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2013年8月16日 (金)

子が3歳までは育児休業を選択できる職場環境の整備を~安倍政権「日本再興戦略」の内容③~

2017年度末までに「待機児童ゼロ」を目指す

  安倍政権の新たな成長戦略「日本再興戦略」(6月14日閣議決定)から、今回は、「女性の活躍推進」を紹介します。

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  日本再興戦略では、子が3歳になるまでは、希望する男女が育児休業や短時間勤務を選択しやすいよう、職場環境の整備を働きかけるとともに、育児休業中や復職後の能力アップに取り組む企業への助成制度を創設するとしています。

 待機児童については、「今後2年間で約20万人分、保育ニーズのピークを迎える2017年度末までに、約40万人分の保育の受け皿を新たに確保し、「待機児童ゼロ」を目指す」としています。

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~安倍政権「日本再興戦略」の内容③~

●女性の活躍推進
 出産・子育て等による離職を減少させるとともに、指導的地位に占める女性の割合の増加を図り、女性の中に眠る高い能力を十分に開花させ、活躍できるようにすることは、成長戦略の中核である。「若者・女性活躍推進フォーラム」の提言を踏まえつつ、女性が活躍できる環境整備を推進する。
こうした取組により、「M字カーブ問題」の解消に向け、2020年の就業率を、25歳から44歳の女性については73%(2012年の水準から約5ポイント向上)とすることを目指す。

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等
・企業への助成金制度や税制上の措置の活用等による支援等の充実、公共調達を通じた取組、好事例を顕彰する仕組みの拡充を進めるとともに、役員や管理職への登用拡大(全上場企業においてまずは役員に一人は女性を登用)に向けた働きかけやキャンペーン、登用状況の開示促進、女性人材のデータベース化等を行う。

女性のライフステージに対応した活躍支援
子どもが3歳になるまでは、希望する男女が育児休業や短時間勤務を選択しやすいよう、職場環境の整備を働きかけるとともに、育児休業中や復職後の能力アップに取り組む企業への助成制度を創設する。

・育休復帰支援プラン(仮称)の策定支援等を行うほか、来年度末で期限切れとなる次世代育成支援対策推進法の延長・強化を検討する。また、特に仕事と子育て等の両立が困難な女性研究者等を支援するほか、「イクメン」の普及等、男性の家事・育児等への参画を促進する。

・インターンシップやトライアル雇用制度の活用、マザーズハローワークの充実等による再就職に向けた総合的な支援、母子家庭の母等への就業支援、社会人の学び直し支援等を行うほか、資金調達や経営ノウハウの支援等により、地域に根差したものから世界にチャレンジするものも含め、女性の起業等を促進する。

・少子化社会の問題は社会経済の根幹を揺るがしかねない状況に直面していることから、子育て支援強化、働き方改革に加え、「少子化危機突破のための緊急対策」(本年6月7日少子化社会対策会議決定)に基づき、妊娠・出産等に関する情報提供や産後ケアの強化など、結婚・妊娠・出産に関する支援を総合的に行う。

男女が共に仕事と子育て等を両立できる環境の整備
・テレワークの普及に向けた新たなモデル確立のための実証事業の実施等による多様で柔軟な働き方の推進や、長時間労働の抑制、教育・啓発活動の推進等ワーク・ライフ・バランスの更なる推進を図るとともに、ベビーシッターやハウスキーパーなどの経費負担の軽減に向けた方策を検討する。また、働き方の選択に関して中立的な税制・社会保障制度の検討を行う。

・「放課後子どもプラン」に基づき、放課後児童クラブと放課後子ども教室の充実及びその連携を推進する。

公務員における女性の採用・登用の拡大等の取組の促進
・「隗より始めよ」の観点から、女性の採用・登用の促進や、男女の仕事と子育て等の両立支援について、まずは公務員から率先して取り組む。

特に、待機児童問題が女性等の活躍・社会進出の妨げとなっており、保育の充実等を図ることが喫緊の課題である。このため、質の高い幼児教育・保育の総合的な提供や、地域の子育て支援等の家族への支援の充実等を内容とする「子ども・子育て支援新制度」の着実な実施に向けた取組を進めるとともに、2年後の新制度のスタートを待たずに、地方自治体に対してできる限りの支援策を講ずるため、本年度から5年間、「待機児童解消加速化プラン」を展開する。今後2年間で約20万人分、保育ニーズのピークを迎える2017年度末までに、潜在的な保育ニーズを含め、約40万人分の保育の受け皿を新たに確保し、保育の質を確保しつつ、「待機児童ゼロ」を目指す。その際、社会福祉法人はもとより、株式会社を含む多様な主体でスピード感をもった施設整備を推進する。

緊急プロジェクト(本年度・来年度)
・「待機児童解消加速化プラン」の実施期間のうち、本年度・来年度を「緊急集中取組期間」と位置付け、5本の柱からなる支援パッケージにより、意欲のある地方自治体を強力に支援する。
①賃貸方式や国有地も活用した保育所整備(「ハコ」)
- 施設整備費の積み増し。都市部に適した賃貸方式の活用。

②保育の量拡大を支える保育士確保(「ヒト」)
- 潜在保育士の復帰促進、処遇改善、認可外保育施設で働く無資格者の保育士資格取得支援。

③小規模保育事業など新制度の先取り
- 小規模保育、幼稚園での長時間預かり保育など新制度を先取りして実施(即効性ある受け皿の確保)。

④認可を目指す認可外保育施設への支援
- 改修費、賃貸料、移転費、資格取得費、運営費等を国が支援し、質の確保された認可保育所へ5年間で計画的に移行。

⑤事業所内保育施設への支援
- 「自社労働者の子を半数以上」とする助成要件の緩和。

屋外階段設置要件の見直し
・事業所内保育施設を4階以上に設置する場合の避難用の屋外階段設置要件(国の助成要件)について、地方自治体の認可保育所の設置基準条例に合わせる見直しを直ちに行う。また、国が定める認可保育所の設備基準について、同等の安全性と代替手段を前提として緩和がなされるよう、合理的な程度の避難基準の範囲及び代替手段について、今年度中に検討し結論を得る。

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