労働契約法の改正法案が国会に提出される
期間の定めのある労働契約を締結している労働者の雇用の安定と公正な待遇を確保するため、期間の定めのある労働契約について、一定の要件を満たす場合に、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約に転換させる仕組みを設けることなどを主な内容とした「労働契約法の一部を改正する法律案」が3月23日閣議決定され、同日、国会に提出されました。
同法案に関しては、厚生労働省が2月29日、労働政策審議会(会長:諏訪康雄・法政大学大学院政策創造研究科教授)が昨年末に提出した「有期労働契約の在り方について」(建議)に沿った改正法案要綱を同審議会に諮問。諮問を受けた同審議会は、その内容を同審議会労働条件分科会(分科会長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で検討した結果、同諮問案を「おおむね妥当」とする答申をとりまとめ、3月16日、小宮山厚労相に提出していた。
法案の概要は以下の通り。
【労働契約法の一部を改正する法律案】
①有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換
期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という)の契約期間を通算した期間が5年を超える場合は、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約の締結を使用者が承認したものとみなすこととする。
②有期労働契約の更新等
有期労働契約が一定の要件に該当する場合に、労働者が使用者に対し、当該有期労働契約の更新等の申込みをしたときは、当該使用者がその申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、当該申込みを承諾したものとみなすこととする。
③期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止
期間の定めのある労働契約の内容である労働条件が、期間の定めのない労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該相違は、労働者の職務の内容等を考慮して不合理と認められるものであってはならないこととする。
④施行期日
公布の日(①及び③については、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日)
今国会で法案が成立すれば、①と③については、早ければ来年の4月から施行される見込み。
「労働契約法の一部を改正する法律案」については、労働基準広報5月1日付号で詳解します。
| 固定リンク
「労働行政ニュース」カテゴリの記事
- 厚労省・第1回「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」を開催 IT化等による新しい事業モデル・サービスに対応した制度の在り方などを検討【令和3年1月6日】(2021.01.07)
- 『労働基準広報』2020年12月1日号の特集は「政府のテレワーク関係『令和3年度予算概算要求』」(2020.11.25)
- 令和元年12月13日「第136回 労働政策審議会 職業安定分科会雇用保険部会」開催される(厚生労働省) 自己都合離職者の給付制限期間の短縮、マルチジョブホルダーへの適用など多岐にわたる改正項目が示される (2019.12.13)
- 令和元年10月29日(火)「第133回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会(ペーパーレス)」開催される(厚生労働省) (2019.11.11)
- 令和元年10月28日(月)「第21回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会(ペーパーレス)」開催される(厚生労働省)(2019.11.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント