最優秀賞はディスコ、SCSK、河合電器製作所 第1回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」表彰式開催(厚生労働省・2017年3月10日)

経営理念、労働生産性の向上、雇用管理の改善、組織成果を

書類審査とインタビューの2段階で審査

厚生労働省は3月10日(金曜日)、第1回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」の表彰式をイイノホール&カンファレンスセンター(東京都千代田区)で開催した。

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本表彰は、人口減少下においても力強い成長を実現させるため、労働生産性の向上と魅力ある職場づくりを両立させ、優良な取り組みを行っている企業等を表彰し、広く周知することを目的とするもの。

 

表彰式の冒頭、宮川晃・総括審議官が塩崎恭久・厚生労働大臣の挨拶を代読し「一億総活躍社会の実現を図るためにも、働き方改革を推進すると同時に、企業の生産性や競争力の向上、賃金アップ、更には経済全体の成長に繋がる諸施策を強力に進めていくことが重要」と述べた。

 

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今回は144社の応募があり、主に、①経営理念、②労働生産性の向上、③雇用管理の改善、④組織成果――の4点において、書類審査とインタビューの2段階で審査が行われ、計15社が選定された。

特に「業務内容や仕事そのものを抜本的に改善した点」「従業員や組織が学習し続ける点」「企業・従業員間の信頼関係」が選定企業に共通するポイントとした。

 

受賞企業は以下の通り。

 

■ 最優秀賞(厚生労働大臣賞)

株式会社ディスコ(東京都大田区)

SCSK株式会社(東京都江東区)

株式会社河合電器製作所(愛知県名古屋市)

 

■ 優秀賞(職業安定局長賞)

ダイキン工業株式会社堺製作所(大阪府堺市)

大豊工業株式会社(愛知県豊田市)

旭テクノプラント株式会社(岡山県倉敷市)

ヤマサハウス株式会社(鹿児島県鹿児島市)

 

■ 奨励賞(職業安定局長賞)

味の素株式会社(東京都中央区)

伊藤忠商事株式会社(東京都港区)

株式会社千葉銀行(千葉県千葉市)

富士ゼロックス株式会社(東京都港区)

ヤフー株式会社(東京都千代田区)

国本工業株式会社(静岡県浜松市)

サントリーシステムテクノロジー株式会社(大阪府大阪市)

株式会社リソーシズ(香川県高松市)

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2017年3月 9日 (木)

「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」が最終回を迎える

昨年12月の中間報告とりまとめ後 同一労働同一賃金の法整備に向けて2回にわたって議論

 

「論点整理」は来週中に示される予定

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厚生労働省は3月8日、第14回「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」を開催した。

本検討会では、中間報告を取りまとめ昨年12月に公表した後、2回にわたり同一労働同一賃金の法整備に向けて議論を行った。

なお、法整備の議論については、あり得る選択肢が幅広く、政策的な価値判断によるものも大きいため、今回は、法整備の論点において踏まえるべき議論の前提やあり得る選択肢、利害得失等を幅広く挙げ、整理したものを「論点整理」として、来週中に示す予定としている。政府には、これを踏まえて検討を行うことを期待するとしている。

 今回で本検討会が最終回となるにあたり、橋本岳・厚生労働副大臣が挨拶に立ち、塩崎恭久・厚生労働大臣の挨拶を代読した。

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 挨拶では「働く喜びと成長の好循環をより強固なものにするためにも、法整備に向けた論点整理は、今月中に取りまとめる予定の「働き方改革実行計画」へ反映し、今後の検討の土台とさせていただく。同一労働同一賃金を実現する法律案をつくり上げるべく、労働政策審議会での建設的な議論においても、論点整理を活かして参りたい」と述べた。

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2017年3月 8日 (水)

職業安定分科会の懇談会にて「ハローワークの求人情報のオンライン提供」のスケジュール示される

より使いやすいようにシステムの改善の検討は

平成31年度のシステム更改に合わせて実施予定


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厚生労働省は日、労働政策審議会職業安定分科会の懇談会を開催した。

