつては、三分の二)

二 事業主が対象者に対して求職活動等のための休暇を付与した場合、再就職実現時において再就職支援奨励金を次のとおり支給するものとすること。
(一)中小企業事業主付与した休暇の日数を合計した数に七千円を乗じて得た額

(二)中小企業事業主以外付与した休暇の日数を合計した数に四千円を乗じて得た額

三 事業主が対象者に対する再就職支援の一部として訓練等の実施を委託した場合、再就職実現時における再就職支援奨励金の支給額を、対象者一人につき次のとおり加算するものとすること。
(一)訓練の実施を委託した場合 訓練の実施期間一月につき六万円

(二)三回以上のグループワークの実施を委託した場合 一万円

四 労働移動支援助成金として受入れ人材育成支援奨励金を創設し、再就職援助計画の対象者等を雇い入れ、訓練を実施した事業主に対し、対象者一人につき次のとおり支給するものとすること。
(一)当該訓練に要した経費等の合計額(三十万円を上限とする。)

(二)当該訓練(座学等に限る。)期間中に支払つた賃金の額の算定の基礎となつた労働時間数に八百円を乗じて得た額

(三)当該訓練(実習に限る。)の実施時間数に七百円を乗じて得た額

第二 キャリアアップ助成金制度の改正
一 平成二十八年三月三十一日までの間は、次のとおり支給額又は加算額を引き上げるものとすること。
(一)正規雇用転換
イ 有期契約労働者を正規雇用労働者に転換した場合の支給額 対象労働者一人につき四十万円(中小企業事業主の場合は五十万円)
ロ 無期契約労働者を正規雇用労働者に転換した場合の支給額 対象労働者一人につき二十五万円(中小企業事業主の場合は三十万円)
ハ その指揮命令の下に労働させる有期雇用の派遣労働者を正規雇用労働者として雇い入れた場合の支給額 対象労働者一人につき五十万円(中小企業事業主の場合は六十万円)
ニ その指揮命令の下に労働させる、無期雇用の派遣労働者を正規雇用労働者として雇い入れた場合の支給額 対象労働者一人につき三十五万円(中小企業事業主の場合は四十万円)

(二)処遇改善
 全ての有期契約労働者等について、職務の相対的な比較を行うための手法を用いて賃金を一定の割合以上で増額する措置を講じた場合の加算額 一事業所につき十五万円(中小企業事業主の場合は二十万円)

(三)短時間正社員への転換
 有期契約労働者等を短時間正社員に移行した場合の支給額 対象労働者一人につき二十五万円(常時雇用する労働者の数が三百人を超えない事業主の場合は三十万円)

二 有期契約労働者等に一般職業訓練又は有期実習型訓練を受けさせる事業主に対し、当該訓練に要した経費等の合計額について、次の(一)から(三)までに掲げる実施時間数の区分に応じ、当該(一)から(三)までに定める額を超えるときは、当該定める額の助成を行うものとすること。
(一)百時間未満 七万円(中小企業事業主にあっては、十万円)

(二)百時間以上二百時間未満 十五万円(中小企業事業主にあっては、二十万円)

(三)二百時間以上  二十万円(中小企業事業主にあっては、三十万円)

第三 キャリア形成促進助成金制度の改正
一 構成事業主の雇用する被保険者に、団体等実施型訓練を受けさせる事業主団体等に対し、当該訓練に要した経費の二分の一の額の助成を行うものとすること。

二 育休中・復職後等能力向上型訓練を受けさせる事業主に対し、当該訓練に要した経費の三分の一(中小企業事業主にあつては、二分の一)の額及び当該訓練期間(育児休業の期間を除く。)中に支払つた賃金の額のうち、一時間あたり四百円(中小企業事業主にあつては、八百円)の助成を行うものとすること。

三 成長分野等人材育成型訓練及びグローバル人材育成型訓練を受けさせた場合の助成の対象について、中小企業事業主以外の事業主を加えるものとし、当該訓練を受けさせる中小企業事業主以外の事業主に対し、当該訓練に要した経費の三分の一の額及び当該訓練期間中に支払つた賃金の額のうち一時間あたり四百円の助成を行うものとすること。

四 グローバル人材育成型訓練に、海外で実施する訓練を含めるものとすること。

五 その他所要の見直しを行うものとすること。

第四 その他
一 この省令は、平成二十六年三月一日から施行するものとすること。
二 この省令の施行に関し必要な経過措置を定め、所要の規定の整備を行うこと。

厚生労働省の発表資料はこちらから。

○ 労働移動支援助成金については、日本再興戦略において、行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換を進め、労働移動支援助成金を大幅に拡充し、失業なき円滑な労働移動の実現を図るとされていました。

○ 26年度予算案には、労働移動支援助成金の抜本的拡充として、301億円(再就職支援奨励金:85億円、受入れ人材育成支援奨励金:216億円)が計上されています。
また、25年度補正予算案においては、拡充の前倒しに係る経費として、4億円を計上していました。

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