第51回 労働政策審議会障害者雇用分科会 差別禁止に対する事業主の義務等を検討
10月31日(水曜日)午前10時より
「第51回 労働政策審議会障害者雇用分科会」が開催されました。
今回の議題は、【障害者権利条約への対応の在り方について②】
具体的には、
前回の議論の整理
1.法律上の枠組み
2.差別禁止等の枠組みの対象範囲
・障害者の範囲
・事業主の範囲(派遣労働の取扱い、使用者の取扱いを含む)
障害を理由とする差別の禁止
1.差別の範囲
・不均等待遇
・合理的配慮の不提供
・ハラスメント
・労働能力に基づく差異等
2.差別の正当化自由や差別禁止の私法上の効果
職場における合理的配慮の提供
1.合理的配慮の枠組みと内容
2.合理的配慮の提供のための仕組みと実効性担保
・合理的配慮の提供の請求権、請求した者への不利益取扱いの禁止
・相談体制
・事業主の負担に対する助成の在り方
(現行の納付金制度の活用の検討を含む)
3.過度の負担
・過度の負担か否かの判断基準
・公的助成との関係について
――について、質問や活発な意見等が交わされました。
※ 事務局からは、
「障害を理由とする差別の禁止に関する法制」についての差別禁止部会の意見
(平成24年9月14日)の関係部分が適宜解説されていました。
次回の「第52回 労働政策審議会障害者雇用分科会」は、
11月13日(火曜日)午前10時より開催される予定です。
【PICK UP】配布資料から
前回の議論の整理
2.差別禁止等の枠組みの対象範囲
② 事業主の範囲
企業規模によって差を設けず、全ての事業主に差別禁止や合理的配慮を義務づけること。その際、準備期間を設定するとともに、企業規模等に着目し、実効性を担保するための対応を行う必要があること
(派遣労働の取扱い)
派遣労働の取扱いについて、当面、派遣元事業主に障害を理由とする差別の禁止及び合理的配慮の提供義務を課すこと
なお、労働者派遣法に基づき派遣先事業主が事業主として責任を負っている事項については、合理的配慮に関する事項であっても責任を負うべきであるとの意見があった
(使用者の取扱い)
男女雇用均等法等と同様に事業主のみを対象とすること
障害を理由とする差別の禁止
1.差別の範囲(正当化事由を含む。)
(基本的考え方)
禁止すべき差別の範囲は、実効性の担保の観点から、
・ 事業主に法的義務を課すものであることから、事業主にとって何が禁止すべき差別に当たるのか明確であること
・ 男女雇用機会均等法の性差別禁止と異なり、事業主に対して合理的配慮の提供義務が課されることとの関係に留意すること
――が必要ではないか。
(直接差別、不均等待遇)
障害を理由とする差別(直接差別)については禁止すべきであるが、禁止すべき差別の範囲が明確になるよう、差別に当たる具体的な事例を示すべきではないか。
車いす、補助犬その他の支援器具等の利用、介助者の付き添い等の社会的不利を補う手段の利用等を理由とする不利益取扱いについても、障害を理由とする差別(直接差別)に含まれるものと考えてよいか。
間接差別に関し、以下の論点についてどう考えるか。
① 中立的な基準でも結果として「差が生じる」ものであるが、どのようなものが
間接差別に該当するのか明確にできるか。
② 中立的な基準でも結果として「差が生じる」ものがあったとしても、
・事業主に対して合理的配慮提供義務が課される中で、合理的配慮を
提供してもなお解消されないものがあるのか。
・健常者も含めて一律に当該基準そのものを見直すべきか、当該障害者
の状況に応じて合理的配慮を提供することによって対応すべきか。
仮に間接差別が明確なものでなくとも、間接差別を法律上位置付けた上で、事業主の正当化事由があれば禁止すべき差別に当たらないとすることについて、予見可能性・法的安定性の観点からどう考えるか。
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