その中で「ハローワークの求人情報のオンライン提供に関する検討会」について取りまとめられた報告書に関する報告がなされた。本検討会は、求人オンライン提供に関する地方自治体向けの情報の範囲等の在り方について、昨年10月から3回にわたり議論を行ってきたもの。

具体的には、企業の求める人物像やより詳細な労働条件等については、事業主の了解を前提にハローワークで把握し、効果的・効率的なマッチングを進める観点から、オンライン提供に含めるとしている。

また、追加情報を①求人受理時等に把握した追加的情報、②事業主が広く外部公開を希望しない情報――のつに区分してオンライン提供する。

①については、職業紹介等に活用され、②については、求職者との個別の職業相談等のみに活用される。なお、職業紹介を民間委託する場合には、②の取り扱い方法を遵守させるとしている。

 

さらに、①地方自治体への提供割合を向上させるため、現状は事業主が「地方自治体等及び民間職業紹介事業者」「地方自治体等のみ」「民間職業紹介事業者のみ」「どちらにも提供しない」の4つから提供先を選択する仕組みとなっているものを、提供を希望しない団体を選択(ネガティブチェック)する仕組みへの変更を検討、②採用決定者の属性等の活用実態の把握、③より使いやすいようにシステムの改善の検討――を行うとしている。なお、①と②については可能な限り速やかに実施し、③については平成31年度のシステム更改に合わせて実施する予定。

委員からは「虚偽の求人情報が提供される等のトラブル発生時に、地方自治体とハローワークがどのように解決するのか検討し、求職者が不利益を被らないようにして欲しい」等の意見が出された。

 

今回は、委員の出席者数が開催要件を満たさなかったため、懇談会として開催された。そのため、3月14日までに追加の意見などを募集し、「ユースエール認定」制度の改正に関する省令案要綱なども含めて、正式な議決については後日、持ち回りの分科会により行われる予定だ。


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2017年3月 2日 (木)

【厚生労働省 3月1日】受動喫煙防止対策の強化について基本的な考え方の案を公表

厚生労働省は日、受動喫煙防止対策の強化について、同省としての基本的な考え方の案を公表した。

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同案では、小中高校や医療施設は敷地内禁煙、大学や運動施設、官公庁、バス、タクシー等は屋内・車内禁煙とし、喫煙専用室も設置不可等としている。


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なお、燃焼以外の方法による使用する製造たばこ(電気加熱式たばこ等)については、現時点では受動喫煙による健康影響の知見が十分ではないため、規制対象とするたばこの概念に含めた上で、健康影響が明らかでないとなった場合は、政令で規制対象から外すとしている。

 

 

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2017年2月24日 (金)

本日(2月24日) 塩崎恭久厚生労働大臣に日本禁煙学会などから「受動喫煙防止対策に関する要望書」が手渡される

「今回頂いたさまざまな立場からの懸念事項と要望事項をしっかり受け止めて、法案をつくる際の審議にも活かしていきたい」(塩崎大臣)

 

 

塩崎恭久厚生労働大臣は224日、厚生労働大臣室で一般社団法人日本禁煙学会などから受動喫煙防止対策に関する要望書を手交された。

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塩崎大臣は「今国会冒頭の安倍総理の施政方針演説の中でも、受動喫煙対策の徹底をするという言葉が入っている。これを受けて、政府のなかで、厚生労働省で法案を考えている。政府としてゆくゆくは正式に決めて、今国会に出すというのが私共の方針である。今回頂いたさまざまな立場からの懸念事項と要望事項をしっかり受け止めて、法案をつくる際の審議にも活かしていきたい」と述べた。

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要望書を手交したのは次の通り。

・一般社団法人日本禁煙学会

25学会禁煙推進学術ネットワーク

・公益財団法人健康・体力づくり事業財団

・公益財団法人日本対がん協会

・全国結核予防婦人団体連絡協議会

・たばこと健康問題NGO協議会

・日本肺がん患者連絡会

・元タクシー運転手 井上準一氏

 ・九州看護福祉大学 川俣幹雄教授

 
 

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2017年2月23日 (木)

「転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)」策定に向けた研究会が最終回を迎える【平成29年2月22日】

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3月中にも報告書がとりまとめられる見通し

 

