年頭所感 【中野雅之 厚生労働省労働基準局長】
平成二六年労働基準局長年頭所感
厚生労働省労働基準局長 中野 雅之
あけましておめでとうございます。
新年を迎え、皆様の御健康と御繁栄を心からお祝い申し上げます。
平成二六年の年頭に当たり、改めて日頃の労働基準行政へのご理解とご協力に感謝申し上げますとともに、労働基準行政に対する所信の一端を述べさせていただきます。
労働基準行政の主な役割は、労働基準法等に基づく労働時間や賃金等労働条件の確保、労働安全衛生法等に基づく労働者の健康と安全の確保、労災保険法に基づく迅速な救済です。
本年も働く方々の健康や生活を守るため、労働基準行政としては、的確な監督指導等を通じ、次のような施策を中心に取り組んでいきます。
第一に、若者の「使い捨て」が疑われる企業等への対策に取り組んでいきます。
若者の「使い捨て」が疑われる企業等が社会で大きな問題となっており、労働基準局としても、昨年九月を「過重労働重点監督月間」として集中的な監督指導に取り組むなど対策を進めてきました。
本年も、若者を始めとした働く人々が活躍しやすい環境を整えるため、引き続き、監督指導にしっかり取り組んでいくとともに、二六年度においては、夜間・休日の相談ダイヤルの設置を始めとして、相談体制や情報発信の充実を図っていきます。
第二に、労働安全衛生法の見直しを行います。
印刷事業場での「胆管がん」の集団発生や、精神障害の労災認定件数が増加していること等を受けた必要な対策について、昨年、労働政策審議会安全衛生分科会で議論をいただいたところです。これを踏まえ、労働者の安全と健康の一層の確保を図るため、化学物質の管理のあり方の見直しやメンタルヘルス対策の強化等を内容とする労働安全衛生法の改正法案の検討を進めているところであり、国会への早期提出を目指します。
第三に、「多様な正社員」の普及・拡大を進めます。
正規・非正規の二極化を解消し、雇用形態にかかわらず、労働者の希望に応じて、安心して生活できる多様な働き方を実現するため、職務等に着目した「多様な正社員」を普及させることが必要です。このため、成功事例の収集や周知・啓発を行うとともに、昨年九月から開催している「「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会」で雇用管理上の留意点をとりまとめるべく、必要な取組を進めます。
第四に、労働時間法制の見直しに取り組んでいきます。
中小企業に適用猶予されている月六〇時間を超えた時間外労働に対する割増賃金率の見直し検討時期が到来していることや、産業競争力会議等において労働生産性向上を図る観点からの労働時間法制の見直しが求められていることを踏まえ、昨年九月から、労働政策審議会労働条件分科会において、議論をスタートし、昨年までに時間外・休日労働等の実態把握調査の結果に基づく議論を行ったところであり、本年一月からはテーマごとの具体的な議論を行っていきます。
最後に、東京電力福島第一原子力発電所の事故に係る労働者の放射線障害防止対策にも引き続き取り組みます。
現在、廃炉に向けた作業や除染作業等が行われているところですが、それら作業に従事する方の放射線障害防止を始めとする健康管理や労働条件の確保に、引き続き全力を挙げて取り組んでいきます。
以上の施策に、職員一同、全力を挙げて邁進してまいりますので、今後とも一層の御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。
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