「労働者派遣法改正法の政省令・告示等に関する主な検討事項(案)」①
さる5月28日、午後2時より、厚生労働省 専用第21会議室(17階)にて開催された
「第174回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会」では、
事務局より、「労働者派遣法改正法の政省令・告示等に関する主な検討事項(案)」が示されました。
同案は、労働者派遣法の改正法の施行にあたり策定される政省令・告示等の下案やたたき台となるものを、労働政策審議会建議(平成20年9月24日)や国会での議論などをもとに、事務局が取りまとめたものです。
今後同部会において、各項目について、検討されます(ブログでは、数回にわたって同案の紹介をします)。
※ 施行期日【政令事項】については、平成24年10月1日とする案が示されました。
5月28日の部会では、主に「事業規制の強化」のうち、「日雇派遣の原則禁止」と「グループ企業内派遣の8割規制」について話し合われました。
今回は、「日雇派遣の原則禁止」について、同案の該当部分(概要)を紹介します。
なお、同案は、あくまでも下案であり、部会での議論を経て、大幅に修正されることになりそうです。
(次回以降の部会では、事務局から検討部分について、案の再整理・再提出がなされることもありそうです。)
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事業規制の強化
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1.日雇派遣の原則禁止(法第35条の3第1項関係)
<検討事項と規定案>
○ 日雇派遣の原則禁止の例外として認められる「業務」【政令事項】
いわゆる専門26業務のうち、第1号、第2号、第5号から第13号まで、第16号(建築物又は博覧会場における来訪者の受付又は案内の業務に限る。)、第17号から第20号まで、第23号及び第25号に掲げる業務とすること。
○ 日雇派遣の原則禁止の例外として認められる「場合」【政令・省令・運用事項】
「高齢者(60歳以上)」、「昼間学生」、「副業として従事する者」、「主たる生計者でない者」である場合とすること。
ただし、「副業として従事する者」については生業の収入が一定額以上である場合、「主たる生計者でない者」については世帯全体の収入が一定額以上である場合に限定すること。<政省令>
高齢者であるかどうかの確認は年齢が確認できる公的書類等で、昼間学生であるかどうかの確認は学生証等で行うこと。<運用>
「主たる生計者でない者」かどうかについては、世帯全体の収入に占める本人(労働者)の収入の割合が50%未満であるかどうかによって判断すること。<運用>
収入要件の確認は、本人・配偶者等の所得証明書、源泉徴収票の写し等で行うこと。また、前年度の収入が要件を満たす場合であっても、当年度の収入が要件を満たさないことが明らかである場合には、日雇派遣の例外として認められないこと。<運用>
○ 日雇派遣労働者の安全衛生の確保【日雇派遣指針事項】
① 派遣元事業主が講ずべき事項として、以下の内容を定めること。
日雇派遣労働者が従事する具体的な業務内容について、派遣先から確実に聴取した上で、当該業務内容に即した安全衛生教育を実施すること。
日雇派遣労働者が労働安全衛生法第59条第3項の危険有害業務に従事する場合には、派遣先に義務付けられている危険有害業務就業時の安全衛生教育が確実に実施されたかどうか、派遣元事業主においても確認すること。
② 派遣先が講ずべき事項として、以下の内容を定めること。
日雇派遣労働者が従事する具体的な業務内容について、派遣元事業主から照会があった場合には、積極的に応じること。
日雇派遣労働者に対する雇入れ時の安全衛生教育が確実に実施されたかどうか、派遣先においても確認すること。
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当日は、
・「昼間学生」とは?
・「主たる生計者でない者」かどうかの判断基準
・日雇派遣の実態調査を!
――などの意見が出ていました。
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