厚生労働省は、昨日(222日)、第回「転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)」策定に向けた研究会(座長・佐藤博樹中央大学大学院戦略経営研究科教授 写真)を、中央労働委員会講堂(東京・港区)で開催した。

 

本研究会は「転勤の実態調査を進めていき、企業の経営判断にも配慮しつつ、2017月末までに、労働者の仕事と家庭生活の両立に資する『転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)』の策定を目指す」とされた「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2015改訂版)」(平成271224日閣議決定)を踏まえ、独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った転勤に関する実態調査の結果や、企業からのヒアリングなどを基に、本年1月から検討を行ってきたもの。

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 今回は、報告書の取りまとめに向けてのたたき台が出され、これに対する検討が行われた。本研究会は今回が最終回となり、今後は検討事項を踏まえて、たたき台に修正が加えられ、月中にも報告書が取りまとめられるものとみられる。

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2017年2月21日 (火)

☆「キャリア権」の提唱者・諏訪康雄氏(法政大学名誉教授)が、キャリア権に関する著書『雇用政策とキャリア権』を上梓 【オススメ新刊書籍】

 

人々のキャリアをめぐる主題に沿って

労働法政策的な視点から考察を試みた

画期的論文集

このほど、

キャリア権の提唱者である諏訪康雄氏(法政大学名誉教授)が、

キャリア権に関する著書

雇用政策とキャリア権 ― キャリア法学への模索

(弘文堂 定価6500円+税)

――を上梓した(平成29年2月15日 初版第1刷発行)。


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 同書は、

職業上のキャリアの生涯にわたる形成と展開を基礎づける

法概念=キャリア権。

 この提唱者である著者が、20世紀末から21世紀初頭にかけ

雇用環境が激変する過渡期のなか、

人々のキャリアをめぐる主題に沿って労働法政策的な視点から

考察を試みた画期的論文集である。

 

pen 諏訪康雄氏のコメント

 本書は、20世紀末から21世紀初頭にかけ、

変化の波が次つぎと押し寄せてくる過渡期の

出来事を眼前にしながら、人びとのキャリアを

めぐる主題に沿って、主として労働法政策的な

視点から考察した研究論文と解説論文などを

集めたものである。

 すなわち、

1997(平成19)年から2012(平成23)年までの、

ふたつの世紀を跨る時期に発表した論稿類から

一定数が収録してある。

 キャリア(career)とは、経歴とか履歴と

日本語訳されることが多かった。

 それは、ある個人の過去、現在、未来をつらぬく

時間軸上の流れであり、

個人の錯綜する経験、思考、感情、行動が

絡まりあった展開過程である。

 そうしたキャリアのうち、主として職業活動を

核として展開される部分(職業キャリア)に着目し、

その基盤を形成する雇用と労働をめぐる法と政策

について、

キャリア周辺のマクロとミクロの法政策的な課題

を論じている。

 本書では、第8章(キャリア権の構想をめぐる一試論)

と第11章(職業能力開発をめぐる法的課題)

の2章が基軸となっており、キャリア権の提唱、

および、その法政策への影響ぐあいを把握できよう。

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【主要目次】

第1部 これからの雇用政策理論と枠組み

 第1章 雇用政策はどこに力を注ぐべきか

 第2章 労働市場法の理念と体系

 第3章 能力開発法政策の課題

 第4章 雇用政策をめぐる断章

 第5章 労働市場と法新しい流れ

 第6章 雇用戦略と自助・共助・公助

 第7章 労働をめぐる「法と経済学」

第2部 キャリア権の提唱

 第8章 キャリア権の構想をめぐる一試論

 第9章 キャリア権とは何か

 第10章 キャリア権をどう育てていくか

 第11章 職業能力開発をめぐる法的課題

第3部 キャリア権の展開(I社会人のキャリア形成支援

 第12章 エンプロイアビリティは何を意味するのか

 第13章 キャリアデザインとは何か

 第14章 中高年のキャリア展開

 第15章 内職と在宅就労

 第16章 テレワークの導入をめぐる政策課題

 第17章 テレワークという働き方がもたらすもの

 第18章 日本企業とテレワーク

第4部 キャリア権の展開(II若者のキャリア形成支援

 第19章 グローバル化時代の若年雇用の方向

 第20章 キャリア考現学

 第21章 社会人基礎力とは何か

 第22章 大学におけるキャリアカウンセリング

 第23章 アルバイトとキャリア教育

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2017年2月 8日 (水)

