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2014年1月 6日 (月)

年頭所感 【石井淳子 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長】

平成二十六年 年頭所感

             厚生労働省雇用均等・児童家庭局長 石井 淳子


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謹んで、新年のご祝辞を申し上げます。

 皆様には、日頃から雇用均等行政及び児童福祉行政の推進に御理解と御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

子ども・子育て支援については、平成二十四年の通常国会で成立した子ども・子育て関連三法に基づく新制度の円滑な施行に向けた準備を内閣府・文部科学省とともに進めていきます。平成二十六年度は、消費税率引き上げによる増収分のうち○・三兆円程度を子ども・子育て支援の充実に充て、「待機児童解消加速化プラン」の推進、地域子ども・子育て支援事業の先行的な支援や、社会的養護の推進を図ることとしています。

 保育所待機児童は三年連続で減少していますが、依然として二万人を超えています。そして、待機児童については「女性の活躍促進」が政府の成長戦略の中核として位置づけられている中にあって、多くの女性が育児や仕事の二者択一を迫られているとして、その早期の解消が重要となっております。このため、昨年四月に策定した「待機児童解消加速化プラン」により、保育の受け皿を整備し、待機児童の解消に全力で取り組みます。また、保育の量的拡大は、保育の質を確保しながら進めていくことが必要であり、これを支える保育士の確保は、最重要課題と考えております。処遇改善などの保育士確保策を引き続き推進するとともに、ハローワークにおける「保育士マッチング強化プロジェクト」の実施により、厚生労働省を挙げて保育士確保に取り組みます。

さらに、放課後児童クラブについては、「小一の壁」の解消に向けて、保育の利用者が就学後に引き続き利用できるよう、受入児童数の拡充と開所時間の延長に努めるとともに、一定の質が確保されるよう設備・運営について基準づくりを進めます。

 

児童虐待については、児童相談所での相談対応件数が過去最高を更新し、また、虐待により子どもが命を奪われるという痛ましい事件が後を絶たず、依然として深刻な状況が続いています。児童虐待防止対策を強化するとともに、里親委託の推進や、児童養護施設等の小規模化・地域分散化を計画的に行うことにより家庭的養護を推進し、社会的養護の質と量の拡充に努めます。

 

「女性の力」が最大限発揮できるようにし、女性の活躍を促していくことは、社会に活力を取り戻し、人口減少社会を乗り切っていく上でも重要な課題とされております。このため、個別企業を訪問し、女性の活躍促進のための積極的な取組や女性の活躍状況の情報開示について働きかけを行うとともに、助成措置等による支援を行うことで、ポジティブ・アクションの取組を促進します。

あわせて男女がともに仕事と家庭の両立がしやすい職場環境の整備も重要です。この場合、男性の育児参加を促すことも重要な課題であることから、父母ともに育児休業を取得する場合の休業期間の延長等を盛り込んだ育児・介護休業法の周知・徹底や、「イクメンプロジェクト」による社会的気運の醸成などに引き続き取り組みます。また、中小企業に働く労働者も育児休業取得がしやすく、また復帰できる職場環境を進めていくため、「育休復帰支援プラン」などの政府の成長戦略に盛り込まれた施策を推進します。

 

少子化には様々な要因が重なり合っていますが、家族形態の多様化、働き方の多様化が進む中、仕事をしながら子育てを行う職場環境や、子どもが健全に育成される環境の整備を進めていく必要があります。

次世代育成支援対策推進法は、仕事と家庭の両立支援や子育て支援などの子育てしやすい環境の整備に向け、国、自治体、企業に対して行動計画の策定を義務付け、その実効性を図ってきたところですが、平成二十六年度までの時限立法となっております。昨年、労働政策審議会から同法について、延長すべき旨の建議が行われました。今後、この建議を踏まえた改正法案の通常国会提出に向けて取り組みます。

子育てと仕事との両立、生計の確保という面で、より厳しい状況にあるのが二重の役割を一人で担うひとり親家庭です。仕事と子育てを両立しながら経済的に自立すると共に、子どもが心身共に健やかに成長することができるよう、家庭生活及び職業生活における自立のための支援など、ひとり親家庭への支援を強化する関連法案について、次世代育成支援対策推進法の改正とともに、本年の通常国会提出を目指します。

パートタイム労働法についても、労働政策審議会の建議を踏まえ、パートタイム労働者の公正な待遇をより一層確保するため、改正法案の提出に向け、取り組みます。

この他、個々のライフスタイル等に応じた多様な働き方を実現するため、在宅就業について、適切な契約条件下で安心して在宅就業に従事することができるよう、その環境の整備に努めます。

 

母子保健の分野では、引き続き、不妊治療への支援、妊娠等に関する相談支援など、様々な施策を積極的に実施することにより、地域において妊娠期から出産・子育て期へと切れ目なく支援が行われるよう、その体制の整備に努めます。あわせて、難病及び小児慢性特定疾患の患者に対する総合的な支援制度の構築に向けて、小児慢性特定疾患についても、医療費用助成を公平かつ安定的な制度にするとともに、療育相談等の地域支援の充実など総合的な対策を講じるため、本年の通常国会に改正法案提出を目指します。

 

東日本大震災により被災した子ども達に対する支援は、避難の長期化等に対応して強化する必要があります。仮設住宅の子どもがいる世帯を訪問し、心身の健康に関する相談を実施する事業を新設するなど、引き続き支援を進めます。

 

あわせて、子どもの貧困については、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、対策を進めていくことが極めて重要です。昨年六月に成立した「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が今年早々にも施行される予定であり、内閣府・文部科学省とともに、子どもの貧困対策を総合的に進めます。

 

本年も国民の皆様の声に耳を傾け、当局が担当する幅広い分野において、より良い行政を推進するために力を尽くしてまいりたいと思っております。本年が皆様にとりまして幸多き年となりますようご祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

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