有期雇用者の無期労働契約転換申込み権発生を5年から10年に延長する労働契約法特例法案が可決・成立!
特例の対象者は大学の非常勤講師など10万人超に
大学・研究機関の教員、研究者等の無期労働契約転換申込み権発生を5年から10年に延長する労働契約法特例法案(研究開発力強化法改正案:議員立法)が昨日(12月5日)の参議院本会議で賛成多数(押しボタン投票)により可決され、成立しました。
同改正項目の施行期日は平成26年4月1日とされています。
平成25年4月1日施行の改正労働契約法により、有期雇用者の無期労働契約転換制度が創設されました。
これは、有期労働契約が通算5年を超えて反復更新された場合、労働者が無期労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は、別段の定めがない限り従前と同一の労働条件で、当該申込みを承諾したものとみなされ、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日の翌日から無期労働契約が成立することを規定したものです。
研究開発力強化法の改正により、大学・研究機関の教員、研究者等については、特例により、無期労働契約転換に必要な期間が現行の5年から10年に延長されます。
なお、この特例の対象者については、法案審議の際、衆議院文部科学委員会において、法案提出者が「大学の非常勤講師も含まれる」と答弁し、政府参考人は対象者数について「少なくとも10万人規模と想定している」と答弁しています。
改正法は12月13日に公布されました。
研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律案(研究開発力強化法改正案)の概要(労働契約法の特例部分のみ抜粋)
第1 研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律の一部改正
労働契約法の特例 (第15条の2関係)
①から④までに掲げる者がそれぞれの有期労働契約を期間の定めのない労働契約に転換させるための申込みを行うために2以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間(第2において「通算契約期間」という。)が5年を超えることが必要とされていることについて労働契約法の特例を定め、10年を超えることが必要であるとすること。(※)
① 科学技術に関する研究者又は技術者であって研究開発法人又は大学等を設置する者との間で有期労働契約を締結したもの
② 研究開発等に係る企画立案等の業務(専門的な知識及び能力を必要とするものに限る。④において同じ。)に従事する者であって研究開発法人又は大学等を設置する者との間で有期労働契約を締結したもの
③ 試験研究機関等、研究開発法人及び大学等以外の者が試験研究機関等、研究開発法人又は大学等との契約により共同して行う研究開発等(④において「共同研究開発等」という。)の業務に専ら従事する科学技術に関する研究者又は技術者であって有期労働契約を締結したもの
④ 共同研究開発等に係る企画立案等の業務に専ら従事する者であって有期労働契約を締結したもの
※本改正項目においては、人文科学のみに係る科学技術を含む取扱いとする。
第2 大学の教員等の任期に関する法律の一部改正
大学の教員等がその有期労働契約を期間の定めのない労働契約に転換させるための申込みを行うために通算契約期間が5年を超えることが必要とされていることについて労働契約法の特例を定め、10年を超えることが必要であるとすること。
本誌『労働基準広報』では、この労働契約法の特例について、2014年1月1・11日新年特別合併号で紹介します。
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