東京都が本日「ライフ・ワーク・バランスフェスタ東京2017」を開催!小池百合子知事がテレワークを体験(20170208)

認定企業を代表して株式会社ランクアップの岩崎裕美子代表取締役が小池知事より認定状を授与される

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東京都は、本日(2日)「ライフ・ワーク・バランスフェスタ東京2017」を東京国際フォーラム(東京・千代田区)にて開催しました。

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会場では、小池百合子東京都知事がテレワークを体験しました。


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今回、平成28年度東京ライフワークバランス認定企業には、部門で計13社が認定されました。

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認定状授与式では、認定企業を代表して株式会社ランクアップの岩崎裕美子代表取締役(小誌2016年1月1日・11日号の取材に応じていただきました)が小池知事より認定状を授与されました。

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労働基準広報2017年3月1日号のポイント~特集/「同一労働同一賃金ガイドライン案」の内容②

労働基準広報2017年3月1日号のポイント

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●特集/「同一労働同一賃金ガイドライン案」の内容②
 
会社貢献に応じた賞与なら貢献に応じて非正規にも同一の支給を
(編集部)
 前号に引き続き、「同一労働同一賃金ガイドライン案」の内容を紹介する。
 ガイドライン案では、賞与について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合、正規雇用労働者と同一の貢献である非正規雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給をしなければならないとしている。
 その上で、問題となる例として、①正規雇用労働者と同一の会社業績への貢献がある有期雇用労働者に対して、当該正規雇用労働者と同一の支給をしていないケース、②正規雇用労働者には職務内容や貢献等にかかわらず全員に賞与を支給しているが、非正規雇用労働者には支給していないケース――をあげている。
 
 
●弁護士&元監督官がズバリ解決!~労働問題の「今」~
第31回 電通事件と「過労死等ゼロ」緊急対策
 
是正指導段階の企業名公表の対象拡大等
違法な長時間労働を許さない取組を強化
 
(弁護士・森井利和&特定社会保険労務士・森井博子)
 
 株式会社電通の女性新入社員の過労自殺が労災認定され、違法な時間外労働を行わせたものとして、厚生労働省が同社の強制捜査を行い、本社の幹部と法人が送検されたとニュース等で報じられた。
 この事件などを受けて、同省が、昨年末、長時間労働削減推進本部の会合で「過労死等ゼロ」緊急対策を出した。緊急対策には、(1)違法な長時間労働を許さない取組の強化、(2)メンタルヘルス・パワハラ防止対策のための取組の強化、(3)社会全体で過労死等ゼロを目指す取組の強化――が盛り込まれた。
(1)の違法な長時間労働を許さない取組の強化では、①新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底、②長時間労働等に係る企業本社に対する指導、③是正指導段階での企業名公表制度の強化、④36協定未締結事業場に対する監督指導の徹底――があげられている。
 
 
● 企業税務講座/第75回 平成29年度 税制改正大綱②
 
研究開発税制などの見直しが多数
 
(弁護士・橋森正樹)
 
 平成29年度 税制改正大綱では、「一億総活躍社会」の実現のための両輪として「働き方改革」と「イノベーション」が掲げられているところ、後者について、「イノベーション」による企業収益の拡大、それによる雇用の増加や賃金上昇を目指した取組みなどがなされている。
 そこで、今回は、法人課税を中心に法人企業にまつわる主な改正について解説するものとする。
 
 
●企業における多様な人材活用・第6回
  「多様な人材の活躍に向けた働き方改革~ワーク・ライフ・バランスの再編」 
 
(県立広島大学経営専門職大学院教授・木谷宏)
 
近年、企業の課題とされる“ダイバーシティ・マネジメント”について、県立広島大学経営専門職大学院教授の木谷宏氏に解説していただく本連載。
第6回では、「働き方改革」に踏み出した日本で「ワーク・ライフ・バランス」をテーマに掲げる。
 
