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2013年2月20日 (水)

「第12次労働災害防止計画」について「妥当」と答申 【労働政策審議会】

 昨日(2月19日)、厚生労働省の労働政策審議会(会長:諏訪 康雄 法政大学大学院政策創造研究科教授)は、15日、労働災害減少のために国が今後5年間にわたって重点的に取り組む事項を定めた「第12次労働災害防止計画(案)」について「妥当」と答申しました。


 「第12次労働災害防止計画(案)」は、厚生労働大臣が14日に同審議会に諮問したもので、同審議会安全衛生分科会(分科会長:相澤 好治 北里研究所常任理事)での審議を経て行われたものです。

 第12次計画は、平成25年度から29年度(平成25年4月1日から平成30年3月31日)の5年間を対象とし、全体の目標に加え「小売業での死傷者数20%以上減少」など重点対策ごとの数値目標も盛り込んでいます。


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計画の全体目標と重点施策、主な取り組み>

【計画の全体目標】

 平成29年までに、労働災害による死亡者数を15%以上減少(平成24年比)

 平成29年までに、労働災害による死傷者数(休業4日以上)を15%以上減少(同)


【重点施策と主な取り組み】



1 労働災害、業務上疾病発生状況の変化に合わせた対策の重点化


 労働災害が増加している第三次産業に焦点を当て、特に小売業、社会福祉施設、飲食店への集中的取り組みを実施。

 メンタルヘルス不調予防のための職場改善手法を検討するとともに、ストレスチェックなどの取り組みを推進。

 
2 行政、労働災害防止団体、業界団体等の連携・協働による労働災害防止の取り組み

 安全衛生分野の専門家の育成・活用を進めるとともに、企業の安全衛生管理を側面支援する外部の専門機関を育成し、利用しやすい制度・環境を整備。


3 社会、企業、労働者の安全・健康に対する意識改革の促進
 企業の労働環境水準を評価する仕組みを作り、良い評価を得た企業を積極的に公表。
 重大な労働災害を繰り返し、改善がみられない企業について、公表を含め検討。
 大学教育への安全衛生教育の取り入れ方策を検討


4 科学的根拠、国際動向を踏まえた施策推進
 独立行政法人労働安全衛生総合研究所と連携し、科学的根拠、国際的整合性を踏まえて施策を推進。


5 発注者、製造者、施設等の管理者による取り組み強化
 外部委託により安全衛生上の責任を逃れたり、過度に安価な発注により受注者が安全衛生対策の経費が計上できないような状況にならないよう、発注者による取り組みを強化。
 第三者が施設を利用する場合の施設管理者の安全衛生管理責任のあり方を検討。
 機械の重大な欠陥で重篤な労働災害が発生した場合に、労働災害の内容、製造者名等の公表、製造者による機械の回収・改善を図る制度を検討


6 東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けた対応
 被災地の復旧・復興工事、除染作業、生活基盤の復旧作業での労働災害防止対策を着実に実施。
 
東電福島第一原子力発電所の廃炉に向けた作業での被ばく防止、安全衛生管理を徹底。



 厚生労働省では、答申を受け、今年度内の官報公示に向け、本計画の策定作業を進めていくとのことです。

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