« 平成24年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」 平均支給決定期間 | トップページ | 「労働基準法施行規則第35条専門検討会」報告書を公表 【厚生労働省】 »

2013年7月 4日 (木)

2015年度までに「雇用調整助成金」と「労働移動支援助成金」の予算規模を逆転~安倍政権「日本再興戦略」の内容①~

教育訓練等に係る雇用保険法改正法案を次期通常国会へ提出

 安倍政権の新たな成長戦略「日本再興戦略」(6月14日閣議決定)から、今回は、「行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換(失業なき労働移動の実現)」を紹介します。

 日本再興戦略では、労働移動支援助成金の抜本的拡充として、「雇用調整助成金」(2012年度実績額約1,134億円)から「労働移動支援助成金」(2012年度実績額2.4億円)に大胆に資金をシフトさせることにより、2015年度までに予算規模を逆転させるとしています。
 本年8月末までに検討を進め結論を得た上で、概算要求等に反映させるとしています。

 これらの政策転換により、今後5年間で、失業期間6か月以上の者の数を2割減少させ、転職入職率(パートタイムを除く一般労働者)を9%とすることを目標に掲げています。

74

~安倍政権「日本再興戦略」の内容①~

行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換(失業なき労働移動の実現)
  リーマンショック以降の急激な雇用情勢の悪化に対応するために拡大した雇用維持型の政策を改め、個人が円滑に転職等を行い、能力を発揮し、経済成長の担い手として活躍できるよう、能力開発支援を含めた労働移動支援型の政策に大胆に転換する。

これらにより、今後5年間で、失業期間6か月以上の者の数を2割減少させ、転職入職率(※)(パートタイムを除く一般労働者)を9%とすることを目標とする。

※転職入職率とは、在籍者に対する転職入職者(入職者のうち、入職前1年間に就業経験のある者)の割合のことをいう(2011年7.4%。1975年以降の最高値9.2%。)。

○労働移動支援助成金の抜本的拡充等
雇用調整助成金(2012年度実績額約1,134億円)から労働移動支援助成金(2012年度実績額2.4億円)に大胆に資金をシフトさせることにより、2015年度までに予算規模を逆転させる。本年8月末までに検討を進め結論を得た上で、概算要求等に反映させる。
- 対象企業を中小企業だけでなく大企業に拡大する。
- 送り出し企業が民間人材ビジネスの訓練を活用した場合の助成措置を創設する。
- 支給時期を支援委託時と再就職実現時の2段階にする。
- 受入れ企業の行う訓練(OJTを含む)への助成措置を創設する。
- キャリアチェンジを伴う労働移動を成功させるためのキャリアコンサルティング技法の開発等を推進する。

○若者等の学び直しの支援のための雇用保険制度の見直し
非正規雇用労働者である若者等がキャリアアップ・キャリアチェンジできるよう、資格取得等につながる自発的な教育訓練の受講を始め、社会人の学び直しを促進するために雇用保険制度を見直す。労働政策審議会で検討を行い、次期通常国会への改正法案の提出を目指す。あわせて、従業員の学び直しプログラムの受講を支援する事業主への経費助成による支援策を講ずる。

○公益財団法人産業雇用安定センターの出向・移籍あっせん機能の強化
出向・移籍による失業なき労働移動を支援するため、キャリアコンサルティングの実施、個人の課題に応じた支援メニューの策定、民間の訓練機関を活用した講習・訓練の実施等、産業雇用安定センターのあっせん機能を大幅に強化する。

|

« 平成24年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」 平均支給決定期間 | トップページ | 「労働基準法施行規則第35条専門検討会」報告書を公表 【厚生労働省】 »

労働行政ニュース」カテゴリの記事

雇用保険法」カテゴリの記事

助成金」カテゴリの記事

非正規雇用」カテゴリの記事

働き方」カテゴリの記事

若年者雇用」カテゴリの記事

労働政策審議会」カテゴリの記事

経営」カテゴリの記事

雇用問題」カテゴリの記事

規制改革」カテゴリの記事

社会経済情勢」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2015年度までに「雇用調整助成金」と「労働移動支援助成金」の予算規模を逆転~安倍政権「日本再興戦略」の内容①~:

« 平成24年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」 平均支給決定期間 | トップページ | 「労働基準法施行規則第35条専門検討会」報告書を公表 【厚生労働省】 »