 
●労働局ジャーナル
 
 広島労働局で同局独自のロゴマーク作成
「全員参加型社会」の取組周知に活躍が期待される
 
(広島労働局)
 
 広島労働局(内田昭宏局長)は、平成29年1月から、「Safe Work,Change Work HIROSHIMA」をキャッチフレーズに、当局独自のロゴマークを作成した。
同局では、労働災害のない安全・安心な職場作り、長時間労働の抑制やワーク・ライフ・バランスの実現等に向けた働き方改革の推進及び安定した正社員雇用の実現に向けた取組などについて、さらに強力に推進することとしている。

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2017年1月18日 (水)

【平成29年 年頭所感】 塩崎恭久厚生労働大臣

年頭所感

 

(はじめに)

平成二十九年の新春を迎え、心よりお慶び申し上げます。本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。

厚生労働大臣に就任してから約二年四ヶ月が経過しました。その間、国民の皆様の安全・安心の確保に万全を期すべく努力してまいりました。引き続き、私自身が先頭に立って、様々な課題に全力で立ち向かう決意を新たにしています。

 

(一億総活躍)

昨年六月、「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定されました。まずは五十年後も人口一億人を維持し、その一人ひとりの人生を豊かにしていくことを目指し、男性も女性も、高齢者も若者も、障害者や難病のある方も、一度失敗を経験した方も、あらゆる方がそれぞれ活躍できる包摂的な社会の実現に取り組みます。そして、回り始めた経済の好循環を更に加速化させ、経済成長の成果を子育てや介護などの社会保障分野に分配し、更に成長につなげる「成長と分配の好循環」を構築していきます。

 

(働き方改革)

働き方改革は、一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジであり、日本の企業や暮らし方の文化を変えるものです。「働き方改革実行計画」の年度内の取りまとめに向けて、働き方改革担当大臣ともしっかり連携して確実に取り組みます。

長時間労働の是正については、私を本部長とする「長時間労働削減推進本部」において、平成二十八年四月から、監督指導の対象を従来の月一〇〇時間超から月八〇時間超の残業を把握した全ての事業場に拡大するなど、法規制の執行強化に取り組んでいます。今後、働き方改革実行計画において、実効性のある対策が取りまとめられるよう、検討を進めていきます。

 公正な評価に基づく「同一労働同一賃金」の実現は、非正規雇用の方々の処遇改善による女性、若者、高齢者等の能力の発揮につながるとともに、働く個々人の納得性を高めることになり、一人ひとりが輝く社会とするために重要です。このため、どのような待遇差が合理的であるか又は不合理であるかを事例等で示す昨年末のガイドライン案に引き続き、今後は、必要な法改正に向け、躊躇することなく準備を進めていきます。

 企業の生産性向上の実現に向けて、生産性要件の設定や金融機関との連携などの労働関係助成金の抜本改革や、人材育成の充実、成長産業への転職や復職の支援を進めていきます。

 雇用保険制度については、昨年八月に閣議決定された「経済対策」のほか、働き方改革の観点からも人材育成の充実が重要であること等を踏まえ、制度全般の見直しについて議論を行ってきました。職業紹介事業の機能強化や求人情報等の適正化と併せ、必要な制度改正に取り組みます。

生涯現役社会の実現に向けた環境整備のため、今年度中に策定する継続雇用延長・定年引上げのためのマニュアルの普及や、六十五歳以上への定年引上げ等を行う事業主に対する支援を進めていきます。また、ハローワークの高齢者専門窓口の増設などにより、働きたいと願う高齢者の希望を叶えるための支援を一層進めていきます。

さらに、本年一月から施行された改正育児・介護休業法、改正男女雇用機会均等法の周知徹底に取り組むとともに、保育所に入れない場合の育児休業期間の再度の延長や、男性の育児休業取得促進について検討を進めていくほか、女性の活躍を一層推進していきます。

 

(持続可能な社会保障制度の確立)

今後も高齢化が進展していく中で、社会保障制度を持続可能なものとして次世代に引き渡していく「未来への責任」を果たすべく、安定財源を確保して、制度の充実・安定化を図るとともに、重点化・効率化に取り組みます。

