ものづくり白書が公表される
政府は5日、「平成23年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)を閣議決定し、国会に報告した。
この「ものづくり白書」は、「ものづくり基盤技術振興基本法」第8条に基づいて国会に毎年報告する年次報告書。厚生労働省、文部科学省、経済産業省の連携で毎年策定され、ものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策を取りまとめたものとなる。
平成13年(2001年)から始まり、今回で12冊目。
今回の「ものづくり白書」は、
第1部
第1章 内外経済が変化する中での我が国ものづくり産業の動向(経済産業省、厚生労働省)
第2章 我が国ものづくり産業が直面する課題と展望(経済産業省)
第3章 ものづくり中核人材の育成を中心とした製造基盤の強化(厚生労働省)
第4章 ものづくりの基盤を支える教育・研究開発(文部科学省)
第2部
平成23年度においてものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策
――という2部構成で作られている。
特に、厚生労働省が担当した第3章では、中核人材の育成、確保などの現状を分析し、その課題と今後の対応、能力開発のための取り組みを記述。
以下がそのポイントとなっている。
ものづくり現場における中核人材の育成・確保~企業への調査結果から判明した、中核人材の育成・確保の現状~
ものづくり現場で中核人材に求められる能力は、「製造現場のリーダーとして監督業務や部下の指導を行うこと」や、「複数の機械・工程を担当できること」。また、求められる知識・ノウハウは「品質管理」、「生産ラインの合理化・改善」。
5割以上の企業で中核人材が不足しているにもかかわらず、中核人材の育成がうまくいっていないとする割合は高く、特に中小企業で6割弱と高くなっている。その要因は、企業規模に関わらず、育成を担う従業員や訓練のノウハウ不足とする回答の割合が高い。
中小企業の中核人材の能力維持・向上のための取り組みとして、計画的なOJTの割合は大企業に比べ低い。
中核人材の能力水準を把握するため、社内外の試験制度や国家資格、検定を活用する割合は高くない。
ものづくり中核人材の育成を巡る課題と今後の対応
環境・エネルギー分野などの成長分野や、国内製造部門で高度な技能を扱うものづくり分野に関係する中核人材の育成を進めることが必要。
企業の中核人材の育成支援のためには、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が行う在職者訓練の提供、訓練指導員の派遣、職業訓練指導の相談・援助について、一層の周知・活用促進が必要。成長分野に関しては、業界団体などと連携したカリキュラムの開発などの支援も必要。
企業内で人材育成を計画的に進める核となる人材が必要。その体制整備ができない企業やキャリア形成支援を希望する従業員に対しては、外部の相談支援体制の整備も必要。
中核人材の育成に当たっては、現場を熟知した技能士や技能検定、能力評価基準の一層の活用促進が必要。
詳細は、以下のサイトをご覧いただきたい。
経済産業省http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2012/index.html
厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002c813.html
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