報告書のとりまとめは次回以降にもちこしに 【第203回 労働力需給制度部会】
本日(1月17日)、午後10時から開催された
第203回 労働政策審議会職業能力分科会労働力需給制度部会
――では、
「労働者派遣制度の改正について(報告書(案))」が示されましたが、
依然、労使の意見の隔たりがみられる部分があることから、
引き続き調整をして、とりまとめは次回以降にもちこされることになりました。
本日示された「報告書(案)」は、「報告書骨子案」をもとに年末年始に検討した内容を反映させたものとのこと。
「Ⅱ 具体的措置について」の
「3(4) 派遣先における期間制限について」
「4 直接雇用の推進」
「6(1) 均衡待遇の推進」
「8 平成24年改正法について」――などの部分に文言が追加されています。
【委員からの意見の一部】
・ 26業務を撤廃することには (同意できない)
・ 過半数労働組合等からの意見聴取をしなかった場合は?
申し込みみなし制度の適用とする民事制裁規定を入れてほしい
→ 「個人単位の期間制限について」で書いてあるのでいいのでは。
・ 過半数労働組合等が反対しても、説明すればずっと派遣で続けられる
のではないか。
・ 常用代替防止といっているのに、「過半数労働組合等からの意見聴取」
をすれば、ずっと派遣でいられるのは原則的に矛盾している。
・ 「過半数労働組合等からの意見聴取」では、労使自治に委ねるべきで
細かく指針で規定すべきではない。
手続きを怠っただけで申し込みみなし適用は厳しすぎる。
・ 無期雇用の派遣労働者を期間制限の適用除外とするのは賛成できない。
指針の規定だけでは担保できない。
・ 均衡待遇に配慮義務とされてもなかなかアクションを取りづらい。
・ 「均衡待遇の推進」に一定の前進あるが、未だに均衡の考え方
ヨーロッパはもとより、中国、韓国も均等待遇。
世界の流れ、目指すべきは均等待遇ではないか。
・ 「キャリア形成支援の具体的な在り方」を指針に規定することは難しいのでは。
(社会人の学び直しでもあるように)
・ 24年改正法の「日雇派遣」以外の部分についても早急に検討を
・ 特定目的行為の解禁は削除されるべき。
→ 20年の建議で可能とすると結論を得ている。
→ 今回と前回とは無期雇用の範囲が異なってくるので…。
・ 法律事項ではないが、スキルシートの取り扱いを明記してほしい。
・ 労政審不要論も一部にあるようだが、今回の検討におけるオブザーバーに違和感を覚える。オブザーバーは直接の利害関係者である。部会の運営の在り方はどうあるべきと考えるか。
→ 生の声をきくいい機会。労働者の方も出席すればいいのでは。
→ 私は派遣労働者のためにやってきた。
・ 個人の見解だが、
どこまで経営権に介入できるか考えてほしい。
→ 常用代替防止との矛盾を説明してほしい。
→ 労働組合があるとこはいいが、ないところが大半。
ドイツの委員会は例で上げただけというのは、アレレ、という感じ
無期雇用の範囲がかわってくる。平成20年建議のころとは違う。
・ オブザーバーとして直接の利害関係者が入るのは遺憾。
→ 今後検討していきたい。
・ 個人の見解だが、
さらに検討が必要だと感じている。
常用代替防止の維持について、派遣先の労使チェックに丸投げOKの制度ではいけない。適切な仕組みが必要。
閉会に当たり、鎌田座長は、
かなり論点は収斂されてきているのではないかと理解しております。引き続き調整を続けていきたいと思います。
次回には、ぜひ労使双方が合意をできるよう私ども公益委員としても全力をあげて、また、事務局とも協力しながら全力をあげて進めていきたいと思っておりますので、多くの方の期待と懸念、さまざまなものを双方の立場でお持ちだと思いますので、ぜひとも前進をさせる方向でご協力をいただきたいと思いっております。よろしくお願いいたします。
――旨述べました。
なお、次回(204回)の開催日時はまだ決まっていません。
本日は、部会の前半で、消費税率引上げにともなう、有料職業紹介事業者が徴収できるとされている手数料の最高額の見直し、有料・無料職業紹介事業報告書などの様式変更などについての改正省令案要綱の説明も行われました。
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