平成二十九年四月に予定していた消費税率の十%への引上げは、平成三十一年十月まで延期されることとなりました。そのため、消費税財源を活用して行う社会保障の充実については、その全てを予定どおりに行うことは困難ですが、待機児童ゼロや介護離職ゼロを目指した保育・介護の受け皿整備は、着実に進めます。また、先般の臨時国会において、年金の受給資格期間の十年への短縮を行う法案が成立しましたが、その他の施策についても、優先順位をつけながら、実施していきます。

さらに、経済財政諮問会議において策定された「経済・財政再生計画改革工程表」を踏まえ、引き続き、医療・介護提供体制の適正化や疾病予防・健康づくり、負担能力に応じた公平な負担や給付の適正化等に取り組みます。

 

(医療)

本年は、地域医療構想の実現に向けた取り組みを具体的に始める年です。構想の策定過程で抽出した課題に立ち戻り、地域の医療提供体制をどうしていくのか、地域医療構想調整会議において、関係者の間で協議を行うことが期待されます。厚生労働省としても、地域医療介護総合確保基金により支援していきます。また、本年は、都道府県において、平成三十年度から始まる医療計画を策定する年です。今回の医療計画では、地域医療構想を取り込み、医療提供体制のビジョンを示すものとなります。さらに、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方のビジョンを策定し、医師・看護職員等の需給推計や、医師の偏在対策、看護職員の養成・確保等について、検討を進めていきます。

平成三十年度に予定されている診療報酬と介護報酬の同時改定に向け、地域包括ケアシステムの構築やAI・IoT、ロボット等の革新的技術について、十分なエビデンスの下に活用を推進すること等の検討を進めていきます。また、国民皆保険の持続性とイノベーションの推進の両立を図り、より一層の国民負担の軽減と医療の質の向上の実現を目指して、医薬品の市場規模拡大による影響や競合品・後発品の収載による影響を機動的に薬価に反映させるとともに、新たなイノベーション評価の仕組みを導入するなど薬価制度の抜本改革に取り組みます。あわせて、平成三十年度に迫った国保の財政運営の都道府県単位化に向けた準備に万全を期していきます。

予防・健康づくりの推進や医療の質の向上により、医療保険制度を持続可能なものとするためには、保健医療のパラダイムシフトを実現し、ICTをフル活用する次世代型の保健医療システムを構築することが重要です。二〇二〇年度からの本格稼働を目指し、その構築に取り組みます。

まずは、膨大な健康、医療、介護データの眠る審査支払機関を今までの「業務集団」から「頭脳集団」に改革し、健診、医療、介護情報を統合し、民間も含めた第三者提供を可能とする総合的な保健医療データプラットフォームの構築に取り組みます。また、それらのビッグデータを活用し、効率的なデータヘルスを推進するとともに、介護保険総合データベースの抜本的改革に向けた調査・研究を行い、重度化防止、自立支援に資する「科学的に裏付けられた介護」の実現に取り組みます。それらの取組によって、保険者の主体的な保険運営を促進し、保険者機能を強化していきます。

さらに、ICTを活用し、医療・介護データの地域及び全国における共有などの取組を進め、個人の症状、体質に応じた迅速かつ正確な治療などの実現に取り組みます。

 

(国際保健)

 国際保健分野については、昨年、様々な国際会議の場で日本のリーダーシップとプレゼンスを発揮してきました。特に、五月のG7伊勢志摩サミットでは重要課題の一つとして「保健」を取り上げ、これに続く九月のG7神戸保健大臣会合では、公衆衛生危機への対応と備えのためのグローバル・ヘルス・アーキテクチャーの強化、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進、薬剤耐性の対応強化の三点について、各国との議論を主導し、具体的な行動を「神戸コミュニケ」として採択しました。また、八月にケニアで開催された第六回アフリカ開発会議や九月の国連総会でも、保健が大きく取り上げられました。私は、厚生労働大臣として初めて、これらの会議に出席し、我が国の経験を踏まえ、積極的に議論に参画しました。本年も、G7、G20、WHO、OECDなどの場で、国際社会の議論を主導し、国際保健分野の課題に対する取組をさらに推進するとともに、それを支えるための国内の人材育成等にも取り組みます。  

