第1回「非正規雇用労働者の能力開発抜本強化に関する検討会」開催される
本日、13時30分から厚生労働省 省議室において、第1回「非正規雇用労働者の能力開発抜本強化に関する検討会」が開催されました。
同検討会は、厚生労働省職業安定局長が学識経験者の参集を求め、開催するものです。
厚生労働省では、今年3月に策定した「望ましい働き方ビジョン」で示された基本姿勢や施策の具体的方向性に基づき、非正規雇用労働者の能力開発についての対策を抜本的に強化し、計画的に取組を推進することとしています。
また、今年6月の厚生労働省版「提言型政策仕分け」でも、企業内の人材育成への支援について、非正規雇用労働者に対する訓練への一掃の重点化が提言されています。
小宮山厚生労働大臣は、非正規雇用労働者の能力開発を重点課題と位置づけています。
このような問題認識の下、非正規雇用労働者の望ましい人材育成施策を検討するため、同検討会が開催されることになりました。
開催要綱によると、【検討事項】は、
① 非正規雇用の労働者に対する人材育成について、企業の取組やそれに対する国の支援策等の状況、効果等の検証
② 「望ましい働き方ビジョン」や「提言型政策仕分け」で示された施策の方向性に基づく能力開発の強化策
――とされています。
座長には、獨協大学経済学部教授の阿部正浩氏が選出されました。
本日の検討会では、事務局による「非正規雇用の現状」「能力開発の現状」についての説明があり、
その後、「どのような内容を検討するのか」、「対象者、対象範囲は」
など、今後の検討の方向性について話し合われました。
参集者と事務局からは、
「基礎的な部分は正規と共通としても、非正規のための能力開発モデルを考えるべきかもしれない」
「現在働いている人の場も大切にしなければならない」
「この場では、広範に議論するのではなく、できるだけ短期、効果的な方策の検討を」
「理想は全体を検討することだが、検討会では一番効果的なものに絞って検討すべき」
「不本意で非正規として働いている人と非正規を望んでいる人とのモデルを分けるべき」
「不本意就業の非正規就業者、とくに若年者の不安を小さくする方策を」
「キャリアアップ、ステップアップだけでなく、キャリアダウン、ステップダウンについても考える必要がある」
「企業の能力開発に期待するだけではダメ。個人の能力開発を抜本的に見直すべき」
「ステップアップしたいやる気のある人には、ラダー(はしご)をかける必要がある」
「今は、主任レベルまで非正規の人が担っているケースがある」
「企業が欲しいのは、どんなこともできて制約もない人では」
「40歳以上は、首を切られないようなスキルが問われる」
「35歳以降も非正規で続けるつもりなら、それなりの能力を身につけなければならない」
「35歳までと35歳からの働き方は違う」
「本当に深刻なのは若年者よりも団塊ジュニアとそれに続く世代」
「企業にはメリットがないとやっていけない」
「契約法が改正されて状況が変わってくる。能力開発がうまくいっている企業の話を聴いてみることも」
「基本的には、OJTでないと能力は上がらない」
「うまくスキルレベルが翻訳されないと次の仕事に活かされない」
「非正規の人にも能力評価の場を」
――などの意見がありました。
同検討会は、4回ほどの予定で開催され、今年中にとりまとめられるものとみられます。
次回(第2回)の開催は、10月中旬の予定です。
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