薬剤耐性(AMR)は全世界的に共通課題として認識されています。昨年四月に我が国のAMR対策アクションプランを策定し、今後五年間で実施すべき事項をまとめました。本プランにおいては、抗菌薬の総使用量を五年間で三分の二に減少させることを目標に掲げています。その達成に向けて、医療、獣医療、畜水産等の分野が一体となって行動するというワンヘルスの観点から、国民への普及啓発による適切な服薬の推進や、医療機関における抗菌薬適正使用の推進などの取組を、関係省庁と連携して進めていきます。

 

(がん対策)

昨年、難治性がんや希少がんの研究推進、がん患者の就労支援などを内容とするがん対策基本法の改正がされました。この改正を踏まえ、社会全体ががんに対して理解をさらに深めるよう、取組を進めていきます。

また、がん克服のための構想を今夏を目途に策定します。この構想に基づき、国境の壁を越え、官民や研究者が一体となって、人工知能の開発と活用を進め、ゲノム情報等に基づき患者にとって効果が高く副作用の少ないがん治療の実現を図るとともに、臨床データや研究データの標準化や共有化を進めるための基盤整備を行うことにより、免疫療法等の新たな治療法の開発を推進していきます。

 

(受動喫煙防止対策)

 受動喫煙防止対策の強化については、健康増進の観点に加え、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックや、その前年に開催されるラグビーワールドカップを契機に、従来の努力義務よりも実効性の高い制度とし、スモークフリー社会に向けた歴史的な一歩を踏み出せるよう、具体的な制度設計を進めていきます。

 

(安全な医薬品等の提供、食品安全・生活衛生)

今般の化血研における事案を契機として明らかになった、ワクチンと血液製剤の安定的な供給に関する課題に対処するため、これらの産業の在り方や、法令遵守を徹底するための企業ガバナンスの強化等を検討していきます。

医薬品等に関しては、先駆け審査指定制度の運用等により革新的な製品の迅速な提供を推進していきます。また、大規模な医療情報の収集・解析に医療情報データベースシステム(MID―NET)などのICTを活用し、医薬品等の安全性を高めるための検討を進めていきます。

水道施設の計画的更新や耐震化、広域連携の推進等、水道事業の基盤強化に向けた制度改正に取り組むとともに、生活衛生関係営業の振興やいわゆる「民泊サービス」の制度化に併せた旅館業の規制緩和を進めていきます。また、輸入食品に対する監視体制の強化等、引き続き食品の安全性確保等に取り組みます。

 

(子育て支援、児童虐待の防止)

 安全、安心に妊娠、出産、子育てができるよう、総合的子育て支援を推進していきます。待機児童の解消に向け、質の確保を図りつつ保育の受け皿を更に整備するとともに、保育人材を確保するため、技能・経験に応じた処遇改善や離職防止、再就職支援などに総合的に取り組みます。また、妊娠期から子育て期まで切れ目なく支援する「子育て世代包括支援センター」の全国展開、不妊治療への支援なども進めます。さらに、ひとり親家庭を支援し、子どもの貧困に対応していきます。

 全ての子どもには、適切な養育を受け、健全に育つ権利があります。昨年抜本的な改正を行った児童福祉法の着実な施行に取り組むとともに、平成二十三年の「社会的養護の課題と将来像」の全面的な見直しを進めていきます。児童虐待防止対策については、昨年四月から厚生労働省が総合調整を担うこととなったことを踏まえ、関係府省庁と連携して、発生予防から自立支援まで一連の対策に取り組むほか、司法関与の在り方などについても検討を進めていきます。

 

(介護)

介護については、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく包括的に確保される地域包括ケアシステムを深化・推進していくとともに、介護保険制度の持続可能性の確保を図るため、保険者によるデータに基づく課題分析と対応の制度化、認知症施策の推進、給付内容や利用者負担の見直しなど介護保険制度の見直しを進めていきます。

 また、介護人材の確保に向けて、技能・経験に応じた処遇の改善に取り組むとともに、介護福祉士を目指す学生を対象とした修学資金貸付制度や仕事を離れた人が再就職する際の再就職準備金貸付制度などのほか、介護現場におけるICTやロボットの活用を推進していきます。

 

(障害者福祉)

 障害者の皆さんが自らの望む地域生活を営むことができるよう、生活や就労に対する支援を充実させるほか、グループホームの整備などに取り組みます。昨年七月に相模原市の障害者支援施設で起こった殺傷事件に関しては、地域共生社会の推進に向けた取組を進め、措置入院から退院した患者に対する医療等の継続的な支援が確実に行われるよう対応していきます。

 

(自殺対策)

昨年四月から厚生労働省が総合調整を担うこととなった自殺対策については、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向け、自殺総合対策会議において、本年夏頃を目途に新たな自殺総合対策大綱を策定できるよう検討を進めていきます。

 

(生活保護・生活困窮者施策)

 生活保護については、必要とする人には確実に保護を実施するという基本的な考えの下、受給者の自立に向けた就労支援や医療扶助の適正化に取り組むとともに、生活保護基準の検証と、制度全般の検討を行い、必要な見直しに取り組みます。

生活困窮者自立支援制度については、就労準備支援事業や家計相談支援等の任意事業の実施拡大を始めとして効果的な自立支援のノウハウを拡げつつ、さらに包括的な相談支援や就労支援等となるよう、平成二十七年度の施行から三年を目途とした見直しの検討を行います。

 

(地域共生社会の実現)

 今後の保健福祉改革を貫く基本コンセプトとして、地域や個人の抱える課題を多様な主体が「我が事」として受け止め、「丸ごと」支えていく「地域共生社会」の実現を掲げ、取組を加速化していきます。次期介護保険制度の見直しにおける介護保険と障害福祉にまたがる「共生型サービス」の創設等を皮切りに、二〇二〇年代初頭の「我が事・丸ごと」の全面展開に向け、地域住民による支え合い機能の強化や、複合的課題に対応する包括的支援体制の構築など具体的な改革を行っていきます。

 

(年金制度)

 年金制度については、世代間の公平性を確保しながら持続可能性を高め、高齢期の多様な就労を進めることとあわせて、公的年金と私的年金を通じた年金水準の確保を図っていくことが重要です。

このため、昨年成立した年金改革法に基づき、短時間労働者への被用者保険の適用拡大を一層推進していくとともに、年金額改定ルールの見直し等を通じて、制度の持続可能性を高め、将来世代の給付水準の確保等を図っていきます。

また、本年八月より施行される年金受給資格期間の短縮への対応に万全を期すとともに、加入者範囲が大幅に拡大された個人型確定拠出年金の一層の周知・広報に取り組み、高齢期の自助努力を支援していきます。

さらに、年金積立金の管理・運用を担う年金積立金管理運用独立行政法人については、国民の皆様からお預かりした年金積立金を運用する組織としてふさわしい体制を構築するため、昨年成立した年金改革法に基づき、ガバナンスの強化を着実に進めていきます。

年金事業については、更に国民に信頼されるものとするよう、日本年金機構で取り組んでいる改革が確実に実行されるよう監督を行っていくとともに、国民年金保険料の収納対策、厚生年金保険の適用促進、情報セキュリティ対策等にしっかり取り組みます

 

(援護施策)

 援護行政については、昨年成立した戦没者の遺骨収集の推進に関する法律に基づき、戦没者の遺骨収集事業の推進を図るとともに、慰霊事業に着実に取り組みます。また、戦傷病者や戦没者遺族、中国残留邦人等に対する支援策をきめ細かく実施していきます。

 

(東日本大震災、各地の災害への対応)

東日本大震災の発生からもうすぐ六年が経ちますが、避難生活が長期化している被災者の方々も多くいらっしゃいます。引き続き、私自身も復興大臣であるとの強い意識で、被災者の方々の心に寄り添い、医療・介護の体制整備や雇用対策等といった対策を進めていきます。

全国各地での災害対応についても、復旧・復興の加速に向けて全力を尽くしていきます。

 

 以上、厚生労働行政には多くの課題が山積しています。国民の皆様には、一層の御理解と御協力をお願い申し上げ、年頭に当たっての私の挨拶といたします。

 

平成二十九年元旦

厚生労働大臣 塩崎 恭久


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